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呼ばれちゃって加護もらっちゃって?

『守護龍の加護を得て、その力をどのように扱うのか、見せてもらおうかの』

「待て待て待ってくださいマジで!」

「ヘル様!加護を手に入れても主が死んじまうぞ!!」

『それならばそこまでの存在じゃということじゃ』

「くっそ、主……」

「手を合わせるなぁーー!!」


ギルは手を合わせ、黙祷。セイルはあははーと爽やかに笑い、アリスはヘルロードにありったけの殺気をぶつけながら俺の横に立っている。


「ククク……この黒龍王ヘルロードを前に何分立ってられるかの!!」


と、体長七メートルほどの黒い龍がそびえ立つ。




「で、だよシリウス。この後どうすんだ?」


カナデさん達が扉を開け、その先に消えていったわけだが。報告を待つまでのこの暇、どうしてくれようか。


「話してる間に剥ぎ取りも終わったようですしね……」


丸々鱗やら牙やらを剥ぎ取られ、あまり小さい子には見せられない血だらけの竜っぽいのがある。


「……食うか」

「食べるんですか?!!」

「いや、なんだかんだ、この世界ので生きてくわけだし、食えるようにしとかねぇと」

「カズマ様。食べるなら血抜きをしないと」

「できるか?」

「大きさが大きさですから、時間はかかってしまいます」

「んじゃいいか」

「いや、そもそもあんなん食べれんのかよ!」

「ライト隊長!お腹が減りました!!」

「我慢しろ」


ってなんか色々うるさくなってきたな。


「アリス。その人達に協力してもらいながらやればいいんじゃね?」

「そうですね。そうしましょう!」


おおー。アリスがなんか嬉しそうだ。腹減ってんのかな?


「さて。話を戻しますが、今はとりあえず先遣隊の連絡を待ち」

「待ちーってかもうどっち行くか決めね?俺個人としては、ギル達が向かった方に行きたいんだけど」

「それはそうですが……」


まぁ確かに、カナデさんも行ってるから、シリウスも行きたいのかもしれんが、それならポチはポチで金色の門をくぐってるわけだから、シリウスはそっち行ってもいいわけだ。幸い俺もシリウスも両者の面識はあるから、どちらになっても問題はないが。


『ーー主!』


「はい!!?」

「うわっ!なんですかカズマさん」

「ぇ?あ、いや。今ギルの声が」


『主!おーい!』


「あ、やっぱ聞こえるわ」

「なんでギルの声が?」

「わかんね」


『主。いきなりで悪いけど、説明すんのも面倒だから喚ばせてもらうわ』


「呼ばせてもらうって、あれ?」

「カズマ様!」


アリスが異変に気付いて、俺に抱き付くと同時に、足元に黒の魔法陣がーーっ!!




「はぇ?」

「ここは……」

「よーう。主。喚ばせてもらったぜ。ヘル様。こちらが、現在、焰のギル。水流のセイル。疾風のシュカ。三人の主、カズマだ」

「なんじゃ、ただの餓鬼ではないか」

「そうですねぇ」

「お前、ギルなのか?てか、セイルも……」

「おう。ちっとでっかくなったけどなぁ」

「フフフ」


ボッサボサの髪をだらしがなく伸ばした背の高い青年が、いつものやんちゃそうな顔をそのままにニヤリと笑って俺を眺めている。横には何故か袴姿から鎧武者姿になっているセイルがいる。その後ろには、玉座か。そこにはやや紫がかった髪を伸び放題にさせて、偉そうに座る少年がいた。


「ぎ、ギル。全くもって意味わからんから説明を求める」

「おう。まず、俺らの姿の話しは後々するとして、主を喚んだ理由な」

「あぁ」

「それは、ヘル様が呼んでるからだ」

「おう」

「……」

「それだけ?」

「あぁ」

「いやいやいやドヤ顔で言われても説明になってねぇから」


つか、ちょっとでかくなってるからか、ギルから威圧されてるような錯覚を受けちまうな。


「んーだからよー」

「カズマ様。セイルからある程度今聞きましたのでご説明します」

「お、マジか」


と、説明を聞くところ。

門をくぐって出た所が黒龍王国王城の転移室とかいうところで、ギルやセイルはこの場所を知っていた為、すぐに兵に話を通せたとかなんとか。


「カナデさん達は?」

「今は客室で待っててもらってる。んで、主よう」

「なんだよ」

「俺の元主、現黒龍王国のトップ、ヘルロード様がちっと話があんだって」

「そ、そんな人がなんで」

「何せ、俺だけじゃなく、シュカやセイルまでも主従関係になっているわけだし。ヘル様も注目しちまうわな」

「それだけじゃあないぞ。お前みたいな阿呆を面倒見れるやつをちと見てみたかっただけじゃ」

「え、何、もしかしてその子ーー」


子供、そう言いかけた時、既にその子は俺の眼前に迫ってきていた。そしてその子と俺の間にアリスが剣を抜き構えていた。


「ほう……ワシに反応できるだけの神経を持ち合わせておるか。それに比べて……」


少年は興味を失ったのか、小さくため息をついて、玉座へと戻っていく。と思えば顔だけをこちらへ向け言った。


「見た目で判断すると、痛い目を見るぞ、小僧」

「こぞ……っ」

「あ、紹介するぜぇ主。この方がこの黒龍王国デスペリア現王。ヘルロード様だ」

「ククク。見た目はこんなだが、ワシはこの王国の誰よりも強い」

「……」

「カズマ様。下がってください」

「すまん」


情けないが言われるままにアリスの後ろに隠れる。


「ほうほう。ワシの威圧にも耐えられるか。小僧の方は相変わらずのようじゃが、お主、ヴァルキリーかの」

「はい」

「そうかそうか。なら当たり前か。だが、お主はまだ大分弱いようじゃな。フェアリア嬢なら斬りかかってくるくらいの気概はあるぞ?」


なんか、聞いたことがある気が。

絶対そんなことしちゃダメだろう。


「さて。カズマよ」

「なんすか」


極めて平静を装って応える。足ガックガクだけど。


「主は力が欲しいと思わんのか?」

「そ、そりゃあ、欲しいですけど」

「そうか。なら、ワシが、加護を与えてやろう」

「はい?」

「聞こえなかったか?力をやると言ったんじゃ」

「え、これ、ドッキリじゃないよね。一国の王から力を与えるとか言われてる気がするんだけど」

「ドッキリじゃねぇよ主。人族じゃ二人目の名誉ある儀式だぜ?」

「受けて損はないですよ。主様」


ギルとセイルがドッキリでないことを否定し、この事が凄く名誉なことなんだぞー的なことを言っている。


「というかぶっちゃけ拒否権はないぜ主」

「え?なんで?」

「ここはワシの国でワシの城じゃ。そこに勝手に入り、無事に帰れると思うのか?そして小僧らの立ち振る舞い、王族に対して不敬罪にも程が有る。処刑だってできるのじゃ」

「処刑……」


思わずギロチン台を思い浮かべてしまった。


「さてそんな状態の主らだが、龍の加護を与えれば龍と対等まで行かなくともそれなりの扱いをされる。このような謁見も許されるというわけだ」

「まぁ実際はどんな奴らでも何かしらやんねーとほんとは会えないもんだけどな」

「コラ。ギル。ワシが話しとるんじゃ。黙っとれ」

「へいへーい」

「さてカズマ。主は守る力と倒す力どちらが欲っする?」

「俺は守る力がほしい!!」

「即答か。理由は?」


ヘルロードの金色の双眸が、じっと俺を見つめる。


「……俺は弱いからな、倒すなんてことはできない。だけど、大切な人間がやられてるとこを黙って見てるなんてのもできない。だから俺は守る力が欲しい」

「倒す力でも守ることは出来よう?何故、守る力なのだ?」

「何かを倒したり、壊したりってのは俺の得意分野じゃない。アリスだってせっかく頑張ってくれてるんだし、ぶっちゃけアリスの戦闘に入るのは邪魔になると思うんだわ」

「そうか。……ふむ。よし。では主に守護龍の加護を与えよう。そこに正座せい」

「正座っすか」


と言われるままにその場に正座する。


「では。我。ヘルロードが認めし者に守護龍の加護を与えん。守るべき者の為にその力を使えーー」


正座している俺の下に白い魔法陣が現れ、俺を光が包んで行く。


「ーーっ」


そして視界が真っ白に染まり、その奥に俺は龍のシルエットを見た。


「っかは!」

「起きろ」

「いってぇ……」

「儀式が終わった瞬間に倒れるんじゃない。そこの小娘に睨まれたじゃろうが」

「あ、終わったのか」

「終わったぞ」

「でも、なんつーかあんま変わらない?」

「加護は身体には影響しないからの。こう使うのじゃ」


ヘルロードが片手を目の前に突き出すと魔法のバリアーのような半透明な壁が出現した。


「この結界の強度はステータスには依存しない。対象を守りたいと思う心によって強化される。ワシのように」


ヘルロードが両手を突き出すと結界が四重になり、ヘルロード自身を包んだ。


「こんなことだってできるようになるかもしれんぞ」

「すげぇな……」

「と、説明は終わったことじゃし、少し移動するかの」


むんずと首を掴まれたかと思うと視界がぐんっとズレる。


「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

「カズマ様!!」


アリスが俺の足を掴んだのか、その重みに少し足がつりそうになる。

いや、アリスが重いってわけじゃねぇんだよ!ヘルロードが飛んだせいで引っ張られてるんだよ!


「あまり情けない声をあげるでない!」

「無理ぃぃぃぃ!!」


城の中を全速力ーー全速力ではないかもしれないが車でいうと二百キロ程だろうかーーで飛ばれてちゃ、情けない声も出すよ!


「うおおおおお壁!前扉!やばぁぁぁぁ!!」

「気にするでない」


ヘルロードはその扉を吹き飛ばすと、テラスに出て、そこから更に速度を上げて飛んだ。


「ぎゃああああああ!!」

「よし、あそこにするかの」


飛んだ時間は恐らく二分くらいだろうか。何もない……わけではなかったが、そこにいたモンスター達はヘルロードが来ただけで散っていったので、すぐに降りられたわけだが。


「何するん、ですか、」

「それはの。お主の力を試すんじゃよ」

「え、えええええ!!」

「やっと追い付いた!ヘル様!」


追いついて来たギルとセイル。そしてアリスも俺の横に立つ。


「まぁいいではないか」


その言葉からヘルロードの身体は黒く輝き、その身を大きな龍へと変え……。


『守護龍の加護を得て、その力をどのように扱うのか、見せてもらおうかの』


冒頭へ戻るのである。





お気に入りとかないでくれるひとありがとうございますm(_ _)m

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