この支部に、乾杯!
ギルド・ラストリーフ支部、夜。
談話室には、自然と人が集まっていた。
誰かが声をかけたわけではない。
けれど、気づけば──皆が、そこにいた。
「今日も、おつかれっす☆」
リリアが笑顔でカップを掲げ、チットが「空便は今日も無事故っすよ~!」と羽をばさばさ揺らして報告する。
「……うん」
サラは小さくうなずきながら、紅茶を注ぎ足している。
ベイルは無言で帳簿片手に座っているが、口元はわずかに緩んでいた。
マルコはいつもの席で、湯気の立つカップを手に、静かに周囲を見守っていた。
そして、カウンター越しには、ハナミが腕を組んで微笑んでいる。
(……なんだろう)
ミーナ=ルクトリアは、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。
──ここには、誰も欠けていない。
──ここには、ちゃんと支え合う空気がある。
視線を巡らせると、ふとアルフォード=グレインと目が合った。
ぎこちなくも、互いに小さくうなずき合う。
言葉はいらない。
この場に、すべてがあった。
リリアがふざけた調子で、カップを高く掲げた。
「はいはーい☆ それじゃ、支部の健闘と、みんなの頑張りに、かんぱーいっ!」
「「「かんぱーい!」」」
カップが触れ合い、軽やかな音が響く。
その中で、マルコ爺さんがぽつりと、誰にともなく呟いた。
「……まあ、悪くねぇ支部になったな」
ミーナは、胸いっぱいにその言葉を受け止めた。
これが──
今のラストリーフ支部。
未来へと続く、新しい一歩だった。




