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インディスティンの力

お、お久しぶりです。

あけましておめでとうございます……



「ギル!」

「おう!」


突如現れたラヴァーを見て硬直するも、すぐに二人構えて、距離を取る。いつもより多めに。


「あらぁん。せっかく来たのにぃ。随分な万能じゃあなぁい?」

「ひっ」


さっきまで憤怒の表情でリアルな鬼ごっこしてたのによく言うわ!!


「ギル、頼めるか」

「嫌だ。主がやれ」

「俺だって嫌だわ!」

「あらあら二人共頂くに決まってるじゃない。そんなに遠慮しなくてもい、い、の、ヨ?」


ラヴァーは巨体をクネクネさせながら、ウィンクして投げキッスをする。いや、投げキッス飛んできっ


「うっおええええええ」

「あ、主ぃいいいいい」


顔に当たった。物理的なダメージはないけど精神的なダメージが酷い、最早魂にまでダメージが入ってる気がする。


「つっか、ギルが召喚できるなら、もう二人召喚できるんじゃねぇか?」

「おう。そうだ。喚べ、喚んでしまえ!矛先を少しでも変えてくれ!」

「サクッと行くぜ、サクッと!召喚!セイルあーんど、シュカ!」


俺たちの前方に、二つの魔法陣が現れ、半裸のセイルと、肩口から大量の血を流しながらも物凄い殺気を放っているシュカが現れた。


「おや」

「はぁっはぁっはぁっ……」

「シュカ!!」

「隊長……?それに、主も……よくぞ、ご無事で……」


シュカはその場で膝をつき、先程と打って変わり、安心した様に笑った。


「手当てします」


セイルがシュカに寄り、肩に手を当てたところでラヴァーが口を開く。


「少しだけ黙っててあげたけど、もう良いわよね?そろそろ待ちくたびれちゃったのだけど」

『我もだ』

「いや、まだ待て。早い。むしろ俺たちがここから無事にでれるまで待ってくれ」

「それは無理な相談ねぇ」

『そろそろ再開するとしようか』

「まぁそうだろうな。主。セイルがシュカの傷を癒すまで、俺達でこいつらを抑えるぞ」

「お、おう!」

「いくわよ〜♡」


ラヴァーは気色悪い笑みを浮かべると、恐ろしい勢いの女の子走りで俺に向かって加速する。


「ぬおっ!?」

「カァッ!!」


それを阻むように、ギルがブレスをラヴァーに放つも、ラヴァーはぬるりと。そう!ぬるりというレベルで横に反って避け、俺の眼前まであっという間に到達する。

が、流石に俺もそこまで来られて何もしない訳がない!


「はあッ!!」

「やぁん」


俺は軽く踏み込み、横に一閃。その後跳脚でラヴァーを蹴りながら後退。

股間を蹴ったはずなのに変な声を出してよがるのはやめてほしい。


「酷いわぁ。乙女に向かって剣を向けるなんて」

「百歩譲ってもてめーが乙女ってこたぁねぇよ!!朧ッ」


インディスティンの刀身が普段より更に透明に、朧げになっていく。


「刃が透明になったからってなんだというのん?」

「さぁね?ま、すぐわかるだろう?」

「なら」


ラヴァーは拳にピンク色のオーラを纏わせニヤリと笑う。


「私はこれで行かせてもらうわ」

「ッ」


ラヴァーが俺が跳脚で離れた距離を一瞬にして詰め、アリスの拳撃もかくやという程の拳撃のラッシュを始める。俺は致命傷になり得るものは避け、当たりそうな物を結界を使って反らし、合間を縫って斬撃を浴びせていく。


「ふふふふふふふふふふふふっ♪」

「…………………………………」


何が楽しいのか、しかも心なしか火照ってるような笑顔でラッシュを続けるラヴァー。

俺自身は弱いが、インディスティンは大分優秀なようで、ラヴァーの盛り上がった筋肉を容易にサクサク斬り裂いていく。だが、やはりラヴァーは笑顔。


「マジでそろそろ気持ち悪いし、準備も整ったから、決めさせてもらうぜ?」


完全に透明になった刀身を確認して、ラヴァーにそう伝える。


「やってみなさぁい」


ラヴァーは余裕の笑みでラッシュを止め、構える。

いやぁ舐められてんなぁ。いつの間にか傷塞がってやがるし。斬ってんのに塞がってるってどんだけ治癒力高いんだよ。


俺は跳脚で再度距離を取り、叫ぶ。


「ならやってやらぁ!インディスティン! 幽静斬鬼龍ッ!!」


インディスティンの刀身が見えなくなっても、赤く輝いていた宝玉が宙に浮いて行き、それを中心に半透明な四足歩行で、二対四翼の龍を形成していく。それが完成した辺りで、ラヴァーの笑みは完全に消えていた。


「最早剣と呼んでいいのかわからんが、これが俺のこの剣の力みてえだ。いや俺もまさかこんな感じだとは思わなかったんだ、ほんとマジで。てっきりオーラ的な物が剣から出るんだと思ってたんだよ」


因みにインディスティンを鑑定するとこんな感じ。


インディスティン


幽鬼龍カスカの爪の一番強度の高い部分を加工して作られた長剣。

ミスリルなんぞ軽々斬り裂き、アダマンタイトをも対等に斬り結ぶことが出来る。勿論ゴースト系のモンスターを斬る事も可能。

マナを注ぐと次第に刀身が透けて行き、完全に透明になれば、満タン。そのまま使うも良し、自身で決めた解放名を使えば、カスカの力をそのまま使うことも出来る。ただし、注いだマナの量によるので、この剣のみのマナでは三分が限界である。柄を持っていれば、マナを注げば延長可能。

自動研磨スキル保持。


とまぁ、割と壊れた性能を持ってらっしゃるようで、俺が持ってていいのか困るぜ。


「さぁって時間もねぇから、終わらしてもらうぜ」

「させないわっ」


ラヴァーは勢いをつけて、俺に殴りかかるも、それを阻むようにインディスティンが間に入り込み、ラヴァーの拳を頭突きで受け止めるどころか、ラヴァーの巨体ごと突き飛ばしてしまう。


「うっそぉんっ!?」

「つええ!」


インディスティンは翼を羽ばたかせ飛び上がると、その姿を完全に消す。


「何処に……ぐふっ!?ぐはっがはっ」


そして、音も無く移動し、ラヴァーを四方八方から突き飛ばしていく。


「調子に乗るんじゃないわよぉ!?」


ラヴァーは拳だけでなく、身体全体にオーラを纏わせて、地面を思い切り殴りつけ、ダンジョンの床をぶち抜いて……っ!?


ガラガラと音を立ててこのフロア全体が崩れ落ちた。


隣の方で戦っていた岩石野郎も一緒に落ち、ギル達は飛んで……


「俺だけかああああああぁぁぁぁぁぁ!!」


そう、翼を持たない俺だけが落ちていく……と思ったらインディスティンが途中でキャッチしてくれたみたいで落ちずに済んだ。


「はぁっ良かった。サンキュー。ちょっとギル達の方まで飛んでくれるか?」


インディスティンは頷くと飛んでいるギル達の側まで寄るとインディスティンの宝玉の光が点滅し始めた……あ、マナ注がねぇとか。うん。なるほどなるほど。三分が限界の時点でも思ったがウル◯ラ◯ンみたいだな。でも大体あの人ら三分以上戦ってるよな。


「やるじゃねぇか。主」

「俺っつかインディスティンが強過ぎてな」

「んじゃやるじゃねぇか、インディスティン」

「それだと完全にインディスティンしか戦ってないみたいな」

「いや主それないと戦っても擦り傷すら負わせられないだろ?」

「言ってはならないことをっ!と、それにしても深いなこの穴」

「いや深過ぎだろ。底が見えないとか怖すぎるだろうこのダンジョン。しかも生きてるダンジョンってんだから相当デケェって事だぞコイツ」

「ひえー。とりあえずここ出ようぜ。あるいは乗せて。そろそろ俺のマナ切れる」

「わかった。《竜化》」


ワイバーン化したギルの背に乗せてもらい、インディスティンを剣に戻し、鞘に入れる。


『とりあえず、シュカの治療は終わったみたいだが、そのまま寝ちまったみてぇだからよ、そこの扉開けて……あれ?扉無くね?』

「はぁ?そこにあるだろ?あれ?ない」

「二人とも、話しているところ申し訳ないのですが、彼等、まだ来るみたいですよ?」

「『えっ?』」


ギルと俺が下を見ると巨大な岩石が人の身体をなして部屋の端と端に手をつきながら登ってくるではないか。その岩石巨人の頭の上にはラヴァー。


「あれ?まだなんかいねぇ?」

『いや、その量はやべぇだろ』


それに少し遅れて小さな岩石巨人いや、ゴーレムな。小さな岩石巨人て。巨人じゃねーってかいや量がおかしい。


『ぱっと見百はいるだろこれ』

「んだな。セイルはシュカ背負ってるから戦力には……なるか?」

「魔法を使うくらいなら……ですが」

「ふむ。面倒だな。ギル。全力で結界展開すっから突っ込む。セイルもこっち乗れ」

「わかりました」

『マジか主』

「マジだ。スリーカウントで行くぞ」

『おう』

「さんにーいちっゴォっ!!!!」

「グルァッ!!」


俺の掛け声に合わせて、ギルが吠えながら垂直に落下する。俺はギルの身体に合わせて四角錐型に結界を展開させる。

ラヴァーが俺たちの行動に気付き、俺たちへ飛び掛るも、セイルがニコッと爽やかイケメンスマイルを向けながら瞬時に掌から直径三メートル程の水球を発射して、ラヴァーを撃ち落とし、ゴーレム達は飛びかかってくる事もなく、俺たちは比較的安全に、降下していった。




「よくぞ辿り着いた。勇者よ!」


降下して辿り着いた先に居たのは変な仮面をし、体を反らし、左手を仮面に添え、右手を俺たちにむかって突き出し、震えた声でそんな事を言う燕尾服の男と同じく仮面を被ったメイド二人であった。




〜精神の間〜

カズマ「前回出番をかっさらわれて怒ったジュンに虐められた主人公です」

ジュン「前回このポンコツをいじり倒していた新・主人公です」

メイ「前回変態を虐めていた新・主人公ジュンのヒロインです」

ギル「言うことに容赦がねぇな」

セイル「もうそのまま乗り換えてしまってもいいんじゃないですか?」

カ「酷くね!?もうそれタイトル変わるぞ!?」

ギ「まぁな。坊主は主より既に強いのだろうしな」

ジ「当然」

メ「ね!!」

カ「お前ら、随分と自信ありげじゃねぇか。なら、やってやろうかっ!?」

セ「地の文がないのでわからないでしょうけど、今主の首元に剣がそえられ、周りに木の棘が生えています」

カ「大人しく地の文使えよ……」

ギ「主、安らかに眠れよ。じゃあな」

セ「お読みいただきありがとうございます」

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