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ダンジョン が あらわれた  作者: 黒白のアレ。
ダンジョンマン
59/67

ep52:生存日数、15日目。


 一、二の三っと、リズム良く駆け下りていく。


 他のメンバーは、とっくに先へ行っている。


 両手のひらのように枝分かれした奇妙な草を、三角座りで一時間ほど観察していたら、いつの間にか先に行ってしまったらしい。


 地面に捨て置かれた置き手紙に、『先に行く』とだけ、仏頂面な文字で簡潔に書かれていた。


 凄いものだよね。

 文字だけで誰が書いたのか理解できてしまうよ。


 自然に形成されたかのような、大岩の螺旋階段。


 駆け下りて行き、肌を撫でる空気が変わるのを、体感した。


 階段を抜けた先。


 そこには──あまりにも奇妙な光景が、広がっていた。


 灰色の、草原。


 風が吹くたび、

 乾いた草が、かさり、と音を鳴らした。


 奥には、墨汁のような黒色の樹木が、葉を枯らしてポツポツと生えている。


 上を向けば、スカイブルーという言葉がよく似合う巨大な水晶が、天井から真っ逆さまに突き出て、まるで太陽の代わりと言わんばかりに、青白い光を放っている。


 …………。


 ……あのトラップに引っかかってから、10階層くらいだったかな。


 いくらダンジョンとはいえ、今までの階層は、まだ、現実にあってもおかしくはない、と言えるであろう環境だった。


 けど、これは……こんな景色では、もう、言い逃れは出来ない。


 既存の環境では、どう足掻いても、こんな景色が形成させることなど、ありえないのだろうね。


 だから、やっと、腑に落ちた気がする。


 ……本当に、あの空想たちは。


 あの、現実になることなど有り得なかったはずの、非現実は。


──現実に、なっていたんだ。


 …………。


「……ふ、ふふへっ、ふはっ、フハハハハッ、アヘッ、あははっ、アハハハハァ♪」


 やっぱァ──




──この世界、楽しいや。


 フハハ!



「……おい、直人。あの新人、変っつうか、怖いっつうか、なんかキモ怖いぞ(こそこそ)」

「……僕に言わないでくれ。僕も怖い(こそこそ)」



◇◆◇



──自動ドアダンジョン、???階層。



 なーんとなく分かってはいたけど、ここまで露骨だと確信してしまうね。


 抹茶色の皮膚に、筋骨隆々の肉体。

 片手には反りのある刀身約一メートル弱の太い刀剣。


 手足からは黒色の鋭い爪が生え、眼光すらも、鋭さを増している。


 それが、7体程。


 外見的特徴に、目の前の魔物たちが発する、唸り声。


 それらを加味すれば、この魔物たちをなんと呼べばいいのか、理解できる。


 平たく言えば、この魔物たちは──




──ゴブリンだ。


 ……もっとも、あの人間の超劣化版みたいに弱々しいわけでは、ないけれど。


 あれかな、ホブゴブリン、とでも言えばいいのかな。


「ねぇ、パッツキン?」


「なんだぁ? そのパックマンみてぇなあだ名。だせぇから相馬サマと呼べ」


「ボクたち、このダンジョン入ってから、結構経ってるよね……。二週間くらい」


「無視かよ……。まぁいいわ。そうだなぁ、確かにそんくれぇ経ってるかもなぁ」


「そうだよねぇ。さて、そんなボクたちは、とっても疲れています」


「……」


「目の前には、強靭な体格の、醜いボディビルダーもどきが7匹、おりますとも」


「…………」


 一歩、前に出て。

 穢れた抹茶共を前に、背を向けて。


 十字架に打ち付けられた偉人が如く、両手を広げて、顔だけは、前を向いて。


 口端が、捻れる


「みんなァ!」


 一瞬の、静寂。

 息を飲む音だけが、微かに聞こえて。


「今日は、とっても愉しいねェ!!」


 片足を軸に振り返りながら、短剣を振り上げるように抜き、逆手に持つ。


 そのまま、纏わりつく魔力を滾らせて。

 体を縮め、地を跳ねる。


「さーァ!」


「──遊ぼうか♪」


 愚かな特攻兵の後、呆れた顔の彼らが、続く。



──────────────────────

ep52:生存日数、15日目。


【愚道戯楽が貰い受けた短剣】

刃が僅かに青みを帯びた、両刃の短剣。

全長が、ものさしより少し長い位で、刃渡りが約20cm程。

一日に一度は、早瀬サマから点検の催促、及び『半透明の球』を利用した強制的な催促がなされるため、手入れが行き届いている。


本文に出す機会は無さそうなのでm(*_ _)m


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