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ダメだ。
(私自身に)突っ込むべき所が多過ぎる。
広過ぎる車内が、ほんの少しだけ沈黙に包まれた。普段(といっても今日のバスなど、滅多な事ではないが)車に乗った時に発生する揺れもそれを気付かせる音もせず、ただただ雨粒がこちら側からは透き通って見える窓ガラスに衝突する音さえも聞こえない。
奇妙な沈黙だった。
しかし、訪れたのは一瞬だった。
「優希様のご想像通りでございます」
「――――、」
あっさりと。
「昨日未明に急な心臓麻痺でお亡くなりになられました」
あっさりと。訃報がまたひとつ、自分の鼓膜を揺さぶって来た。
「ですので、明日――早速ではありますが、柳刃家現当主として最初の『業務』として執り行っていただく事になります。同時に優希様のご両親、それと紗希様のお母様の方も――」
「ちょっと待った」
「――――はい」
「あっ……ええっと、」
無意識に、タメ口でアリサさんの説明(?)を止めてしまった。止めてから、自分が何を尋ねたかった――そう、尋ねたい事があるのだ。
――なぜ、急に自分の所へやって来たのか。
――なぜ、彼女の名前まで知っているのか。
……ダメだ、突っ込むべきポイントが多過ぎる。
つい額に手を当てて唸りそうになったが、相手の話に割り込んでおいて何も言わないのもアレだったりするので、ひとつずつ尋ねる事にした。
「……なぜ急に自分に召集がかけられたんですか? むしろなぜ今の今まで自分――もしくは自分の母親が呼ばれなかったんですか?」
自分の母親をチョイスした理由は、確か父親との結婚前の姓が柳刃だったはずだからだ。
「それは、ひとえに先代の優次様が頑なに優希様の情報をお話なさらなかったからです。また、柳刃家の当主というのは代々男性が受け継ぐものですので」
……凄くきな臭い――面倒臭い話になって来た気がする。
ならば――――。
「じゃあ、何で彼女の事を、あなたは知ってるんですか?」
「彼女――失礼ですがそれはどちらですか?」
「紗希の方です」
ああ、と。
そこでアリサさんは納得いったように、
「それはですね――――、
あなたの周囲にいたからですよ。それと状況が状況ですので、『ついで』という形で――――」
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