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ネコネコランドへようこそ  作者: 香月 深青
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第四十七話 おうちに帰りたくなった日


朝のネコネコランド。


青い空を、鳥たちが気持ちよさそうに飛んでいた。


リオンは、その姿を見上げながら、小さくつぶやく。


「どこへ帰るのかな……。」


チャイが首をかしげた。


「どうしたにゃ?」


リオンは少し笑ったけれど、その笑顔はどこか寂しそうだった。


「お母さん、元気かなって思って。」


「お父さんも……。」


みんなは静かに顔を見合わせる。


リオンは人間の世界から来た女の子。


ネコネコランドで過ごす毎日はとても楽しい。


でも、ときどき家族のことを思い出す日があった。


チャイは小さな声で聞いた。


「……帰りたいにゃ?」


リオンはゆっくり首を振る。


「ううん。」


「帰りたいんじゃないの。」


「ただ……少し会いたくなっただけ。」


その日は、いつもより少しだけ口数が少なかった。


その夜。


チャイはみんなを集めた。


「リオンを笑顔にする作戦にゃ!」


「賛成!」


シロップが元気よく手を挙げる。


ルナは花畑で花を摘み、


マロンは四つ葉のクローバーを探し、


インクは何も言わず森へ歩いていった。


翌朝。


リオンが広場へ行くと、みんなが待っていた。


「おはよう!」


チャイは花冠を、ぽんっと頭にのせる。


「リオンにゃ!」


ルナは小さな花束を差し出した。


「元気になるお花。」


シロップは大好きなおやつを半分こ。


「一緒に食べよう。」


マロンは照れながら四つ葉のクローバーを渡した。


「昨日、やっと見つけたんだ。」


最後にインクが近づき、小さな木の実を手のひらにのせる。


「……森で一番きれいだった。」


ぶっきらぼうだけれど、とても優しい贈り物だった。


リオンは思わず笑顔になる。


「ありがとう。」


そのとき、ミルクがゆっくり歩いてきた。


リオンの隣へ座り、優しく微笑む。


「寂しくなったらね。」


「寂しいって言っていいんだよ。」


「無理に笑わなくてもいいの。」


「ネコネコランドのみんなは、いつでもリオンのそばにいるから。」


リオンの目に、涙がにじむ。


でも、その涙は少しだけ温かかった。


「ありがとう。」


「お母さんやお父さんに会いたくなる日は、きっとまたあると思う。」


「でも……。」


リオンはみんなを見渡して、ふんわり笑った。


「そんな日は、みんなに話してもいい?」


チャイは元気いっぱい飛び上がる。


「もちろんにゃ!」


「いっぱい聞くにゃ!」


シロップもうなずく。


「おやつも半分こ。」


マロンはにっこり笑う。


「ぼくも話を聞くよ。」


ルナは優しく言った。


「一人で我慢しなくていいからね。」


インクも少し照れながら、小さくうなずく。


「……みんないる。」


そのひと言が、リオンの胸をぽかぽかと温めた。


空では渡り鳥がゆっくり羽ばたいていく。


鳥には帰る場所がある。


リオンにも、人間の世界に大切な家族がいる。


そして、このネコネコランドにも、待っていてくれる仲間がいる。


リオンはみんなを見て、笑顔で言った。


「ただいま。」


「おかえり!」


みんなの声が重なり、森いっぱいに響く。


ネコネコランドには今日もまた――


「ただいま」と「おかえり」が、やさしく寄り添っていた。

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