〜河童美少女、レンゲ登場〜
巨椋池まではバスが出ている。ただのぶひろが思っていたようなバスではなかった。タイヤの代わりに足が付いていて、ネコバスのようなだがフロント部分には人間の顔が付いていた。「うわ、ちょっと気持ち悪い」内心思ったがとりあえず乗り込んだ。猫屋敷夫妻が2人がけの席に並んで腰をかけるとクロはその後ろの席を陣取った。
「のぶひろはここにおいで!」
クロは笑顔で手招きしてきた。のぶひろはクロの隣に座った。のぶひろはロリコンではなかったが猫耳美少女と話すのは楽しかった。
「巨椋池には河童がいるんだよ、お船を出してお月見をさせてくれるの」
クロが教えてくれた。この世界の定番の娯楽の1つのようだ。そして、バスは到着した。
河童の娘が迎えてくれた。のぶひろは河童と聞いて、頭の皿や背中の甲羅、爬虫類的なものを想像していたが全く違った。肌が少し青みがかっているが色白の美肌とも見える。エメラルドの瞳に吸い込まれそうになる。髪はショートカットで服は丈の短い法被のような格好。なので太ももから下があらわになっていて目がいってしまう。ようは美しかったのである。
猫屋敷一家と一緒に屋形船に乗り込んだ。河童娘は名をレンゲという。レンゲは船の出発を船頭に指示をした。レンゲは舟遊びの説明をし始めた。
「本日はお越し下さり誠にありがとうございます。まずはこちらの船でお食事を召し上がっていただきます。夜が更けてきましたらお月見スポットへ案内させていただきます。その後、個室にてゆっくりお休みいただき、明朝早くに蓮見の案内をさせていただきます。」
のぶひろは驚いた、お月見だけではなく、翌朝の蓮見までがセットなのである。蓮の花が咲く時には「ポン」と音がすると聞いたことがある。この音を聞くことができると悟りを開くことができる、または地獄に落ちずに済むと言われているのを記憶している。のぶひろはワクワクしていた。
「お食事をお持ちしました」
レンゲが豪華な食事を運んできてくれた。猫屋敷一家と一緒に談笑しながら食事をした。
「このお魚美味しいよ」
クロが満面の笑みでのぶひろに教えてくれる。立ち上がるクロを母親が窘めた。
「クロ、お行儀が悪いですよ、座ってお食べなさい」
クロはかなりテンションが上がって楽しくて仕方ない様子であった。
「改めて、のぶひろ様には娘を助けて下さり本当にありがとうございます」
猫屋敷泰弘は再び頭を下げた。のぶひろは恐縮して応えた。
「いえ、たまたま居合わせただけです。迷子のクロちゃんと出会って、こうしてお食事までご馳走になってこちらが感謝しているくらいです」
そこでのぶひろが今、立たされている状況を説明した。




