第一回FSO攻略会議!
四十話ですねぇ。
少し長めです。珍しく。
ゴブリン戦争から二日。七層集会所会議室に俺達はいた。
「では。第一回FSO攻略会議を始める」
七階層代表シリウスが席を立ち、会議の始まりを告げる。
長方形のテーブルの一番端にシリス。その左に、六階層代表シュラ、五階層代表ロウキ、四階層代表ライト。右には三階層代表メローナ。俺。一階層代表はなんとサイカさん。地龍化によって大将格を喰い荒らしてたとか。でも一階層はアリスが殲滅してたよなーと思ってたら、俺が先に二階層から選抜されたから、サイカさんになったらしい。
俺達代表者は各自、自分の妖精なり、仲間なりを隣にいさせている。俺は勿論アリスだ。
今回の参加者はそれぞれが攻略組のギルマスや、その右腕を担う人間だ。シリウスやライトは言うまでもなく、六階層代表は反乱の軍団に次ぐ近接系最強クラスの人間が集まるギルド、格闘家集まれーのギルドマスターシュラ。五階層代表はクリエイターという、ポーションなどを自分のマナを消費して作り出し、使うことにより、その効果を周りのパーティメンバーにも与えるという職が多く集まるギルド、クリエイターズのギルマスのロウキ。戦闘力はあまりない職のはずだが、この場にいるので、それなりに強いのだろう。
四階層代表のライトは……アップデートによって姿を変えられ、黒い髪に丸くなった顔、そしてそれを更に大きくした、バランスボールのような身体に、短い足。短い手。そして、その腰には変化前と変わらない刀。だがそのサイズは大分小さくも見える。
そう、ライトは超太ったのだ。それが今目を瞑り座っている。いや、笑いそうになったよ。
まぁそれはともかく。謎なのは三階層代表のメローナだ。これらの情報は昨日ギル達に聞いて回ってもらったのだが、このメローナってのは全く話が掴めなかった。ただ四階層のゴブリンのほとんどが彼女に斬られたらしい。
「さて。自己紹介を最初にしておこうかな?私は先駆者の集いのシリウス。七階層代表です。隣にいるのは」
「カナデです」
「討伐数は三体。ジェネラルゴブリンとレッドスライム二体です」
そして一礼して着席。
あれ?俺ら何体やったよ……。
アリスを見ると、あれー?って感じに首を傾げている。
「次は……俺か。俺は五階層代表、格闘家集まれーというギルドのマスターをさせてもらっているシュラと言う。討伐数は二体。両方ともジェネラルゴブリンだ。隣のはシュージ だ」
短髪でオレンジの髪の女性。拳に赤いナックルをしていて、露出の多い装備を付けている。ボクサーみたいな感じだ。見た目二十代前半。
その横に赤いローブを着て、頭もフードを深く被っている男性が礼をして着席。
「えっと。僕はクリエイターズのロウキと言います。討伐数は一体ですが、普通のゴブリンなどを多く倒したということで選抜されました隣の子はマロンです」
「はい!マロンでしゅ!あ、噛んじゃった……」
「あ、マロン、僕が紹介するから君は話さなくていいって言ったじゃないか!」
「ご、ごめんなしゃい」
とコント(?)を繰り広げている二人。ロウキは紫色の髪のおかっぱで、少しだけ頼りない感じだ。十六歳くらいで、かなり似合わないが、サラリーマンが着ていそうなスーツを着ている。マロンという子は栗色の天パで。蝶の髪留めをしている。十四歳くらいの見た目だ。装備は……装備っていうか、私服に近い。
その子たちが着席すると次は四階層代表ライトが席を立つ。
腹が揺れている。
「……ライトだ。討伐数は三体。こいつはアキトだ」
「アキトです!よろしくお願いします!!」
なんか、うん。アキトという少年の方が親しみやすい。
アキト君は灰色で短髪で、十五歳くらい。なんかすっごいニコニコしている。そしてよくある騎士装備なのだが、超似合ってる。髪が金色だったら、馬に乗って王子様やってそうだ。
その二人が座ると次はあの謎の女。メローナが席を立つ。
「私はメローナ。メローナ・シグ・イーダだ。ギルドには所属していない。討伐数は六。今回はたまたまいたが、次にいるとは限らないぞ」
「私は騎士長グレイド・アルデバランだ」
「六体だと?私達だってフルパーティで三体だったのに……」
「シー……シリウス。気にするところはそこじゃないと思うの。……貴女達は、私達と同じ?それとも」
「ほう。解るか。私達は二十五層の住人だ。今回はただ私の気分で下階層に来ていたに過ぎない」
二十五!フィルより強いのか?でも討伐数はアリスと同数だしなぁ。だけどフィルは本気じゃなかったらしいし、なんとも言えないか。
「質問、よろしいですか?」
「別に良いが、この者らの紹介は聞かなくて良いのか?」
「おっと。そうですね。ではお願いします」
「といってもあんたは有名だけどな。金色姫」
「また金色姫と……」
あぁ。なんかアリスが震えている。俺は知らんぞ。
でも金色姫ってのも良いんじゃねぇかなぁ。
「あー。ども。二階層代表カズマだ。一応討伐数は六」
「私はアリスです。あと金色姫というのはやめて下さい」
とりあえず適当に挨拶だけしておく。
そして次はサイカさん。
この人達も六か……とか驚いてるシリウスがいてなんか満足した。
「私はサイカだ。で、この子はユリ。この世界には家族で来ている」
「ご紹介預かりました!ユリです!よろしくお願いします!」
と最後にユリちゃんが元気良く挨拶し、自己紹介は終わる。
「さて、予定では各層の代表同士で、情報交換、後に、今後の攻略について、を話したかったのですが、先にメローナさんへの質問をさせてもらってよろしいですか?」
「私は大丈夫だ」
「つぅか、こいつらに聞いてなんかわかることあんのかよ?こいつらNPCみたいなもんだろ?イベント以外大したこと話さないし、そもそもこいつら話してこないし」
とシュラは言うが、それはこちらも同じだろうとサイカさんが言い放つ。
「んだよあんた。別にあんたは最前線組でもないんだから、ぶっちゃけ話入んなくてもいいじゃねぇか。つか入ってくんな」
「いーや。これから私らはあんたら最前線組を抜いて戦うから良いのさ。で。話を戻すよ」
シュラの話を聞く気がないのか、サイカさんは続ける。
「私らは今まで、ここがゲームの世界だと思って、暮らしてきた。だからこの世界に元々住まう人間や妖精、……NPCってやつだったか?そいつらを結構蔑ろにしてきたろ。私はそういうのよくわからんかったから、話したりしてたんだがな」
確かにそうだ。FSOだってデスゲームになる前は本当にただのゲームだったんだ。だからNPCはNPCだと思って適当に接してた時期はあった。よく出来たAIだな、とかも思った。だけど。実際アリスといちゃついたり、ショップにいた店員さんと世間話したりした時、違うと思ったんだ。何が違うとか、よく説明出来ないけど、少なくとも生きていると感じた。敵になっちまったけど、スカーレットだって生きていた。まぁゴーストだったけど。そしてフィルに会って戦って、この世界の真実の一部を知った。そして理解した。
この世界は存在する世界だと。
皆NPCなんかじゃない、本当にこの世界にいるんだと。
「まぁあれだ。変な差別してきてる相手にわざわざ話しかけたいとも思わないだろって話さ」
「うんうん」
サイカさんの話に、ユリちゃんはその通りといった感じに頷く。
「ふむ。そちらの人間にも、ちゃんとした者はいるようだな」
「ふん」
「えーではよろしいですか?」
「あぁ。私が答えられることなら何でも答えよう。答えられることならな」
「では、まず貴方方は何者なのですか?」
「人間だ」
「いや、そうでなく、」
「我々からすれば、そちら側がこちらの世界に召喚され、勝手にフロアボスを倒しているだけなんだが、むしろそちら側が何者だ。今まではなんだかんだ種族は統一されていたというのに今回はなんだ?種族はバラバラ。私達を物呼ばわり。貴様らは何者なんだ?この世界で一番偉いとでも思ってるのか?」
なんか質問してるのに質問し返されてるし、なんかヒートアップしてね?
「す、すいません。そんなことはないのですが、そのように感じたのなら申し訳ございません。あと今また聞きたいことが増えてしまったので聞かせて頂きますが、先程貴女は今までと仰いましたが、これまでにもこのようなことがあったのですか?」
「あぁ。三年程前のことだ」
「三年……ですか」
「召喚されたのは十人。それぞれが私達の数倍強くて、相手にもならなかった。でも、全員人族だったんだ。姫騎士と呼ばれ、調子付いていた私だったが、手も足も出なかった。それから私も増長せず、精進してきたわけだが」
これは、多分フィル達の話だな。つかやっぱ手加減しやがったなあいつ。手も足も出ないってなんだよ。や
「そいつらは二年でこの世界を変えた」
「変えた?」
「そう、変えたんだ。元々この世界に階層なんて存在しない。だが奴らは、何をどうやったかもわからないが、一年で世界の構造を変えた。そして水道なるもの、魔力管なるものまで作り出した。それにより私達の生活が豊かになったのは確かだ」
なんかすげぇ話が出てんな。
しかも俺らには水道とか無くてはならないもんだしな。
主に用をたす時。
「それから私達の王、ユニコル様、フェアリア様、魔王、そして、そやつらの一人とで世界会議というのを行った」
フェアリアっていやぁあの妖精の女王じゃねぇか。
「そこで幾つかの契約が成された。しかし民や私達には明かせない内容のようで、詳しくは知らん。民が守るべきルールは三つとされた」
「三つ、ですか」
「そうだ。一つ目は、契約から二年の間は自分達がいたフロア、つまり街にいろと言われた。二つ目。二年後に数万人程のあらゆる種族が召喚されてくる。協力を求められた場合は状況によって助け、人間として扱われなかった場合、最悪その人物のライフをほぼゼロまで削れと」
「確かにいましたね。NPCと思って女の人セクハラしてた人。嫌そうにしてたので成敗しましたけど」
アキト君は自分の持つ騎士剣の柄をぽんっと叩きながら笑った。
やっべコイツほんとに天然で王子様っぽい。
「そうか」
「んで三つ目はなんなんだ?」
「三つ目は、二年経っても、十階からしたの層には手続きをしてから行かなければならない。また、フロアボス討伐に手は貸してはならない。とされた」
「そうですか。だから今まで大して接触して来なかったんですね」
「単に貴様らが嫌いだということもあるがな」
「別に貴様らに嫌われようと、関係ないだろう」
とはライトが。
それをアキト君が否定するように
「いや、仲良くしましょうよ。なんだかんだで同じ人間なんですから」
そしてそこにアリスが追撃を入れた。
「そうですよ。人間でも人間でなくとも、心があれば仲良くなれるんですよ!ね?カズマ様」
「おう。俺達は現にアリスと仲良ーくしてるぜ?そして夜の方も……」
「それはしてません。とにかく。そこまで毛嫌いすることもないと思いますよ」
「ふむ……そうか。それは悪かったな。だが、仲良くなどはせん」
あはは……と苦笑いするアキト君。
「しかし、話はしてみるものだな。できる話はこれくらいなので、私達は先に帰らしてもらおう」
「あ、はぁ」
「ではな」
とメローナとグレイドは立ち上がり、普通に帰って行った。
「ええーでは。気を取り直して。皆さんは今回の事について何か思うことがありますか?」
今回の事とは勿論ゴブリン戦争の事だ。スライムもいたが、ゴブリン戦争なのだ。
「あいつらの出処は十二層なんだろう?とりあえずさっさと攻略して、そこのゴブリン送ってきた輩ぶっ潰せばいいと思うが」
とシュラ。
しかしシリウスは険しい顔で否定した。
「そんな簡単なことじゃないでしょう。先程のメローナさん達の話通りなら、侵略……してる方は私達なんですから。それに、今私達はこの世界で死んでしまったら、現実に帰れない身でもあります。短期間で攻略というのはそれなりに無理があると思います」
「つーかお前らさ。そんなことまだ信じてんのかよ。たかがゲームで本当に死ぬわけねぇだろ」
「でも死んだ後、ホームタウンで復活することもありません」
「それで現実で死んでるって証明できんのかさ?本当は死んでなくて解放されてるってこともあんじゃねぇのか?」
このシュラって奴ギルマスのクセに全然考えてねえんだな。
隣の奴はだんまりだし。
「カズマ様、ここはフィルのことを話すべきかもしれません。このまま話を続けていくと、ダンジョンを強行突破しようとする方が出てきてしまうかもしれません」
「そう、だな。よし」
と俺は立ちあがる。するとその場の全員がこちらを見た。
こうも見られると緊張するが、これは言わないと無駄に死人が出ちまうかもしれねぇしな。
「すんません。さっきから話されてる事も関係するんだが、一つ、良いか?」
「あぁ?お前みたいな名前も大して上がってねぇ奴の話なんてどうでもいいんだよ。金色姫の腰巾着が」
「ーーこのっ!!」
「アリス」
アリスが剣の柄を握り立ち上がろうとしたのを手で制す。
「すいません」
「いや。いい。んで。確かに俺はアリスの腰巾着……みたいなもんだ。見下されても仕方ないかもしれねぇ。だけど今から話すことは、俺達全員に関係する話だ。命もかかってる。世迷言と思われてもいい。まず聞いてくれないか?」
「だから、こんなゲームの世界で」
「いいだろう。話せ」
と、シュラが否定しようとしたところを、隣のシュージが止め、許可を出した。
「てめ、シュージ!余計な話させんじゃねぇ!」
「黙れ」
「うっ」
なんか、権力的にシュラが強い筈なのに、シュージって奴のが序列的に上なのか?
「私も聞きたいですね」
「ふん」
「僕はどっちでもいいです」
「私は良いよ。カズマ言っちゃいな」
「はい。んじゃ俺達が手に入れた情報を話させてもらおう」
そして俺はフィルのことを話した。
反応は予想とは違った。
「なるほど……この話はどのくらいの人に話しましたか?」
「ギルメンとここの面子だ」
「そうですか。ではこの話はとりあえずここだけの話とした方が良いですね。一挙に公開してしまうと、大混乱に陥り兼ねません」
「つぅかしたら私ら百階層までクリアしても現実に戻れねえのかよ……ざっけんじゃねぇよ!そんなのお前らのデマだろ!?」
シュラのみ、騒ぎ出したが、シュージが一喝して黙り込んだ。
「カズマ。証拠……となりそうな物は無いのか?」
「証拠か。んー例えば俺の剣とかかな?俺の剣はここら辺じゃ絶対見つからない。なんせ俺達が二十二層のボス、フィルを倒して手に入れた剣なんだからな」
「ふむ。他には」
「まぁ、あんま使いたくねぇんだけど、スキルも、持ってる」
まぁフィルは全然関係ないんだが。それでもあの階層にいたことは本当ということになるんじゃねぇかな。
「使いたくない?条件があるのか?」
「まぁ。魂が削られるって言ってたな。それは記憶だったり、感情だったりするらしいが」
「そうか、なら無闇に使わせるのはよくないな」
「あ、そうだこれはどうだ?」
俺はアイテムボックスに何と無く入れておいた本、レドウの魂の書を長机の上に置いた。
と思ったらなんだよここ!?白!!ってレドウいるじゃん!スカーレットっつかユティもいるし!
「やぁやぁカズマ君。久しぶりだね。本を君が肌身離さず持ってくれているお陰で、私達は君を通して外の世界を見ることが出来ている。感謝しているよ」
「んでなんでまた俺がここに来てんだよ?つか成仏すんじゃなかったのかよ」
「それは」
「私がカズマを見ていたかったから……かな」
「ユティが?何で?」
「それはね……秘密」
「お父さんは少しだけカズマ君が羨ましいよ。ユティはカズマ君のことが大好きなようだからね」
「あ、お父さん!」
レドウ……そういうのは言っちゃダメだろ。
「つかユティ、スカーレットん時の記憶はあんのか?」
「あるよ?」
「そっか。んでこれはどうしたら戻れるんだ?」
「もう行っちゃうの?」
ユティは寂しそうな顔をして、首を傾げる。
「今ちっと大事なことやってっからよ。触れば入れんだよな?」
「あぁ。カズマ君ならいつでも来るといい。他にも波長の合う人間がいたら、ここに来れるよ」
「そうか。あ、したら今から少しして波長の合うやつが触ったらこの世界入れてくんねーか?今度は時間止めないで」
「あぁ。いいだろう」
「さんきゅ。じゃあユティ。波長の合うやつがいたらまた後でな」
「うん!」
とユティが頷くと同時に俺の視界は真っ白な世界から色のある世界になって行く。
「ぬ……」
「どうしたんですか?」
「いや何でもない」
なんか感覚が変になんな。レドウが時止めたせいか、時間の感覚おかしいし。
「で。あんたら一人一人、この本に触ってみてくれないか?」
案外話といて良かったな。もしこいつらの誰かが入れたら、俺の話の信憑性も増すわけだし。
「はい。んー?ページが真っ白ですねぇ」
「シリウス君、私にも見して?」
まず、シリウスとカナデが本を触ったりパラパラとページをめくるが、特に変わった様子はない。
「なんでそんな得体の知れない本に……」
と言いつつもシュラが触り、シュージも触り。
それを続けて行っても誰も倒れなかった。
「何も、起きないな」
「まぁこれはこれでいいか。んでこの本だが。俺達のいた二十二層から持って来た物だ。しいて言うなればこれが証拠だ」
「うーむ。魂の書か……」
「ふん。そんなことはどうでもいい。結局俺達が死んだら終わりだということは変わらないのだろ?」
とライトはどうでも良さげに俺達に言った。
「まぁそういうことだ。だからあんまり突っ込むなって話で」
「ただ……僕達はクリアしてももう、戻れないんですね」
「ううぅ……」
ロウキは相当ショックを受けているようで、俯いている。マロンに至っては泣きそうだ。
「ふむ……皆さんは何か重要な情報はありますか?」
「ねぇよそんなもん」
「無いです……」
「無い」
メローナは不在。
そして、もちろん俺ももうない。
「私はあるよ。情報じゃないし、推測だけどね」
「なんですか?」
なんだろうか。
想像つかねぇな。
「GMって奴らいたろ?そもそもあいつらはどうやってこの世界に接触したんだ?って疑問から考えてみたんだが」
「そりゃあゲーム機から……」
「奴ら、確か言ってたろ?私らの世界にはない技術でって」
「そうですね……」
「その技術……どうやって使ったんだ?」
「それは……えっと超能力とか」
「日本にそんな奴いるかよ。まず地球にない技術なんだよ?その技術をもたらしてきた奴がいるってことさ」
「なるほど……」
「つまり貴様は、この世界の何かが転移して、GM共と一緒にここを作り出したと言いたいのであろう?」
「そうだ」
「そして、その力があれば、僕達も戻ることができるかもしれないと」
「そういうことさね。でも、ただの
推論でしかないからね」
「それでも、まだ希望はあるということがわかって良かったです」
ここで一旦話を区切らして頂きます。とシリウスが周りも頷いた。
「では今からは攻略会議に移行したいと思います」
「と言いつつ、ただの勧誘だったりするんだけどねぇ」
ちょ、ちょっとってシリウスが慌ててる。慌てることでもないと思うが……。まさかアリスの勧誘か?
「今回、ゴブリン戦争で好成績を残した皆さん。攻略の方に参加したりは出来ませんか?現在、このFSOに参加しているプレイヤーの三割が最前線に四割が普通に戦い、二割が生産。そして一割は戦わず、働かず暮らしています。というか、一階の方ではNPCと結婚したという話もありましたね」
「結婚っ!?」
「え、ええ」
おおおおお!したらアリスと結婚して、おかえりなさいダアリン。ただいまマイハニー。
とか言いながらそのままゴゥ、トゥ、ベッドもアリだということか!?
「カズマ様。ちょっと落ち着いて下さい」
「あ、すまん。アリスと結婚できるかもと思うと興奮しちまって」
「か、カズマ様!」
アリスの色白な肌がみるみる真っ赤に染まって行く。
「仲良いんですねぇ」
「結婚するなら、ロウキしゃんが良いなぁ……なんてエヘヘヘヘ」
「ま、マロン何笑ってるんだ?!」
「シー君は結婚するなら誰と?」
「い、いいあ、今はそんなこと話すべきじゃありませんよ!と、とりあえずそんな人もいたってことです!」
約半分が結婚話に反応し、約半分が冷たい目でその遣り取りを見ている感じだ。
つかここ既婚者もいるんだが。
「つかここなら再度旦那と結婚しとく必要もあんのかい?」
「どうなんすかねぇ」
「ゲームだと旦那さんとアイテムボックスを共有できたり、一緒にいる時のみ、ステータスが上昇したりしますね。それが目当てでする人もいたくらいです」
「ほぉ。じゃあしとこうかね」
「ってまた話が結婚に!もうストレートに言います!アリスさん!攻略に手を貸して下さい!アリスさんの強さはよく知っているつもりです。何せあのワイバーンの炎弾を素手で弾いたくらいですから。あれからレベルが上がってなくとも、十分戦力になり得ます。それに、先程の話を聞くと、間違いなくレベルは上がっていると思いますし、当然扱いも良くさせて頂きます!と、とりあえず八階層の攻略だけでも参加してみてくれませんか!!」
まるでプロポーズのように、シリウスは両手を差し出し、アリスの返事を待つ。
アリスは困ったように俺を見た。
俺はグッと親指を立てた。
どうせ攻略には参加するつもりだったしな。
「わかりました」
「そうかやっぱりだ……ええ?!良いんですか!?」
「はい。ただ幾つか条件を付けさせてもらっても?」
「ええ、私の出来ることなら幾らでも申し付けて下さい」
「カズマ様を見下したり、悪く言ったりしないこと。そして待遇を私と一緒にすること。あと私達のギルドの面々も希望者だけ参加させること……ですね」
「全て了承します」
「では、」
よろしくお願いします。と二人は握手した。
それから、会議は攻略関連の話を進めて行き、全員がフレンド登録をして、解散した。
お読み頂きありがとうございます。




