第四十九話 はっぱのおふねにゃ!
朝のネコネコランド。
昨夜の雨で、小川はきらきらと輝いていた。
「わぁー!」
チャイは川をのぞき込んで目を輝かせる。
そのとき。
大きな葉っぱが、ぷかぷか流れてきた。
「あ!」
「おふねにゃ!」
チャイはぴょーんと飛び上がる。
「はっぱのおふねレースをするにゃーーー!」
「やるー!」
リオンも笑顔で手を挙げた。
みんなは森じゅうを走り回って、葉っぱ集めを始める。
チャイは、一番大きな葉っぱ。
「大きいほど速いにゃ!」
マロンは、小さくて丸い葉っぱ。
「かわいい船にしたいな。」
ルナは細長い葉っぱを重ねて、きれいなお船を作る。
シロップは、ふわふわの葉っぱを見つけた。
「気持ちよさそう。」
インクは細くて丈夫そうな葉っぱを一枚だけ拾う。
「……これで十分。」
みんなのおふねが完成した。
チャイが大きく手を上げる。
「よーい!」
「どーん!」
おふねは一斉に小川へ飛び出した。
「一番にゃーーー!」
チャイのおふねは勢いよく進む。
ところが……
ぷく。
ぷくぷく。
「あれ?」
ぽちゃん。
「沈んだにゃーーー!」
みんなは大笑い。
マロンのおふねは、その場でくるくる。
「すすまないよー!」
ルナのおふねは、すいーっと気持ちよく進んでいく。
「速い!」
リオンが拍手する。
インクのおふねは、水の流れに乗ってするすると先頭へ。
「さすがインク!」
チャイは大あわて。
「負けないにゃーー!」
シロップは、おふねをじーっと見つめる。
「乗れそう。」
「やめた方が……」
リオンが言い終わる前に、
ぴょん!
ぽちゃん!
船もシロップも水の中。
「つめたい。」
「にゃははは!」
チャイは笑って転げ回る。
そのとき、ふわりと風が吹いた。
みんなのおふねが一斉にスピードアップ!
「がんばれーー!」
チャイも。
リオンも。
ルナも。
マロンも。
シロップも。
インクまで、おふねを追いかけて走り出す。
すると川の真ん中に、小さな枝がぷかり。
「ぶつかるにゃ!」
チャイが叫ぶ。
ルナのおふねが近づいてくる。
その瞬間。
インクが枝を、ひょい。
「よし。」
ルナのおふねは無事に通り抜けた。
「ありがとう!」
ルナが笑顔になる。
ところが、そのすぐあと。
チャイのおふねだけ、枝にごつん。
「なんでにゃーーー!」
みんなはまた大笑い。
すると今度は、
「クワッ!」
一羽のカモさんが、ひょいっと葉っぱに乗った。
ぷかぷか。
すいーーっ!
「あーーー!」
「速い!」
「ずるいにゃーーー!」
チャイは夢中で追いかける。
でもカモさんは、のんびり。
気持ちよさそうに川を進んでいく。
「待つにゃーー!」
チャイも全力。
つるっ。
ぽちゃん!
「また落ちたにゃーー!」
みんな、おなかを抱えて大笑い。
カモさんは「クワッ」と鳴くと、葉っぱから降りて、チャイのおふねをくちばしで、ちょん。
おふねは、またぷかぷか流れ始めた。
「応援してくれたにゃ!」
「クワッ!」
チャイは嬉しそうに手を振る。
「ありがとうにゃーー!」
夕方。
小川には、葉っぱのおふねがのんびり流れていた。
チャイはびしょぬれのまま笑う。
「次は絶対勝つにゃーー!」
リオンはくすっと笑う。
「その前に、落ちない練習かな?」
「にゃーーー!」
みんなの笑い声が、小川いっぱいに響いた。
ネコネコランドには今日もまた――
小さな葉っぱのおふねが、みんなの笑い声を乗せて、ぷかぷかと旅を続けていた。




