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ダブルデート?いえ全然。別れ道だらけでした。

まぁカズマの日常の一つですね

あと二つ三つ入れたら本編入ります

あのブラッド・リッチやらなんやらを倒し、戻ってきてから一週間が経ち、今俺とジャックは四層の集会所に来ている。んで今はアリスとナタリアさん待ちだ。

装備の新調をするんだと。でもナタリアさんもレベル的にそこら辺買える武器でも最前線で戦ってるシリウスとタメなんじゃないか?いや、それ以上あるか。レベに差があり過ぎるしな。

アリスは言うまでもない。

つかこのメンツで勝てない敵っていんのかここ。


「とりあえず女性陣がくる前にクエの内容確認しとくか」

「そうっすね」

「つってもお前が選んで来たこれどうなんだよ」

「メタルコドラ二頭の討伐っすけど」

「小遣い稼ぎだってフィルを倒したから暫くいらんというのに」


アイテムは後付けというか、メールで渡されたが、金は倒した瞬間に入っていたようで。ちなみにブラッド・リッチ倒した時も凄い入っていたので、しばらく金は必要ない。

というか今いける層の最高装備をギルメン全員分集められるくらいにはあるということで。


「つーことでよなんで?」

「これの依頼者が宝石商らしいんすよ。クリアしたら好きな宝石商を普段の二割引でくれるってんで。それと、メタルコドラのいるダンジョンの奥に四層のモンスターとは思えない程強いモンスターがいるらしいんす。それを倒して、鱗をもって来てくれたらタダにしてくれるとかで、割と俺達にとってはいいクエなんじゃないっすかね。レベ的には負けることはないっすし、確かカズマさん、こないだアリスさんにプレゼントしたいって言ってたっしょ」

「言ったな。確かに丁度良いか。んで場所は?」

「街を出て東の方にあるらしいっす。周囲にアーススピリッツが出るらしいんで、それが目印になってるらしいっす」

「そうか」


アーススピリッツってのはニメーターくらいの岩が浮いてるだけのモンスターだ。倒すと時々一回だけ土属性の魔法のマナを肩代わりしてくれる石を時々ドロップする。それなりに経験値も貰えるから、中々出ると嬉しいモンスターだ。


「っと来たっすね」

「おおお!」


集会所の入口を見ると新しくした装備を身につけているアリスと黒いローブに、先端に青い宝石のついた杖を持つナタリアさんがいた。


「リキヤ君!」

「カズマ様、お待たせしました!」

「おう。似合ってるじゃないっすか」

「フード被ると闇の魔法使いみたいでかっこよくないですか?我が名はナタリア、この世の闇を統べる魔法使い。貴方達は何もわからずに闇に飲み込まれるだろう……って感じに!」

「……イタ」

「それ以上言ったらダメっすカズマさん。俺もそう思ったっすけど」

「いた……?」


ナタリアさんが首を傾げている。うん。無自覚な中二病だ!ん?あ、でもここ異世界だからそこら辺普通なのか?むしろ恥ずかしいと思う俺がおかしいのか?


「なんかそれフィルさんを思い出しますねー」


アリスは何故か遠い目をしている。


「どうしたんだ?」

「闇に飲まれるって聞くと、フィルさんがブラッド・リッチに使った魔法を思い出すんですよ。あれをもし私たちに使われてたらって思うと……」


アリスはぶるりと身体を震わしていた。どんな魔法使ったんだあいつ。


「でも思い出したらイライラしてきました。私の装備をダメにされましたし。全く」

「まぁあいつ、最初はクソムカついたけど、そうやってブラッド・リッチとか倒して、アリス達を助けてくれてたのを考えると、そこまで悪い奴じゃあないんだろうな」

「まぁ、そうですね」


アリスも思うところがあるのか頷いていた。


「さて。そろそろ行きますか」

「今回のクエは東の鋼幼竜の洞窟にいるメタルコドラを二体討伐することが目標っす。出来れば奥にいる奴も倒してみたいっすけど、それはその場の状態で決めるっす」

「わかりました」

「はい」

「よし。お前ら回復ポーションとかちゃんと持ったか?特にマナポーションは重要だぞ。体力の方はジャックの妖精のリンって子に任せられるが、マナは簡単に回復できねぇんだからな。まぁアリスは問題ないけど」


MPドレインがあるからな。

つかマナドレインてしなかったのはなんで?

まぁいいか。


「じゃあとりあえず行こうぜ」

「はいっす」


そして、街を出て、草原、森、と何も起こることなく進んで行くと、アーススピリッツを発見した。


「ちなみにあいつって倒していいのか?」

「んー別にいいんじゃないっすかね」

「じゃあ倒しとくか」


俺は先日手に入れたファントムキラーを片手に一閃。アーススピリッツは真っ二つに両断され、土の石を残した。


「お、幸先良いんでね?」


まぁ俺は土魔法使えないから、誰かに上げることになんだけどさ。


「あそこのようですね」


アリスの視線の先には縦幅四メートル、横幅十メートルくらいの洞窟があった。


「よし。入ろうか」

「リン。お前もでるっすよ」

「ん」


ぽんっと煙を上げて赤頭巾ちゃん登場。

この子もアリスみたいな立ち位置の妖精なんかな。レアなやつ。俺は妖精選択の時に見なかったし。


「暗いな。ティンダー」


洞窟に入り、持ってきた松明にティンダーで火を灯し、進んだ。


「んーー特になんもいないっすね。ちょいちょい出てくるかなっと思ってたんすけど」

「まぁ普通はなんかしら出てくるからな。ここまでなんもいないと怖いぜ」

「索敵にもいないんですか?」

「今んとこな」


暫く進むと道が二本に別れた。


「どうするっすか?」

「ここは無難に別れようぜ」


ということで俺はアリスと。ジャックはリン、ナタリアさんと行くことに。


「ジャック松明あるか?」

「無いっすけど、リンが照らしてくれるんで大丈夫っす」

「そうか。じゃあ適当に回って何もなかったらここに戻ってこよう。んで何かあったらメールで報告頼む。そっち向かうからよ。勿論俺達がなんかあったら、そっちにメール送るからよ」

「わかったっす」

「んじゃまたな」

「気を付けてっす」

「お前らもな」


ジャック達と別れ、洞窟を進むこと約十分。道が更に別れた。


「おいおい。どうするよアリス」

「ここはとりあえず一緒に行きましょうか」

「そうだな。んじゃとりあえず左行こうか」

「はい」


左に進むと再び道が別れていた。しかも今度は三つに。


「ちょ、これは面倒な。真ん中行くか」

「はい」


ちょっとだけ嫌な予感がする。でもマッピングはされてるし、迷うことはないだろうけど。


「ここどんだけ分岐点あるんだよ」

「はぁ」


次は五つに別れていた。ずっと右側行けばジャック達と合流してしまうのではと思えるくらいに。

悩んでいるとジャックからメールが来た。


「ジャックからメールが来た。なんか見付けたのかもしれねぇ」

「ほんとですか!?」

「ちっと見てみる」


ジャック


件名 ヤバいっすここ!

進めば進む程道が分岐してくっす!んで今六つになったところなんすけど門があったんす。んで他の道を調べたら、他の道にも門があるっす。ナタリアさんによるとどれも危険察知スキルが発動するらしいんすけど、多分一つ以外が全部トラップなんだと思うんす。だから一回戻って合流するべきだと思ったんすけど……。

戻れないんす。道が、無くなってるんす。

もしかしたら、このクエ、結構ヤバい奴かもっす。

気を付けてくんさい。

俺達はとりあえず進みますんで。



「……アリス。ここ結構ヤバいらしくて、戻れないんだと。道なくて。んだからとりあえず進もうぜ」

「え?ええ?ええええ?」

「このクエ普通のクエじゃねえってこった。どうしてこう、変な目に会うのかね」


とりあえず俺達は進んだ。すると、俺達は一つの扉を発見した。分岐は無かったぞ?どういうことだ?

でも、この先かなり危険っぽいな。ガッツリビリビリ来てんだけど。


「アリス。準備はいいか」

「はい」

「行くぞ!!」


俺は思いっきり扉を開け放つと、その場に居た物を見て呆然とした。


「グルル……ギャオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」


呆然としたのは一瞬で、即鑑定すると、予想は違わず、


メタルドラゴン

やべぇ!超つえーやつだよ!メタルコドラの大人バージョンで、翼こそ無いが、鋭い爪に鉄以上に硬い身体、見た目に似合わず、移動速度も速い!

四層で出て来て良い奴じゃない!


「アリス!」

「はい!」


俺とアリスが左右に跳ぶと同時に、俺達のいた場所に、メタルドラゴンの尻尾が叩きつけられる。見た目はサイカさんのトカゲモードに似てるけど、かなりヤバいな。舐めてかかっていい相手じゃねぇ!


「行くぜ!」


と。ファントムキラーをメタルドラゴンの脚に当てるがキンッとという音共に弾かれる。

かってぇ……!!

俺はすぐにバックステップで下がるとそこをメタルドラゴンが噛み付いて来た。マジこええ!


「ガルァアアアア!」


逃れられたことに怒ったのか咆哮するメタルドラゴン。だが、俺の方見てる暇あんのかなっと。


「ロックブレイクッ!!」


アリスの魔法で巨岩がメタルドラゴンの頭にぶち当たる。


「グルァッ」


それもメタルドラゴンの尻尾で砕かれた。つか尻尾超なげぇ!!


「カズマ様!少し危ないですが、囮を頼みます!」

「おう!おっしゃ来いこの野郎!」

「ギュラァッ」


メタルドラゴンが駆け出し、俺も部屋の壁ギリギリまで走る。


「うおおおおおおお!!」

「ガルアッアァッ!!」


あ、ヤバい。あっちのが全然速い!


「跳脚!!」


文字通り俺は跳んだ。だがこれは普通のジャンプじゃねぇ。れっきとした技だ。マナを脚に集中させ、一時的にジャンプ力を上げることができる。

俺はそれで水平に跳び壁に着地して、更に跳脚でメタルドラゴンを飛び越えることに成功した。

メタルドラゴンは勢いを殺せずにそのまま壁に頭から突っ込んでいた。


「よし!アリス!もう良いか!」

「十分です!!」


アリスは俺と入れ替わりにメタルドラゴンに駆けて行く。


「グルァアッ!」


メタルドラゴンは振り返り、再び咆哮するが、


「爆砕斬!!」


赤く煌めくアリスの剣に頭を斬られた。それだけでは決め手にならなかったようだが、その剣は当たっただけでも、大抵のモンスターは死ぬ。


「ガグアッ!?」


斬られた場所から炎が噴き出し、爆発したのだ。メタルドラゴンの顔右半分が吹き飛び、大量の血を流していた。


「ガッル……」


最後に何か呻いて、メタルドラゴンは倒れた。


「やったなアリス」

「はい!」

「さて。と」


今回のアップデートには続きがあり、生き物出ない、あるいは精霊に近いものだと倒すだけで、アイテムはドロップするが、メタルドラゴンなど実体のあるモンスターは剥ぎ取らないといけなくなったらしい。まぁ普通はそうなんだろうが、それでも何か辛いものがある。


「アリス、剥ぎ取りお願いできるか?」

「はい!」


一番の問題は、そのモンスターのDEFが高い場合、剥ぎ取りに異常な時間がかかってしまうのだ。それが面倒で面倒で。


「むぅ……」


アリスが小型のナイフで器用にメタルドラゴンを解剖していく。

あ、頬に血がとんだ。とりあえず拭っておくか。


「アリス、頬っぺたに血ぃついてんぞ」

「あ、ありがとうございます」


しばらくして、アリスが剥ぎ取りを終えたので、鑑定する。


鋼竜の鱗


鋼竜の皮


鋼竜の爪


鋼竜の牙


鋼竜の尻尾


とまぁ色々あった。なんかこれだけ見てるとどこぞのハンターがモンスターを狩っていくゲームを思い出すな。


「とりあえずジャック達に連絡してみるか」

「あ、カズマ様!あれ!」


アリスが指差す先には白く輝く魔法陣が……!

鑑定……。


転移陣


入口にいけるってさ。これで戻れる。


おおおおお!


「入口までの転移陣だってよアリス!」

「なら戻れますね!」

「んじゃ改めてジャックにメールをってなんか来てる」


ジャック

件名勝利

メタルコドラ二体倒したっす。

転移陣ってのを発見したんで一回入り口戻ってるっす。


「あっちも戻れてるみてぇだわ。アリス。俺達も一回戻ろうぜ」

「はい!」


俺達は転移陣に乗ると、瞬きの間すらなく、一瞬で入り口に来ていた。アーススピリッツを発見したのでなんとなく倒しておく。


「カズマさん!遅かったっすね」

「まぁ色々あってな」

「俺達は割とすんなりいけたんすけど、メタルコドラ達穴掘って逃げまくるんで凄い大変だったっすね。カズマさん達はどんな感じだったんすか?」

「あ、俺達はメタルドラゴンと戦ってた。アリスが瞬殺したけど」

「メタルドラゴンって。幼生体だけじゃなかったんすか……」

「多分あいつのことだろ。奥にいる強いモンスターって。一回だけアリスの土魔法砕いたし、ファントムキラー見事に効かなかったし。一応アーススピリッツ一撃なんだぞ?」

「なんにせよ、無事戻ってこれて良かったっす」

「だな」


そして俺達がその場から帰ろうとした時、洞窟から爆発音と共に翼の生えたメタルドラゴンが飛び出して来た。


「跳脚!」

「天衝烈火撃!」

「守護光陣!」

「ーージックーード!!」

「マジックガード!!」


俺が一人跳脚で逃げると、他四人はメタルドラゴンの突撃を四人がかりで受け止めていた。

仕方ないだろう反射的に避けれたんだから。


「カズマさん!丁度良いからカズマさん集会所行って、他の人要請して下さいっす!」

「なんで俺だけ!?」

「念の為、俺達がやられた時の為に呼んでおきたいんす!」

「俺達がやられるわけないだろ!」

「ガルルルァアアアアアアッッッ!」

「うるせぇな!」


メタルドラゴンが翼を羽ばたかせ、飛ぼうとしている。


「天衝紅蓮炎撃!!」


ジャックがその顔に炎の拳を当てるが、気にも止められていない。


「アリス!」

「氷連撃!」


アリスがいつもと違う、氷属性の剣撃を放つ。つかその手の技剣でも拳でも使えるんだな。


アリスの剣はメタルドラゴンの腹部に当たると、パキンッと情けない音を立てて折れた。?折れた!?


「グラァッ」

「あぐっ!」


メタルドラゴンは呆然としているアリスに前脚で薙ぎ払い、アリスはそれをまともに食らってしまった。


「アリス!」

「っ。大丈夫です!」


ライフバーは……減っているけれど、すぐに回復できる量だな。


「とりあえずこれ使っとけ。俺はひとっ走りしてくるわ」

「でもカズマ様!途中で襲われたりしたら……!」

「全力で逃げる。まぁ多分大丈夫だ。その間は任せるぞ。まぁぶっちゃけかなり戦力外だから、いなくてもかわんねぇだろうけどよ。んじゃ任せたぞジャック!」

「はいっす!」


ジャックが頷き、再びメタルドラゴンに向き直ったのを見て、一度アリスを撫でて俺は走り出した。




全力で走り始めて約十五分程で、集会所にやってきた。


「おいお前ら!メタルドラゴン出たから手伝え!!」

「はぁ!?メタルドラゴンだぁ?んなもんいねぇよこの層には!嘘も休み休み言えよお前!」

「ツカコイツカズマッテヤツサ!アリスちゃんヲコキツカッテル!」

「「「アリスたんを!?」」」

「誰だ今アリスたん言ったの!!つか嘘でも何でもねぇから早くしろよ!」

「それは本当ですか!?」

「本当に決まってんだろ!ってシロじゃねぇか!」


みると、シロとエースとクインス。それにセイルがいた。


「丁度良い!お前らも来てくれ!」

「はい!」


ということで、シロ達を連れて走り出した。




「おい。お前ら」

「なんか普通に倒せたっす」

「なんで皆来てくれたのに、倒し終わってんだよおおおおお!!」


メタルドラゴンは既に倒され、剥ぎ取りまで完全に終わっていた。

それからシロ達以外にもついて来てくれていた奴もいたようで、少しぐちぐち言われ、剥ぎ取りに協力したりして、俺達は帰った。




「帰ったか?」

「はい。あの二人は帰ったっす。宝石商さん。じゃあちょっとよろしっすか?」

「あぁ。メタルドラゴンまで二体いるとは思わなかったからな、奮発するぞ」


と宝石商のおっさんは胸を張る。

そしておっさんは宝石の入った箱を開けると、そこにはキラキラとしたものが沢山あった。


「どれも俺の揃える中じゃ高級な物ばっかだからな。心して選べよ?」

「「はい!」」


鑑定をするが、本当にどれも高級な物のようだ。初めに安物のブラックオパール掴ませようとしたおっさんとは大違いだな。


「んーどれにしようかな」


鑑定をしていく。


人魚の涙ーネックレス


人魚の涙が塊、宝石となった物。その青さは哀しみの涙か、喜びによる涙なのか、それは流した者にしかわからない。ただ透き通ったその青は見る者の心を奪う。これすげぇアリスに付けてぇ!けどネックレスはもう渡してるんだよなぁ。心は奪われんぞというツッコミはしたらいけない。


火精霊の心ー指輪


ぱっと見はただのオレンジ色の石だが、中で炎が揺れ動き、煌き続けている。加工は非常に危険で、一歩間違うと強い炎を撒き散らす。その代わり成功した物は素晴らしい見た目、効果を誇る。似合うかな?確かに炎とかよく使ってるけど……。


火吸収

火属性威力倍加


フェアリークリスタルの指輪


最初にあげたネックレスと同じ物だな。でもこっちの方が綺麗だ。強いし。吸収はまぁ、攻撃すればマナは回復するしな。


全属性威力上昇(中)


「ほんとに良い物ばっかあんな。選ぶの迷っちまうよ」

「ゆっくり選びな兄ちゃん。これが今後の戦いにも影響するかもしれねぇからな」

「つかおっさんどこの人だ?ここら辺で見たことないんだけど」

「俺か?俺は……ここだけの話だ、ちとこっち耳寄せろ」

「あぁ」


おっさんに言われ、近付く。


「俺は六十一層の人間だ。レベルは280あそこじゃかなり低い方だがな」

「ろくじゅっっっーーーー」

「静かにしろ!バレたら面倒だろうが!」

「おっさんも声でけぇよ!」

「あ、俺決まったっす」

「おう。何にしたんだ?」


ジャックが取り出したのは深い青色の石が埋め込まれた指輪。


「水精霊の心っす。ナタリアは水属性の魔法をよく使うっすから」

「そうか。それはタダでくれてやるよ。兄ちゃんも早く選べよ。タダでやるから」


んー。




と選び続けてはや三十分。


「俺先帰っていっすか?」

「んー」

「兄ちゃん。ゆっくり選びなとは最初言ったが、ゆっくり過ぎやしねぇか?ってか兄ちゃん聞いてねぇな」

「……」


最初見た人魚の涙、フェアリークリスタルの指輪、んで後から発見したダイアモンドのイヤリング、ちなみにダイアモンドのイヤリングはダイアモンドドラゴンっつーメタルドラゴンの最上位種の身体から取られたダイアモンドらしい。透き通る白の奥にキラキラと光る物が埋め込まれており、ダイアモンドドラゴンの魔力結晶の一部だそうだ。俺の鑑定じゃ魔力結晶だってことはわからなかったが、ジャックの解析でわかった。

つまり、解析が必要な程上位な装備ということでもある。

付属スキルはマナ倍加とDEFとDEX上昇(中)

ぶっちゃけこっちの方が良いんだが、イヤリングって引っ張られたりすると危ねえんだよな。


「俺先帰るっす」

「……」

「ついに反応すらしなくなったっすね。……せい!」

「ブフゥッ」


いてええええ。


「な、何すんだよ!!」

「集中し過ぎっす。つーかこのダイアモンドのイヤリングで良いんじゃないっすか?眺めてる時間一番長いっすし」

「兄ちゃん。決まったかそうかそうか。じゃあそれにしとけ」

「ま、まだ決まって……」

「んじゃもうその三つやるから好きな子にあげな!俺はもう帰るぜ!じゃな!」


そう言うとおっさんはシュッといなくなってしまった。

残されたのは人魚の涙。フェアリークリスタルの指輪。ダイアモンドのイヤリング。

奮発し過ぎだろおっさん。良い人だ。

つか、おっさん自分でメタルドラゴン倒せたんじゃね……?つかなんであんな所、別に宝石も何もあるわけじゃないだろうに。気になるな。今度アリス連れて行くか。


「あーやっと帰れるっす」

「で、さっきなんで殴ったんだよ!」

「カズマさんが集中し過ぎてなんの反応もしないからっすよ!」

「殴る必要はねぇだろ!?」


とやんややんや言い合いしながらギルドまで俺達は帰った。

プレゼントは成功して、次の日から早速付けてくれていたのでめっちゃ嬉しかったのを報告しておこう。






メタルドラゴンは十六層レベルのドラゴンです。

宝石商のおっさん、また出るかもしれないです。

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