16
意外と(のちのちで)重要な事が書いて――描いてあったり。
……今大切な事を書けよとかとか言ってHPを削りに来てはいけない。
いや、言ってくれると嬉しいんですけどね。
あとマゾじゃねぇ(何の話だ)。
『君はアレだね』
『君は、そう――感情を殺してるわけでも、どころか元々感情がないというわけでもない』
『君は――――感情を無視してるだけなんだ』
『感情という感情が麻痺しているというか――喜怒哀楽が見えていないだけなんだ。まるで恋に恋している年頃の乙女の盲目さのように、ね』
『君はどれだけ嬉しくても、どれだけ哀しくても、自分じゃ気付く事ができない』
『ひょっとして、周囲の顔色を窺う癖があるんじゃないかな?』
『おそらく――いや確実にそれは「兆候」だろう』
『だから、』
『余計に他人――この言い方は失礼だったかな?』
『とにかく君は、他の誰かの感情を受けやすく、そして時には自分の感情を見失って制御できなくなる傾向――いや現在進行形だね。既にそうなっている』
『誰かを気遣えるというのは、成程確かに素晴らしい』
『けれども自分を自分で管理できないのは――単純に言って、脆い』
『これは「きっと」じゃなくて「絶対」の話なんだけど…………』
「――――――――――アリサさん」
「は――――…………………………申し訳ございません」
『ついで』なんて、言うんじゃない、と言う前に。
アリサさんの表情が凍り付いた。さっき会ったばかりでも分かるほどの鉄面皮の持ち主が、外的要因で冷えていた。
「今の発言は完全に失言でございました」
再び座ったまま謝罪の言葉を述べるアリサさんを見て、ハッと気付く。
自分は今、どんな顔をしていた?
「……次から気を付けてくれれば、それで問題ないですよ」
「……申し訳ございません」
再び首筋を掻いて誤魔化すように自分が言ったが、返って来たのは謝罪。
…………今度こそ気不味くなる。
直感で思った自分は、とって付け足したような台詞を吐いた。
「あー、……とにかく、自分の祖父と両親、それから紗希の母親も明日一緒に――という事ですよね?」
「……はい」
先程の『冷気』はなかったかのように、しかし雰囲気から察せるくらいに失態を猛省しているアリサさんを見やり、
「でしたら紗希には自分の事は黙ってもらえないでしょうか?」
多分よく分からないだろうなーと思わせる事を言ってみた。
案の定、鉄面皮のままではあるがアリサさんは不思議そうに頭の上にハテナを浮かべてくれたようだった。




