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ダンジョン が あらわれた  作者: 黒白のアレ。
PHASE2『大厄災』
27/67

ep23:ボクは美食家なのだ。


──灰の街。


 粉塵が、高くまで舞い散る。

 赤色の飛沫が、雨のように降り注ぐ。


 銃撃と、魔物の声は、止むことを知らない。


 無数の人間が銃を手にし、

 そんな中、魔物の大群は暴れ尽くしている。


「ははっ、食べ方汚いなぁ」


 品がないね。食べ残しも多いし、地球によろしくない。

 まぁ、所詮は獣かな。


 あの知性の欠片も無さそうな顔を見れば、良くわかる。

 口元には血がこびり付いて、口を開けっぱにして、ずっと鳴き声をあげて、フハハ。



 ……しかしまぁ、種類が多いものだ。


 パッと見るだけでも、ゴブリン、コボルト、狼、オークに猪に……あとは、よく分かんないやつとか。


 ふむ? あの近辺にはゴブリンくらいしかいなかったし……となると、別のダンジョンからも来てるのかな?


 最初はゴブリンだけの集団だったけど、進出していくうちに他の魔物も引っ張られていって……なんだっけな、トレインとか言うんだっけ、アレ。



──ギチチュ


 口の中にある肉を噛み潰しながら、そんな事を考える。


 当然ながら、これは生肉だ。

 魔物の多いこの場所で肉を焼く暇は、流石にない。


 幸い魔力があるからね、臓器を強化したり、口内で熱消毒すれば問題ないことは、既にやって分かっている。


 けど……やっぱり不味い。


 コボルトみたいなやつの肉は、ゴブリンのよりも生臭くてあまり美味しくない。


 例えるなら……そうだな、三日三晩泥水につけた木の皮を食べているみたいな。


 レビュー星0.5ってところかな。


 魔物から出る宝石のような石をそのまま噛み砕いたせいか、余計に不味さを増している。


 濁りだらけには見えたけど、まぁ魔力で強化してるし、多分問題は無い。


 のーぷろぐれむってやつだ。のーぷろぐれむ。


 銃弾と血が飛び交う戦場のど真ん中で、ボクは食事を謳歌する。


 そのうち魔物食とか流行るのかなぁ……なんて。


 近くにいた魔物は、涙を浮かべる間もなく死んだ。



◇◆◇



 十数匹のゴブリン達が、ヨダレを垂らしながらボクの元へにじり寄る。


 足音は軽いが、数が多い。

 カチカチと歯を鳴らす音が、湿った息と共に近づいてくる。


 奴らは鋭い爪を目の前に構え、ボロボロのナイフを持ち、棍棒を握り締めて。


 そんなゴブリン共に習うように短刀を構え──






──やっぱやーめた。


 バンッ!! と火花を散らして、ゴブリンを貫く。


 ふふっ、ふはははっ。

 正々堂々、なんてねェ、人と人でしか、成立しないんだよなァ! フハハ♪


 もう片方の手にも銃を握り、大雑把に狙いを定めて乱打する。

 焦点の合わない視界の中、ほとんどの弾は空を過り、薬莢が地面へ落ちていく。


 フハハ! トリガーハッピーってやつなのだよ。


 ゴブリン達よ! 蜂の巣にしてやるぜェ!



◇◆◇



──カチッ、カチカチカチカチカチカチ……


 気づけば弾は消えていて、予備の弾なんて当然無くて、遠くにいた魔物たちもが、ボクを取り囲んでいた。



「……スーーッ」


 ……あれェ? ちょっとピンチかも?


 魔物たちは苛立ちを露わにするように、喉を鳴らしている。

 よく見れば、奴らの体表には小さな穴が空いていて、そこからは血が垂れていて……。



 …………。



「フハッ♪」


 なんて最高な世界なんだ。



────────────────────

ep23:ボクは美食家なのだ。


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