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一層一掃

お久しぶりです。

そして、新年あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!

北と東ではとにかく地竜状態のサイカさんが猛威を奮っていた。


『ほらほらほら!もうちったぁがんばんなよ!男だろぉ!?』


遠目からでも聞こえる、サイカさんの地竜状態のテレパシー。

大きな尻尾で薙ぎ払い、長い爪で刻み殺し、鋭い牙で噛みちぎる。その上にはあのシンゲンのおっさんが乗り、大剣を振り回していた。つかこの家族大剣ばっかだな。


『大将は誰だい!?出ておいで!』


ガルアッと一度ゴブリンの群れに向かって吠えるサイカさん。

すると群れの中から一体の……ゴブリンのような形したスライムが出てきた。


『あんたが大将かい?随分とちゃっちいじゃないか』

『ウルサイ。ボクハヒトツジャヨワイ。ケドーー』


ゴブリン型スライムから沢山の触手が飛び出て、周囲のゴブリンとスライム達を取り込み始めた。


『ミンナガイレバコワクナーー!?』

『んー不味。あーでもなんか能力ゲットできそうな……』


それをサイカさんは一口で捕食した。


「っえええええええええ!?」

『あ、カズマじゃないか。助けにきてくれたのかい?まぁこの通り大丈夫だったさ』

「違う!サイカさん今のダメだろ!あれは皆の力を借りて、サイカさんを倒すという決死の覚悟をしたスライム、それをあっさり食っちゃうなんて……」


哀れスライム。南無三。


『そんなこと別にいいじゃないさ。ほらあんた達この子ら睨んでないで帰るよ』

「……ふん」

『ふん……だぁ?』

「い、いや、すまん」


サイカさんこえーよ。そのトカゲモードで睨んだらだめだろ。

あ、人間に戻った。


「さて。今回のこと、さっさと解決したいもんなんだけどさ。これ相手がちと上の層の奴らなんだろう?どうするんだい?」

「どうするも何も、攻略には参加してないですし俺達」

「今から斬り込んだら駄目かね。やっぱり。私はたまたま、ほんと偶然にこれを悠太に進められて一緒にやることになったからさ。全然わからないんだよ。ネットゲームってやつのルールがさ。まぁ常識的なものをぬいて、その横文字の単語とかさ」

「そうなんですか」


悠太ってのはあのデグラの現実の方の名前か。つかリアル割れ余裕でやってるし。あ、でももうリアルも何もないのか。

俺は本名だから良いけど。


「そういやサイカさんって本名はなんなんですか?」

「私かい?私は彩音ってんだ。彩る音と書いて彩音。似合わないだろ?」

「そんなことないですよ。良い名前だと思いますよ」

「そうかい?ありがとね」

「カズマ様」


いけねぇいけねぇ。話がズレちまった。


「とりあえず攻略自体は別に参加してもいいんじゃないですか?」

「そうか。ってかこっち側のゴブリンとスライムは少なめだな」

「これでかい?あんた達どれだけ倒したんだい全く」

「あの、すいません」

「どうした?ジュン」

「いや、早く他の階層助けにいかないのかなぁと」

「んだって別に俺たちいかなくても大丈夫だろう」

「むぅ」


何故かジュンは不服のようだ。


「行きたいのか?」

「いや、行きたいか行きたくないかだと、僕は行きたくないです。けど、もしかしたら僕やこの人」


この人とアリスを指差すジュン。


「つまり僕達がいけば救える命もあるかもしれないんですよ?なら行かなくちゃいけないじゃないですか」

「それでこっちの誰かが死んだらどうするつもりだ?」

「それは……どうしようもない……わけでもないですよ、僕なら」

「何言ってんだよおま」

「カズマ様。私ちょっと彼と三階層の援護に行きます」

「あ、」

「そんな寂しそうな顔をしないで下さい。皆さんもついて来られる人はついて来て下さると、嬉しいです」

「……」

「カズマ様、心配していてくれるのは嬉しいです。でも私達は多分この解放された場所にいる人達が足元にも及ばない程強い。多分十階層の敵なんかは簡単に倒せる程。よく考えて下さい。私達はあのブラッド・リッチだって倒せたんです。だから、そう簡単に負けませんよ」

「……あぁそうだな。行くか!」

「よし!私も行くよ!あんた達は好きにしな!」


サイカさんはそうシンゲン達に言うと大剣を背に、走り出した。


「よし。シュカ、セイル、ギル!とりあえずワープゲートまで皆を運べ!」

「「「はっ」」」


命令通り、シュカ達はワイバーン化して皆を運び始める。


「俺達もいくぞアリス!」

「はい!」


そして俺はアリスに抱えられ、アリスの全速力ダッシュに襲われたのである。

ついでに言うと、そこらへんの車よりは速いと、思う。




三階なう!


「んー。三階もあんま人いないな」

「そんなことは良いですから早く門の防衛しましょう!南側はもう攻められてますよ!?」

「これはな、アリスにかかえられえぇぇぇぇ!!」


嗚呼。見る見る皆が遠くーー。


気が付くと目の前にはゴブリンがいた。


「おいお前ら逃げろ」

「グゲッ?」


抱えられた俺が呟いた一言を聞き首を傾げたゴブリンの真後ろ、そこに、


「神技、天刑!」


ライトニングの比にもならない、巨大な雷が落ち、街に入ってきていた大部分のゴブリンが消滅した。


「つか、アリス。俺達三階来たけどさ。一階のが大変なんじゃね?」

「私もそう思いました。だからワイバーン男性陣にそれを言っておいたので大丈夫です」

「いつの間に!?」

「さっき抱える直前です。さて、こちらは本気で殲滅して、土魔法で壁を作れば良いですか?」

「あ、あぁ」


ちなみに今話している間はトランが高速移動しながらゴブリンを屠っているので問題ない。


「では行きます。少しだけ離れて下さい」

「全力で離れるぜ!」

「瞬風剣!!」


俺が全力バックステップで離れた直後アリスの剣を風が守るようにして吹き荒れ、そのまま突き出すと、鋭い風が放出されーー


そのまま直線上にいたゴブリンの殆どが砕き、消し飛ばされた。


他の戦っていたプレイヤーの皆さんも、何だこいつ?って目でアリスを見ている。何が起こったかわからず、神よ……とか呟いているおっさんもいる。


「さぁ。この力を見て、戦おうというのなら前へ出なさい。逃げるなら追いはしません」


アリスの言葉を聞き、不味いと思ったのか、一目散に逃げ出して行くゴブリン達。


「アリス!雑魚は良いから、大将格を倒せ!そしたら後はサイカさん達に任せて一階に行こう!」


三階でこうなら一階はかなりヤバい筈だ。もしかしたらもう……。ギルとセイルが向かったらしいから、ある程度は防いでくれているかもしれないか。


「では一気に行きます!神技、瞬神!!」


アリスの姿は、声が響き、残っている状態から既に消えていた。


そこから見えるはゴブリン達の死体と、その先で高く打ち上げられたジェネラルゴブリン。


「はや!?」

「ただいま戻りました!早く行きますよ!!」

「ちょ、ま、」


俺の静止も聞かれることなく、俺の視界はブレ、一瞬周りが光ったと思えば、あの一階の広場に来ていた。


「っっはぁはぁ」

「アリ、アリス、速過ぎぁし、無理すんなよ、おぇぇ」

「すいません、でも急がないといけないと、思ったので。はぁ、はぁ」


アリスの瞬神は異常な程の身体強化なので長く使えば使える程身体にはダメージがある。その分絶大な戦闘力にはなるのだが、俺としてはあんまり使って欲しくない。そして抱えて欲しくない。


「アリス、ヤバいぞ」


周りを見回すともう既にゴブリン達が路地にいたり、広場の子供を襲おうとしている。


「一閃!!」

「グギャアッ」


とりあえずその筆頭を倒し、子供を庇うように俺とアリスで立ちはだかる。


「アリス、無理しない程度でいい、周りで逃げている人達を助けてくれ、この場は俺に任せろ。これがあれば俺もある程度戦えるしな」


右手のファントムキラーをちらりと見、アリスに笑顔を向けると、アリスは頷き、路地の方にかけていく。

その後姿を見ている暇はない。


「ギル!!」

「ガルァアアッ!」


ギルがワイバーン状態で降りてきて、炎でゴブリン達を一掃する。


「ゲゲッ!?」


後衛のゴブリン達が揃って逃げ出そうとするが、それをギルがさせる訳もなく、すぐさま人化して炎の矢を降らせる。


「ギル!街の人を中心に守りながら進め!」

「わかってらぁ!主!今セイルが、敵の大将とやりあってんだ!ちっとアリスを呼んでくれ!」

「え。今あっち行っちゃったんだが」

「よし俺そっち行くんで、頑張ってくれ主!」


と言いながらギルは飛び去って行く。


「まぁ、確かにこれだけ減ってりゃなんとかなるな」


ざっと数は十数体、少し疲れる数だがギルとアリスに陣形も何もない状態になった奴らは森で戦うゴブリンよりも弱い。と思う。


「行くぜ!一閃!円閃!流剣撃!」


それをファントムキラーで斬り倒していく。それをしばらくして、遠くで爆発音。周りに残っているゴブリン達も目に見えて動揺している。


それから更に十五分後、一階層全てのゴブリン達を総滅し、俺達は三階、とんで四階まで到達した。

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