第五十一話 まねっこオウムにゃ!?
朝のネコネコランド。
広場では、小鳥たちが元気にさえずっていた。
チャイは大きく伸びをする。
「今日も遊ぶにゃーー!」
そのとき。
「遊ぶにゃーー!」
どこからか、同じ声が聞こえた。
「……にゃ?」
チャイは耳をぴくぴく動かしながら、きょろきょろ。
もう一度。
「遊ぶにゃーー!」
「ぼくの声にゃ!」
木の上を見ると、一羽のカラフルなオウムが枝にとまっていた。
リオンが笑顔で手を振る。
「おはよう!」
「おはよう!」
オウムも元気いっぱい返事をする。
「しゃべったにゃーー!」
チャイは目をまん丸にした。
「もう一回にゃ!」
「もう一回にゃ!」
「すごいにゃーー!」
みんなも集まってきた。
シロップがぽつり。
「おなかすいた。」
「おなかすいた。」
「ぼくのまね。」
ルナが手を振る。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
マロンが照れながら笑う。
「えへへ。」
「えへへ。」
広場は笑い声に包まれた。
チャイは負けじと変な顔。
「べーーっ!」
オウムも。
「べーーっ!」
「そっくりにゃ!」
今度はチャイが片足立ち。
「見てにゃ!」
オウムも枝の上で片足立ち。
「おおー!」
リオンが拍手する。
「すごい! 本当に何でもまねできるんだね!」
チャイはますます張り切った。
「今度はこれにゃ!」
ぴょん!
オウムも羽をぱたぱた。
ぴょん!
くるり!
オウムも空で、くるり!
チャイはしっぽを、ふりふり。
オウムも羽を、ふりふり。
「何でもまねできるにゃ!」
さらにチャイは、その場でくるくる三回転。
「目が回るにゃ~~!」
ふらふら。
オウムも空で、ふらふら。
「きゃははは!」
リオンはおなかを抱えて笑った。
「もう、二人ともそっくり!」
チャイは変なポーズ。
「にゃっ!」
オウムも同じポーズ。
「にゃっ!」
「また同じにゃーー!」
みんなは拍手して大笑い。
そのとき。
チャイが石につまずいた。
「あっ!」
ころん。
「いたた……。」
オウムもすぐに、
「いたた……。」
一瞬だけ静かになる。
そして――
「にゃはははは!」
広場は笑い声でいっぱいになった。
インクまで肩をふるわせて笑っている。
チャイがにやり。
「インクも踊るにゃ!」
「……断る。」
するとオウムが、すぐに。
「……断る。」
インクとまったく同じ声だった。
しーん。
そして――
「にゃはははは!」
今度はインクまで吹き出してしまう。
「……今日は勝てない。」
そのひと言に、みんなはもっと大笑い。
チャイは元気いっぱい叫んだ。
「最後は、まねっこダンスにゃーー!」
「さんせーい!」
チャイが右へ。
みんなも右へ。
オウムも右へ。
左へ。
左へ。
ぴょん。
ぴょん。
くるり。
くるり。
シロップだけ、一人前へ。
「あれ?」
オウムも前へ。
「同じだ!」
チャイは笑って転げ回る。
気がつけば、
パン屋さんも。
魚屋さんも。
お花屋さんも。
八百屋さんも。
町のみんなまで、まねっこダンス。
右へ。
左へ。
ぴょん!
くるり!
ネコネコランド中が笑顔で踊っていた。
やがて夕方。
オウムは大きく羽を広げる。
「またね!」
リオンが空へ向かって手を振る。
「また遊びに来てね!」
「また遊びに来てね!」
オウムも元気いっぱいまねっこする。
チャイは思いきり手を振った。
「また遊ぶにゃーーー!」
「また遊ぶにゃーーー!」
オウムの声は青い空へ響きながら、小さく小さくなっていった。
リオンは空を見上げて、にっこり笑う。
「また会えるといいね。」
「きっと来るにゃ!」
チャイは元気いっぱい答えた。
広場には、まだみんなの笑い声が残っている。
ネコネコランドには今日もまた――
笑い声が笑い声をまねっこしながら、青い空へふわりと広がっていった。




