28話~なっかーま?~
どうも、三日前はプロローグを改稿した結果気力が無くなって三日ほど書こうと思ってもいまいち書けませんでした^^;
それとプロローグでキャラの名前も出したので読んでくれれば途中で混乱することが若干なくなります。
「どうしたもんか。この調子だとこの世界のことを説明したらまた気絶するんじゃねえのか?」
1人椅子にもたれ掛かりながら呟いた。普段なら考えていることを声に出すということはしないのだが、誰にも見られていないとつい口から声が漏れ出てしまう。
今、俺たちは自室に戻っており現在進行形で彼女はベッドの上で眠っている。
急に叫び始めた後、なにやら混乱したらしく気を失ってしまったのだ。
気を失ってしまったのもあの会話の流れを思い出してみれば、意外と簡単に答えらしきものに行き着くことが出来たのだがいまいちこれで正解なのかの自信が無い。そしてその答えを聞きたいのだが地味に目が覚めるのが遅いため外にも出ることが出来ない。
……そういえば今朝は一回飯を抜いたショックのせいで精霊石に魔力供給してなかったから今しとくか。
そして取り出して見て気づいた。
「あれ? 少しでかくなってないか」
闇の精霊石をふと見て気づいた。貰った当初は確か小石程度の大きさだったのだがそれよりも少しだけ大きくなっている。小石は小石でも大きい方の小石ですよ。的な?
「……ま、いっか」
どっちにしろ精霊になってしまえばその違いは気にならないだろ。と自分に言い聞かせて闇と土の魔力を供給し始めた。むう、やっぱり闇の魔力量が少ない。
闇の魔力を持っているというのに少なすぎて使えないという事実を毎日否応無く突きつけられて若干コンプレックスになりつつある彼がいつも通り少しネガティブ思考に入ろうとするのを止めようとしてなのか、タイミングよく彼女が身じろぎをして僅かに瞼が動いた。
「お? 起きてきたかな?」
とりあえず身を乗り出して様子を確認しながらも魔力供給は止めない。始めたばかりなのに止めるとか。
「う…ん……。あれ? ここは……」
「起きた?」
「あ、はい。って、あれ? なんで私ベッドで寝てるの。さっきまで井戸に居たはずなのに…。…ん? そういえばここが地球じゃないって聞いて……異世界!!?」
なんだか寝起きだからなのか凄く混乱しておられる様子。
「あー。ちょっと冷静になろうか。そして名前を聞いてなかったけど教えてもらってもいい? ちなみに俺はテオ・ウィステリア」
「え? 私は秋風理沙。最近中学生になったばかりだよ」
「へえ…つまり12歳と。……え゛?」
うんうんと頷いていたテオの動きが止まり、それを理沙が首を傾げながら不思議そうに見ている。
「? どうかしたの?」
「い、いやなんでもないよ。それとなんであんなとこにいたの?」
本当は異世界に来たにしては随分と若いなと言いたかったが、なんとなく止めた。話がそれそうな気がする。
そしてとりあえず話を元に戻そうと聞いたら少しだけ理沙は顔を曇らせた。一体何があった。それとも何か言うのを躊躇ってるのか?
「それは……」
「あ、ちょっと待って1つだけ確認させてもらっていい?」
「なに?」
「もしかして気づいたら城にいたっていうことなかった? 最近」
瞬間
理沙の表情が面白いくらいに豹変した。迷うような表情から限界まで目を見開き口をパクパクと開閉させて驚いた表情へと変わっている。
――…普通にビンゴですかあ。
次に理沙は俺が予想したのと最初の方は同じような内容を話し始めた。
学校から帰っていると急に目の前の空間が歪んでそこに吸い込まれて目が覚めるとなにやらお城の中にいて、変な(地球では見られない)格好の人たちに囲まれて何かよく分からない言葉で長老の人が話し掛けて来て、そのまま王様っぽい人に会わされてもう1度意味不明な言葉を話される。この時点でようやく言葉を発せられる程度には再起動出来て、日本語を話すと周りの人全員が目を丸くして見つめてくる。そして急に金持ちっぽい服装をしてむかつく感じに偉そうな態度の人達が騒ぎ始めて、今自分がどのような状況に置かれているのか分からない内に豪華な部屋に案内される。
そこでしばらくふかふかのベッドでぼんやり寛いでいると女性が何人かやってきてそのあたりから記憶は途絶えていて気づいたら裏路地で倒れていた。しかも結構奥の方に放置されたらしく表通りに出ようにも出られず、5日ほど食べ物を何とか恵んでもらいながら彷徨っていたら大きなおっさん4人にいつのまにか囲まれていて奥のほうへと引きずり戻された。なんとか脱出しようと大きな声を出して助けを呼んだが聞きつけた人も言葉が通じず結局奥へと連れて行かれて、殴られたり犯されたりされそうになったところ俺がやってきて現在のような状況に至る。
そこでようやく理沙は疲れたのかベッドに寝転がった。
「うーん。とりあえずどこから言ってしまえば良いか分からないけど、随分と波乱万丈が1週間を送ったんだね」
「そうでしょー? しかも言葉がテオ君みたいに通じるわけじゃないから何を言われたのかも今となっては理解できなくてねー」
などと愚痴をこぼす理沙。そして何でもないように俺はある言葉を言い放つ。
「秋風さん。それはあなたがこの国、ユーグタイス王国の初の勇者召喚の試みに巻き込まれたからじゃないの? それでこの世界の言語が理解できなかったんじゃない?」
「……勇者?」
「そう、勇者」
訝しげな視線を送ってくるがここでどもれば完璧に誤解される気がするだろうから敢えて真正面から見つめて肯定の言葉を返した。正直言って秋風さんの今の状況は勇者として召喚された。これ以外に言いようが無いと思う。っていうかちゃんとさっきまで話した内容を理解出来てるかなかな。急に勇者だと言われてパニックに陥らない奴とかいない方がおかしいだろうに。
現実逃避しないだろうかと内心心配な面持ちでじっと見ていたら、彼女はおもむろに目を閉じて大きく深呼吸をし始めた。そしてそれを数回繰り返した後、ゆっくりと目を開けてこちらをじっと見つめた。その目には何か理知的な光が宿っている。どうやら冷静に考えをまとめていた様子。
「あまり納得は出来てないけど、私が勇者として召喚されたのは理解したよ。だけど、何で君がそのことを知っているの。私はこの5日間、人に会って話したけど誰も私の言葉は理解しなかったし、私も相手の言葉が理解出来なかったよ。なのに、君だけが日本語を話せるっていうのは少しおかしな話じゃないかな? それに不思議な力も使うし。 ……君は何者?」
「どう話せばいいか分からないけど、俺は元日本人だよ。ただ8年くらい前に死んでから気づいたら日本人だった時の記憶をもったままこの世界の住民として生まれ変わっていたから日本語を話せただけ」
「し……死んだ?」
簡単に俺の素性を説明すると信じられないようなものを見るかのような顔になる理沙。
あれか、転生が信じられないってか。
「そ。つまり俺は転生したってことになるのかな? だから俺が日本語を知ってるのはある意味イレギュラーなの」
「そうなんだ……。確かによく見れば雰囲気が外人っぽいもんね」
そう言って彼女は落ち込んだが、逆に俺は首を傾げた。
俺ってそんなに日本人離れした雰囲気なんかもってたっけな?




