それぞれの日常
イチャったりイチャったり
頑張ってますね
ある日の昼の話。
俺はマイルームのベッドでアリスと雑談中だった。
「なんか今日外出たくねぇなぁ」
「いきなりどうしたんですか?」
「いや、ここ最近結構色々あったじゃんか。だからたまにはゆっくりしてぇなぁって思ってよ」
せっかく自分の部屋も手に入れたことだし。
「アーリースー」
「なんですか?」
「抱き締めていいか?」
「何故そこだけキリッした顔で言うんですか……。まぁいいですけど」
「よし。ぎゅー」
アリスの後ろに回り、腕を腹回りに回して、アリスの背に身体を預ける。
「あったかいですね」
「おう」
今回は寝間着同士だから、体温がほぼ直接伝わる。アリスの身体はふにふにだから抱き締めてると気持ち良かったりする。
それに、触ろうと思えば、このたわわに実った二つの果実を楽しむこともできる。やったら怒られるけど。
「アリス良い匂いだな」
「何嗅いでるんですか。……もぅ」
アリスがちょっと赤くなっている!かわええ。
「アーリス」
「はーい?」
「アリス」
「はい?」
「なんでもねーよと」
「そうですかーと」
「はい、ぎゅー」
「んっ」
再び抱く手に力をいれてみる。アリスは少し身をくねらせたが、そのまま受け入れてくれている。
んーっ幸せだー。
「はぁぁ……ずっとこのままでいられりゃ良いのになぁ」
「ずっとですか?」
「嫌か?」
「それも良いのですが、やっぱり私は変化のある日常であってほしいです」
「なるほどねぇ。確かに変化のない日常は退屈でしかねぇな」
「でも。ずっとで無ければ、こういう時もあって良いかもしれませんね」
「だな。それにしても、アリスの力はこのふにふにの身体のどこから出てるんだろうな。あーあったけぇ……」
「カズマ様もあったかいですよ」
「アリスー」
「なんです?」
「寝ようぜ」
「まだお昼ですよ?」
「いや、寝るっつっても、ただ毛布に包まりたいだけだけどな」
「ふふ。わかりました」
アリスと俺でベッドの毛布に包まる。
「もふもふ感すげぇな……」
「お布団ですからね」
「すぅ」
「あ、あんまり嗅がないで下さいね??あの、恥ずかしいので」
俺はアリスの髪に顔を埋め、その匂いを嗅ぐ。甘い匂いだ。ただしつこく無く、自然と心地良くなる匂い。穏やかになれる匂いというか。優しい匂いというか。
「……」
「……」
俺達はそのまま横になる。抱き付いた形のままなので、アリスが抱き枕みたいになっている。良い抱き枕だ。
「なんだか本当に眠くなってきてしまいました」
「寝るか?」
「はい。一回腕を解いて貰えますか」
「おう」
俺が腕を解くと、アリスがモゾモゾと寝返りをうち、俺を見つめてきた。
「な、なんだよ」
青の双眸に見つめられ、心なしか顔が熱い。でもそれはアリスも同じようで、少し顔が赤い。
「いえ、私を選んでくれたのが、カズマ様で良かったって思ったんですよ」
「お、おう」
「主に選ばれて幸せになれるかなれないかは、やはり主次第なのです。その中で私は凄く幸せに生きているのですよ」
「うん」
「皆主に無理矢理力を使わされたり、ちゃんとした食べ物も食べさせて貰えなかったりしている子もいます。それを考えると、私は幸せです。愛せる人もいますし」
アリスは少しだけ悲しそうな笑顔でそう言った。
「アリス……」
「はい」
「俺もアリスがいてくれて幸せだよ」
「ありがとうございます」
「……」
「ん……」
アリスの頬を一撫でし、軽く、触れる程度にキスをすると、アリスは目を瞑り、俺の左手を握り、寝に入った。
「おやすみアリス」
「はぃ……」
俺も握る手でアリスの存在を確かめながら、その目を閉じた。
獅童力也。俺の名前だ。俺は今FSOというゲームだった世界にいる。そしてそこではナタリアという女性といる。彼女は細かいことにもすぐに気付き、対処してくれる。元がメイドだっただけに、あらゆる動作が早く、何事にも一生懸命にやってくれる。
「でもここまでとは……」
部屋はまっさら。ゴミ一つ落ちていない。シーツもピンとなっている。
何故かアロマキャンドルみたいのまで置いてある。
「リキヤ君!綺麗でしょう綺麗でしょう!?私、メイドとしてはかなり有能なんですよ!」
「確かに有能なのはわかったっす」
「リキヤ君リキヤ君」
「なんすか?」
「私と二人きりの時くらいその小者っぽい口調やめましょうよ。普通に話した方がかっこいいですよ?ねーリンちゃん」
「そう」
リンは最近ナタリアとよく一緒にいる。言葉も殆どわかるようになっている。どのみち必要以上に喋らないからそんな気にすることもないが。
「リンがいるなら三人っすよ」
「でもでも、リンちゃんも元の口調は知ってますし」
「他の奴等が来たら面倒だろ。なんで口調変えてんのか聞かれんのだりぃし」
「結局直してくれるんですねっ」
「まぁな」
それにしても落ち着かない。俺の部屋はもっと汚れてないといけない気がするのだが。
「リキヤ君?」
「あ、あぁ。なぁナタリア……と、リン」
「何ですか?」
「ついでみたいな感じ……」
「あぁはいはい。明日クインスとネコルのレベ上げいくから一緒に買い物行かないか?丁度いいからリンにも何か買ってやるよ」
「武器とかいいから、お肉食べたい」
「いやいやいや、ポーション買いに行くついでだから飯は別に食わねえよ?シロ達と飯食うし」
「時間的にも丁度良いですから、買い物した後食事にしましょうか」
「俺の話は無視か!?」
ナタリアとリンは笑いながら部屋を出て行ってしまった。俺の立場ってどうなんだ?
「つか、ちょっと待てよ!」
俺も二人を追いかけて外に出る。が、シロ達がカズマさん達の部屋の前で集まっていた。
「どうしたんでしょうねぇ?」
「どうせーーらない」
「今のは下らないって言ったんすね?」
「ん」
コクンとリンは頷く。しかしあいつらは暇だな。何やってんだほんと。
「シロ。何してんすか?」
「ジャック、しーっ」
「今、カズマさんとアリスさんが寝るって話してるのよ!」
「マジっすか!?」
ここの世界本当に何でもありか!そんなせ、性行為なんぞ……。
「ナタリア、ジャックが変な目で見てる。隠れて」
「んな!?そんな目してないっすよ」
「してないんですか……」
「へ?!」
なんか逆にガックリされたぁああ!?
「そうですよね。胸の下に大きな穴の空いた女なんて気持ち悪いですもんね。すいません。ゴーストに転生してきてごめんなさい」
「な、ナタリア!そんな生まれてきてごめんなさいみたいなこと言わないでくれっす!気持ち悪いなんてそんなことないっすから!大丈夫っすから!」
「本当ですか?」
「本当っす!」
ジッと涙目でナタリアが見上げてくる。くっ……可愛い。
「本当ならその口調をやめてみましょう」
先程の涙目が一変し、ニコニコとした笑顔、尚且つ小声でそんなことを言ってきた。
「っすってダサい口調を変えられるチャンス」
「そこボソッと何言ってるっすか」
「さぁさぁ、リキヤ君、愛の証明をどうぞ」
「ぐっ」
他の奴らは幸い、こちらに背を向け、耳をカズマさん部屋の戸に付けている。見られることはない筈だ。
「愛の証明ならこれでいいだろ」
「あっ」
「わぉ」
ナタリアのおでこにほんの一瞬だけキスをした。ついでに口調も一瞬直してやった。これで文句ないだろう。
「〜〜〜〜っ!!」
「な、ナタリア?」
ナタリアが声にならない声を発して、顔に火がついた。
「り、リリリキ、リキヤ!」
「お、おう?」
「はぅ。あの、きゃああああああ」
「えええええええ!?」
散々目の前でモジモジした挙句、走り去って行った。
「ジャック?ナタリアさんどうしたの?」
「ジャックがナタリアに変態した」
「おま、面倒なことを言うん……じゃ……」
凄く冷たい目で見られてるじゃないか!辛い!なんか辛い!
「え、冤罪っす!」
「まぁまぁジャック君。男の子なら二三回変なことしたって大丈夫さ。まだ年的に許されるって。お前ら付き合ってるだろ?」
「エース……」
エースまで同じ目で見られている。特にクインスからの目がヤバい。
「リン!誤解を解「ジャックが無防備なナタリアの初めてを奪った」だぁあああああ!!」
「ジャック、君がそこまで彼女と進んでいたなんて。うん。僕らはもう何も言わないよ」
シロがなんか悟ってる!間違ってることに気付いてないし!
初めてって確かに俗に言うデコチューとか初めてっすけど、ナタリア確かに無防備だったっすけど!
「待て待て待ってっす、シロ!この場でそんなこと普通出来ないっすよ」
「あ、そう「部屋でやったことをナタリアに囁いた結果、ナタリアが恥ずかしがっ「完全なる捏造だぁああああああ!!」」」
「はぁ、はぁ、はぁ」
危ない。こいつかなり危ない。
「うん満足した」
「ちょ、本当に誤解をーー」
俺の願いも完全無視され、リンはアイテムストレージに入って行った。
残されたのは俺を見る生暖かい視線と、クインスからのゴミを見るような目だけだった。
「ほんとこれ、どう収集つけてくれるんすか……」
駆ける。試合に負け、恩人達がいなくなった途端弱くなってしまった自分を戒める為にも、力をつける。
「はあっ!」
ハイディングから流刃でウルフェンの眉間にアイアンナイフを突き立てる。ウルフェンは赤黒い血を噴き、そのまま倒れていく。
群れのボスが倒れたことに気付いたウルフ達が敵である自分を探すが、既にまた俺はハイディング状態だ。森の中という状況下では見付けるのは至難の技だ。臭いで悟られないように消臭の薬を振りかけてあるので、至近距離まで来られなければ見つけられることはない。
「ポイズンナイフ」
俺を探す為に群れから外れてきた二匹のウルフに毒が塗られたナイフを投げ付ける。完全な死角からの攻撃。もちろんそのナイフは外れることなくウルフ達の背に突き刺さる。
「グ……」
「……」
即効性の麻痺毒で、効果は短いが、それでも二匹のウルフにトドメを指すには長すぎるくらいだ。
「よし。次だ」
残り六匹となったウルフ達は流石に危険だと思い始めたのか、背を合わせ警戒している。
「跳脚」
俺は木々を使い、ウルフ達の真上十メートル程へ跳んだ。
「アサルトダイブ!」
ポイズンナイフを両手に急降下し、まず着地と同時に蹴りを食らわせウルフを潰し、振り返ったウルフの首を掠る程度に斬りつけ、反対側のウルフにも同じように斬りつける。
これで三体。もう三体は俺の出現と同時に場を離れたが、俺は加速して、ウルフの行く先々に先回りして斬りつけていく。
そして最後の一匹は普通に仕留めた。
四体は麻痺毒で麻痺状態なだけなので、最初に斬った奴から順々にトドメをさしていく。
「ふぅ」
ここ最近はこのような形で狩を行っている。時々シュカさんが倒した敵を食べにきたりする。今日は来る日のようた。
空からバサバサとワイバーン状態のシュカさんがやってきた。
シュカさんは
「今日も頂くがいいか?」
「はい」
ポイズンナイフの毒を麻痺毒にしているのもシュカさんが食べるからという理由がある。普通の毒でも焼けるから良いのだが、シュカさん曰く面倒らしい。
「お前も食べるか?」
「俺は遠慮しておきます」
「そうか」
シュカさんはまたワイバーン化するとウルフ一口で丸呑みにした。
『よし。私は帰るがお前はどうする?』
「俺は残ってまた狩をしますよ」
『……やはり私も残ろう。帰る時乗せて行ってやる』
「ありがとうございます」
そしてシュカさんがいてくれたので、この日はいつもよりも長く森にいられた。
次回はいなくなっちゃった人のお話
明日明後日は忙しいので
月曜更新予定です
勿論早く書ければ更新します!




