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そのとき不思議なことが起きるから、ぼっち様にはどうやったって勝てないのです。  作者: yatacrow


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12/17

閑話 頑張れストリアス



--タマカン 商業地区 出逢い系居酒屋[婚カツ屋]--



「「「「「せーの、かんばーいっ♪」」」」」


仕事を終えたストリアスは、同僚の女神ニクショクとコンパに参加していた。


「ぐびぐび…くはあっ! 暑いとビールがうまいっ!」


「さて、乾杯したとこで自己紹介しまーすっ、僕はエイル。 前世では賢者で世界救ってました! 趣味は読書、好きなタイプは真面目な人かな。」


「んで、俺はアレックス。 ビール好きは前世からで、エイルと一緒に勇者パーティーで戦士やってた。 趣味は筋トレ、好きなヤツは筋トレ好きなヤツがいいなっ」


見た目30才前後、エイルは細身の儚げのあるメガネ男子で優しそうな印象、アレックスは筋トレ好きを体現した逞しい身体に精悍な顔つきで男らしい感じ。

(今日の男性達(えもの)、どっちもまぁまぁ当たりじゃないの。 気合い入れて化粧した甲斐があったわ♪)


「えー! 前世で勇者パーティーとかすごーい! 私はストリアス、前世は世界大統領の秘書してました。 趣味はエイルさんと一緒で読書です、エイルさんはどんな本が好きですか?」


「ちょっとー、ストリアス、ニクショクの自己紹介がまだだからー。 もー、がっつきすぎー。」


「あっ、ごっめーん♪ ついエイルさんのことが気になっちゃって♪」

ストリアスはペロッと舌を出して、エイルを上目遣いでチラ見して目を伏せる。

(くくっ、ファーストアタックは貰ったわよ)


「ニクショクとしてはー、ぷんぷんだよー。 ニクショクの前世はー、ちょっと恥ずかしいんだけどー、アマゾネスの長やってましたー♪ 趣味は男探し、読書好きも筋トレ好きもどんとこいっ♪ みたいなー♪」


(うわ、こいつ盛大にビッチ発言で自爆しやがった! どんとこいっ♪じゃねーよ、私も居るのに二兎を狩ろうとするんじゃないわよ!)


「アマゾネスですかっ!? 実は僕、前世でアマゾネスに憧れてまして。 ほら、身体が貧弱だから誰にも相手されなくて。 へー、ニクショクさんは読書好き有りなんだー♪」

「マジか!、やっぱりなー、体格いいし、なんか強そうだなって思ってたんだ! なぁ、今度の休みのとき筋トレしようぜ! ははっ」


(えっ! うそ! なんで!? エイル君までめっちゃ食いついてる。 確かにニクショクは豊満ボディで筋肉質だけど、見た目はゴリラ。 私よりも顔面偏差値低いの連れてきたのに! なんでっ?なんで!?)


管理者は、色んな世界から選定されてタマカンに送られてくるため、元の世界の好みが基準となることをストリアスはショックのあまり忘れていた。


「うほほー♪ エイル君て可愛いしー♪ ニクショク的に有り有りうほっ」


(おいぃっ、ゴリラ隠せてないからぁっ! エイル君、それゴリラだから気づいてぇー!!)


「あらー? そんな顔しないでよ、アレックス君。 強いオスにメスは惹かれるんだ・ぞ♪ あ、店員さん、バナナサワーください。」


(オスとかメスとかまんまじゃん、だ・ぞってウザいわ!アザトゥスよりあざといわっ!)


「ホントにっ!? 僕、本気にしちゃうんだけど。 賢者を騙そうとしないでよね。」


(そうだよ、賢者スキル仕事してよっ! 隣の美人に気づいてぇ!!)


「オレ、ツヨイオス、オマエ、ダカセロ」


(むしろゴリラに寄せていくなよアレックスぅ!! いや、頭悪そうだったけどないわー、アレックスないわー!)


心の中でツッコミをしているせいで、静かになったストリアスを横目にニクショクは、得意の二兎狩りが決まり、さらに二頭を捕食するため追い込んでいく。


「あーぁ、飲んだら暑くなってきたぁー♪」

ビキニのトップをつまみ、パタパタと風を送るゴリラ、エイルとアレックスの視線は釘付け状態になる。


(やばいっ、やばいっ! エイル君結構タイプだったのに、なんとか巻き返さないと……)



--パッシーッン!! ピーーヒョロロロー♪ピーーヒョロロロー♪


((((鷹狩りっ!?)))


「発信元-[可愛い後輩その2ルーサレス]- くっ、こんなときにっ! はい、もしもし?(てか何よこの登録名、いつの間に? 早く切らないと)」


(((着信音っ!!?)))


ストリアス本人は知らないが、登録した相手との念話、世界間インターネットや担当世界の魂管理等が色々出来る携帯[スマホン]は、アザトゥスが着信音を某カジノメーカーの激熱演出「鷹狩り」に変更しているため、周りをざわつかせることがある。

ちなみに、登録名を変えたのもアザトゥスである。


『あ、先輩、いまいいですかー? 世界の正常化の話なんですけど、困ってまして先輩のとこから魂を貸して(そのまま)欲しいなって考えまして…』


「あ、ごめんなさい、会社から…」

3人に断りを入れ、トイレに駆け込み「なによっ!? 今、オフで忙しいんだけどっ!!」


『先輩、コンパなら自分も誘ってくださいよー。 いい男いましたかー?』


「そういうのいいからっ! どうしたのっ?手短かに話して!」

(早くしないとニクショクが……)


『あれから考えたんですけど、世界を正常にするために中に入る必要があるじゃないですかー。 だけど、私は穴を塞ぐのに力を注がないとダメなんで動けないんですよ。 それで、先輩の世界から優秀な魂を貸して(そのまま)貰えないかなぁって。 先輩、助けてください、お願いしまーす。』


「なんで私のとこの魂を貸さないといけないのよ、私にもノルマがあるんだから。 じゃっ、あとは頑張って、切るね!」


『ううう、可愛い後輩が残業して頑張ってるのに、先輩が助けてくれない。 私よりもコンパが大事なんですね、ううう』


(うううって泣き真似すんなっ白々しい! おーもう、早く戻りたい)

「ほ、ほら、アザトゥスのとこから借りなさいよ、同期でしょ?」


『嫌です、アザトゥスちゃんとこの魂ってずる賢いっていうかなんていうか。 それに比べて先輩のとこは真面目で素直で優しく綺麗な魂が多いじゃないですか。 だから私、先輩から貸して(いずれ)貰った魂なら頑張れるって思うんですっ!』


ストリアスがチラリとテーブルを見ると、「うほほっ♪」「うっほ…」「「うっほほほほー♪」」とかなり盛り上がっている。


(うぅ、珍しくルーサレスが殊勝なこと言ってる。 可愛いとこあるじゃないの。)(てか早く戻らなきゃエイル君が人族やめちゃう!)


ニクショクが気になるストリアスはルーサレスの話に集中できていない。


「んー! わかった! 私の世界転生システムへのアクセス権、貴女にも許可しとくからっ! とにかく私は急いでるからっ!! じゃね!」


『先輩、ありがとーございます。 コンパがんばっ「プツッ」てくださーいって切られた。 向こうでうほうほって聞こえたからニクショク先輩とコンパか、ニクショク先輩に勝てるわけないのになぁ。』


「ま、いっか! よしっ!これで楽できるぞー♪ 私、頑張った。 えーと、まずは、穴の修理、救世主の魂の確保、それから世界の格を少し上げとかないとまたゴミ箱扱いされちゃうからどうにかしなきゃだけど、それも救世主次第かな♪」


管理者として()優秀なストリアスの受け持つ世界から、優秀な魂リストを物色できるとルーサレスは上機嫌だ。



□□□


--時は少し遡る


「うっほ、うほうほ♪、うほーん!?(ねー、ねー、私、プロレスやりたーい♪ エイル君とアレックス君と3人で。 ダメっ!?)」

ゴリラは手を合わせ、上目遣いで二人におねだり


「うっほほほほー、うほうほ。(ちょっ、ニクちゃん積極的すぎぃ。 でも、僕はそんな君に惹かれている。)」

左手で顔を隠し、右手でニクショクを指すポーズをビシッと決めたエイル


「うほうほ!、うほうほ!?(おう、ニクショク! 手加減なしだぜっ!?)」

ムキッと筋肉を滾らせるアレックス


「うっほうほ、うっほー♪(ストリアスも帰ってこないし、次行こー♪)」

「「うっほほー!!」」


三人はすっかり意気投合し、お店を出ていった。




「お、ま、た、せー♪ってあれ? みんな??」

化粧をばっちり直して、ストリアスがテーブルに戻ったときには、すでに違う四人が飲んでいた。


無表情になったストリアスは四人分のお会計をすまし、とぼとぼと帰宅し、部屋で一人 --哭いた。



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