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一時的なハッピーエンド

書き貯めした方が良いのかなと

最近思うのです。

「烈火連撃!」

「ヴォッ!!」


ナタリアは俺の烈火連撃を丸写ししたように動き、拳を拳で相殺する。だがナタリアのライフバーはほとんど減らずにいる。

俺のライフバーは早くも一割削られている。蜃気楼は何故か意味を成さず、すぐに打ち消されてしまった。


「ナタリアぁ!」

「ヴォアアアアア!!」


もうほとんど闇に囚われ、エニグマと同化しているナタリアだが、その動きはまだ、ぎこちない。

そのナタリアに勝てないのだから、これは結構ヤバい。


「ヴォアッ!」

「チッ」


ナタリアの腕が鋭くなり、俺の頬を掠める。頬からは血が流れ、紙で切った時のような痛みがある。他に腕と左足に切り傷がある。


「三連華!四仙撃!五烈閃!天衝烈火連撃!!」


俺は今放てる、最多連撃を放っていく。その全てがナタリアに当てるが、期待の程体力は減っていない。


「ヴォアッ」

「あぐッ」


むしろ反撃を受けた。


「って、頭ん中冷静に保ってるつもりだが、全然だな」


しかもエニグマには急所が見当たらず、極殺拳がただのパンチになってしまい、切り札の一つが使えない。

勢殺拳も、相手が突っ込んで来ない限り意味はないので、使えない。蜃気楼は何故かすぐバレる。俺の基本攻撃ではほとんど体力を削れない。

……地道に頑張るしかないな。


「残影拳!」

「ヴォッ」


眼前まで迫った闇の触手を残影拳で避けて、拳を打ち込む。ぐらりと揺れたその身体を掴んで壁に頭からぶち当て、そのまま烈火撃を発動させ、壁に叩きつけるように殴る。


「ヴヴォオオ!」

「クソッ!」


ナタリアは身を震わせ、背中から触手を伸ばし、俺の身を無理矢理突き飛ばした。

俺は地面を削りながらも態勢を立て直し、拳に炎を灯す。


「烈火撃!」

「ヴォッ」


ナタリアは同じ攻撃モーションでそれを防ぐ。


「残影烈火撃!」

「ヴォッ!?」

「らぁああ!!」


だが俺は後ろに回り烈火撃を食らわし、足を引っ掛けてマウントをとった。


「烈火連撃!!」


うつ伏せに倒れて無防備になったナタリアの背を力の限り、烈火撃を叩き込み、技の停止と同時に離れる。

ライフバーはまだ二割しか削っていない。まだまだかかるな。


三連華で立ち上がったナタリアの膝を集中狙いし、四仙拳で腹部、五烈閃で四肢と胴に一撃ずつ。


「烈火撃!烈火連撃!天衝炎撃!」


炎の拳で畳み掛け、吹き飛ばす。まだ終わらない。無限ループさせてやる。反撃の間など与えない!!


「紅蓮脚!紅蓮拳!紅蓮瞬撃!」


まだ使ったことのあまりない、烈火撃とは別系列の炎の拳を当てる。説明するなら、烈火撃は威力で、紅蓮拳はコンボといった適性がある。


「紅蓮閃光撃!紅蓮脚!紅蓮瞬撃!」


ここまで打つと何でも良くなってくる。ナタリアから伸びようとする触手を、伸びる前に叩き潰し、拳を入れ、マナの尽きるまで連撃を放つ。

時たまリンがマナを魔法で分けてくれるので、まだそれなりには大丈夫だ。


「烈火撃!紅蓮拳!烈火連撃!紅蓮閃光撃!」


これでやっと四割。マナが恐ろしい速度で減って行くがこれは気にしていられない。


「三連華!紅蓮脚!四仙拳!紅蓮瞬撃!五烈閃!烈火連撃!紅蓮閃光撃!」


さすがに疲れてくる。が、手は止めない、止めたら終わりだ。殴る度、身体を千切れさせたりする感覚は非常に気持ち悪いし、まだエニグマの闇を纏ったばっかだからか、人を殴ってる感覚になるのだ。


「これで終わりだ!天衝紅蓮撃!!」


紅の炎の奔流がナタリアを包み込み、その身体を焼き消していく。


「ヴォアアッヴォアアアアアッ!」

「どうだぁ!!」


ライフバーは五割。あれだけやって五割は辛いな。


「ヴォッ……アアァ……」

「……」


睨み合うナタリアと俺。

これがエニグマの姿でなく、ナタリアのままならあっという間にやられていたかもしれないが、これは都合の良い誤算だった。

抵抗し続けることで、エニグマに変化するなんてな。

つまり、あの空のは全て抵抗して変化した奴らということだ。逆に生き残ってる奴らは、抵抗をしていない。そういうことになる。


「ナタリア、俺を殺さないように抵抗してくれて、ありがとうな」

「ヴォ……ア……」


一言、お礼を言うと、ナタリアが反応を示した。


「ナタリア?お前、まさか」

「……ダ、……ッテルミタ……デス」

「このまま抵抗し続ければ解放されるなんてこと、あるのか?」


先程殺すと言っていた俺の覚悟はどこにやろうか。

そして五割までライフバーを削った俺の苦労はどうしてくれようか。

……まだ意識のあるナタリアボコボコに殴ってたのか俺は……。

……ナタリアが助かるならそれはそれで良いのだ。むしろそうなってくれるとありがたい。


「ヴヴ……」

「リン!なんか、効果ありそうな魔法!当ててくれ!」

「ーーーーーーカースド、ーー!!」


リンの放った魔法が、ナタリアに当たり、そのまま染み込んでいく。


「ヴォアア……」

「効いてるぞ!リン!どんどん頼む!」

「はぁ。ーーーー、ーースト!」


なんか溜め息出された気がするんだが、気の所為か?


「あぐっ……ジャ……ク……」

「もっかい!」


リンの魔法を受ける度に、エニグマの闇が剥がれていく。

だが、そこまで上手くはいかなかった。

俺はそのまま、仰向けに倒れた。


「ごはっ……ぐうぅ」

「!?」

「あぁ……アアアアアア!!」


エニグマから伸ばされた闇が、俺の腹部を貫いていたのだ。

興奮していたせいか、全然気付かなかった。エニグマの闇が伸びていたことに。

だが。


「リン、続け、ろ」

「ーー!」


リンが首を振り、俺の心臓部分に治癒魔法を当て始める。一方でナタリアは、俺が死にかかっているからか、叫びながらより強く抵抗を始めたようだ。


「くっ」


心臓部分から血が流れ続ける。痛い。死ぬ程痛い。こんな痛み、平和な日本じゃ経験はない。これをトラン達は感じていたのだと思うと、本当に頑張っていたんだなと感じる。

ライフバーが五割を切った。

リンは必死で治癒魔法を使ってくれている。

一応生き残れそうだ。


「ーーて!ってーーれたでーー!」

「リン、相変わらず何言ってるのか、全然わからないっすよ。ゴホッ」

「ーー!」


茶化すように話すが、リンが怒って来た。なんだかんだリンも良くやってくれるよな。気まぐれだが。今度なんかしてやるか。

だが、話すと、口の中に血が溢れ、吐き出さないと、息ができなくなる。


「ジャック君!」


不意にナタリアの声がしたので、見てみるとナタリアは、エニグマから解放されていた。……頑張ったな。


「ごめんなさい、ジャック君、私、止められなかった!」

「……大丈夫っす、よ。この勢いならギリギリ死ななそうっす」

「それでも……」

「ゴホッゴホッ」

「ジャック君!」


大量の血を吐き出し、ライフバーをみると、既に三割を切っていた。


「ナタリアさん」

「さっきみたいに、ナタリアって呼んで下さい」


ナタリアは泣き顔でそう言った。そっか。俺確かに素でなんか話してたかもしれない。


「じゃあ俺もジャックでいい。いや、ナタリアには俺の本当の名前を教えておくよ」

「本当の、名前?」

「俺がこの世界にくる前の名前だよ」

「この、世界の前……」


残り二割か。……。


「俺は力也。獅童力也だ」

「シドウ、リキヤ……」

「あぁ。ナタリアには……リキヤって、呼ばれたいな」

「……」


コクンと、ナタリアは頷き、一言。

ーーリキヤ。と呼んでくれた。

そして俺は、目を閉ざした。


「リキヤ!!」

「……」


目を半目で開けて見ると、ナタリアは号泣。リンはジト目で俺を見ていた。


ライフバーはギリギリで残っていた。心臓の穴は塞がれている。


生き残った。

でもこれ一撃食らったら絶対死ぬ。


リンはわかってくれているようで、治癒魔法を再び当ててくれている。ライフバーは少しずつ回復し始めた。


さて。いつ起きようか。


それから少ししてもナタリアが泣き止んだので起き上がって見ると、ナタリアは驚き、また泣き始めてしまった。

でも、今度は笑顔だ。


「ナタリア。これからよろしくな」

「はい!」


この笑顔を見れただけでも、僥倖と言えよう。

泣きながらも、見惚れるほどのこの笑顔を。


「ふん!」

「ぐおっ」


良い感じのところでリンに殴られたのは言わない方が良いか?

なんかジャックが主人公みたいですが、

主人公はカズマです。

次回はカズマ頑張……ってくれると思います

俺次第なのですが、

基本ステータスめっちゃ低いんで

上の層に行くほど役立たずになっていきますこの主人公。

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