朝礼
ギルド・ラストリーフ支部、朝礼の時間。
今日も、支部の面々がカウンター裏に集まっていた。
かつてのぎこちなさは、もうない。
適度な私語、自然な立ち位置、無理のない視線の交わり。
(……変わったな)
アルフォード=グレインは、静かに皆を見渡した。
「本日は、3カ月間の業務改善結果の報告を行います」
開かれた資料に、数値が並ぶ。
案件成功率、12%向上。
残業時間、30%削減。
新人職員の定着率、安定化傾向。
支部全体の稼働率が上がり、対応スピードも向上。
(数字だけじゃない。……空気も、確かに変わった)
アルフォードが目を上げた。
「ギルド本部より、当支部に対し、業務改善表彰の推薦通知が届きました」
一瞬、ざわめきが広がる。
リリアが「やったねー☆」とガッツポーズを取り、サラは静かにうなずく。
ハナミは小さく鼻を鳴らし、カミーユは目を輝かせた。
チットは「空便最速も一役買ってるよね〜」とウインクし、ヨハンは「俺もログを外部化したしな」とぼそりと呟く。
(誰か一人の力じゃない)
(みんなが、それぞれの場所で、ちゃんと変わった)
アルフォードは、資料を閉じた。
「──改めて、感謝します。皆さんのおかげで、ここまで来られました」
頭を下げる支部長の姿に、ミーナ=ルクトリアは胸が熱くなるのを感じた。
(支部長も、変わったんだ)
そして、自然に視線が交わる。
アルフォードと、ミーナ。
言葉はない。
でも、たしかに互いの努力と、歩み寄りが、そこにあった。
(この支部は──きっと、これからもっと強くなる)
ミーナは、小さく拳を握り締めた。




