コン魔王の城 第四話「再起」
「勇者は、勇者はどうなりましたか?」
「ゴボウ、無事か?」
めり込んだ壁から脱出したゴボウは、大慌てでコン魔王の所に戻ってくる。
「オイラ、手も足も出なかったっす……」
「僕の罠が通用しなかった……」
「俺は刀の力を過信していた……」
幹部なんて言われてもまだ子供。ゴボウも、トリトリも、カムイも、勝てなくて当然なのかもしれない。
「みな、落ち込むのはわかる。だから今一度、ルールを踏まえた上でどうしたらいいか、考えようじゃ」
まずはコン魔王は士気を上げようとした。そのためには戦闘は大切だ。
「まず、ゴボウとカムイで、戦闘の見直しをして欲しい」
「ゴボウ、お前は直線的すぎる」
「カムイさん、すいませんッス……」
「もっと技を磨こう。そして、俺はきっとスピードが足りない。全員で走り込みだ!」
修行にと走り込みに行くカムイたちを見送って、コン魔王はトリトリに話しかける。
「トリトリはワシと罠について今一度考えるぞ」
「どうしたらいいんでしょうか……」
「人を殺してはいけないというのはわかったな?」
「はい……」
ここがネックなところ。殺すレベルの罠でさえ通用しなかった勇者に、一体どうすればいいというのか。
「トリトリ、罠は何のためにあると思う?」
「敵を嵌めるためだと……」
「違う、味方の援護のためにあるんだ」
そう説き伏せるコン魔王の答えに、次第に目の光を取り戻していくトリトリは、飛び出して道具を持ってきた。
すぐに作業に取りかかる彼は活き活きとしている。
「そうか!そうだったんだ!」
ゴボウのおしりに爆弾をしかけて爆発させるトリトリは着火した。
飛んでくゴボウはそのまま正面の壁に突っ込む。
「これでゴボウの突撃の威力が増しますね!」
「そういう意味ではないわい!」
「またゴボウ、壁に突っ込んだぞ……」
意味もわからず壁に突っ込まされるゴボウと、ボケまくるトリトリをどう怒ればいいのかもわからずに、とりあえずコン魔王は説明する。
「ワイヤーで足を掬ったり、敵を一瞬でも動けなくするのじゃ」
「あ! それならいい罠があるよ! ゴボウとカムイさんで試してほしいな!」
カムイに突っ込むゴボウが、現れた氷の床に滑って隙になる。トリトリの滑る罠だ。これなら勇者でも足を掬えるかもしれない。
そうすればカムイの刃が通るかもしれない。
「これなら俺も戦いやすいかもな」
「みなで協力して、城を守るのじゃ」
一人で勝てない相手も、皆で戦えば勝てるかもしれない。いつか勇者でさえも追い返す魔王城を目指して。
一人になったコン魔王の元に現れたのは城ゴーレム。
「大丈夫じゃ、お主はワシらが守る」
「城の改造はいらない?」
「ああ。だがいつか頼むかもしれん」
城の改造もまたいつか。どんどん強化して、誰も彼もから持ち物を落とさせる、そうして大きくなる魔王城へ。




