コン魔王の城 第六話「母上と、タヌ秘書」
突然だが、なんとコン魔王の母、ツネ様が視察から一時的に帰ってきたのだ。ツネ様はコン魔王に声をかけ、幹部を集めさせる。
「ちゃんとできてますか?」
睨みをきかせる母、ツネ様。美麗な容姿からは想像もつかない、まるで鬼婆だ。
「はい!」
爆発しながら答えて固まるトリトリ。周りもフォローしづらい状態。だがツネ様はまだ動かない。
「戦闘の方は?」
ツネ様の問いに応えようとしたゴボウは、トラップを踏んで壁にめり込む。
「申し訳ありません、正直万全とは言えません……」
素直に謝るカムイ。前々回の大人勇者戦、前回の子供勇者戦、どちらを見ても力不足は目に見えている。
「ワシだけでは教育しきれません」
冷静に見ているコン魔王は、そう答えた。するとふと笑ったツネ様は、コン魔王の頭を撫でる。
「そう思って、この子をつけます」
ツネ様の後ろから、タヌキが現れる。
「従兄弟のタヌ秘書か!」
「コン魔王様、この度はご就任おめでとうございます。祝いの席にいなくて申し訳ありません」
タヌキのタヌ秘書は、秘書としての服を着こなして、調査を始める。タヌ秘書が走り回るとトリトリが慌てた。
「あ、そこは危ない!」
焦るトリトリ。だが、何も問題はない。
「あらあらあら? 罠ですか? ですがですが、まだまだですね」
素早く回避するタヌ秘書。どうやら素早さが自慢の模様。
「こんな感じで調査します、いかがでしょう? って、罠を消費してしまった! やばい!」
「なんで焦っているんじゃ! それくらい何ともないわい、のう? トリトリ?」
罠はいくらでもあると、示したいコン魔王は、トリトリに確認を入れる。
「はい! 大丈夫です!」
何故かボタンを押して大爆発、コン魔王にツッコまれるトリトリ。
「では、あとは任せます。しっかりやるように」
ツネ様は去り、再び子供たちだけになった。
「では私の就任に宴を開きましょう! って、冗談ですよね!?」
「どう扱ったらいいかわからんボケをかますな!」
新たな仲間、タヌ秘書。彼がどんな騒ぎを起こすのやら。
そして部屋に戻ったコン魔王は、後ろの気配に気づく。
「ん? タヌ秘書、どうした?」
「その……オバケ怖くて……一緒に寝て──」
「追い出せ、城ゴーレム」
怖がりタヌ秘書に喝を入れるコン魔王だが、城ゴーレムの回答は違った。
「一緒に寝てあげて! コン魔王様」
「……やれやれ、昔から変わらんな、お前も」
「すいません……」
眠れぬ夜は共に。それが仲間の証かもしれない。




