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ネコネコランドへようこそ  作者: 香月 深青
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第五十六話 かくれんぼ名人にゃ!?


朝のネコネコランド。


青い空には、白い雲がふわふわ浮かんでいた。


広場へ集まったチャイは、大きく手を挙げる。


「今日は、かくれんぼするにゃーー!」


「やるー!」


リオンが元気いっぱい答える。


ルナも。


マロンも。


シロップも。


インクも集まってきた。


ひなたも少し照れながら並ぶ。


「じゃあ、最初の鬼はぼくにゃ!」


チャイは大きな木に向かって立った。


「百まで数えるにゃ!」


「いーち!」


「にーい!」


その声を聞くと、みんなは一斉に走り出した。


リオンは大きな木の後ろへ。


ルナは花畑の中へ。


マロンは大きな樽の陰へ。


シロップは草むらへ、ごろん。


「ここなら大丈夫。」


……と言った次の瞬間。


「すぅ……すぅ……。」


「あ、寝ちゃった。」


リオンが思わず笑う。


ひなたは辺りを見回した。


「どこに隠れよう……。」


するとインクが小さく声をかける。


「……こっち。」


森の奥へ案内する。


木の枝が重なり、葉っぱに囲まれた秘密基地みたいな場所だった。


「ここなら見つからない。」


「ありがとう。」


ひなたは嬉しそうに笑った。


「きゅうじゅうはち!」


「きゅうじゅうきゅう!」


「ひゃく!」


チャイが勢いよく振り向く。


「探すにゃーー!」


まず見つけたのはシロップ。


草むらから、しっぽがぴょこん。


「見つけたにゃ!」


「……あ。」


シロップは目をこすった。


「寝ちゃった。」


みんな大笑い。


次はマロン。


樽の中から、


「くしゅん!」


「見つけたにゃーー!」


「しまったぁ。」


マロンは照れ笑い。


花畑ではルナのしっぽが花の間から、ぴょこん。


「ルナも見つけたにゃ!」


「ふふ、ばれちゃった。」


リオンも木の後ろから顔を出す。


「チャイ、今日は絶好調だね。」


チャイは胸を張る。


「名探偵にゃ!」


でも――


「あれ?」


ひなただけ見つからない。


チャイは森じゅうを走り回る。


「ひなたー!」


「どこにゃーー!」


木の後ろをのぞいて。


岩の陰ものぞいて。


草むらへ顔を突っ込んで。


「いないにゃーー!」


みんなも一緒に探す。


「どこだろう?」


「もう帰っちゃった?」


そのとき。


「ここだよ。」


小さな声が聞こえた。


みんなが見上げる。


木の太い枝の上で、ひなたがにこにこ笑っていた。


「わぁー!」


リオンが拍手する。


「すごーい!」


チャイは目をまん丸にした。


「かくれんぼ名人にゃーー!」


ひなたは少し照れながら笑う。


「木登り、得意なんだ。」


「今度教えてにゃ!」


「もちろん。」


ひなたもうれしそうにうなずいた。


「じゃあ、次はひなたが鬼にゃ!」


「えっ、ぼく?」


「がんばるにゃ!」


ひなたは木に向かって立つ。


「いーち。」


「にーい。」


その声を聞いた瞬間。


チャイが走り出す。


「あっ!」


「どこに隠れるか考えてなかったにゃーー!」


右へ。


左へ。


ぐるぐる。


「どこにゃーー!」


慌てて走り回るチャイを見て、


リオンも。


ルナも。


マロンも。


シロップも。


インクまで笑い出した。


ひなたも、おなかを抱えて笑う。


その笑顔は、もう昨日までの不安そうな笑顔ではなかった。


みんなと同じ、ネコネコランドの笑顔だった。


ネコネコランドには今日もまた――


笑いながら名前を呼び合う声が、森いっぱいに響いていた。

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