10 執事の決意
短くてすみません(;゜∀゜)
次あたりからレスターさんが乱舞する予定です(°▽°)
お嬢様と共に学園に向かう途中で俺はそれに気づいた。
「お嬢様。少し失礼します。」
「レスター?・・・きゃっ!」
俺は断りを入れてすぐにお嬢様を横抱きにして跳躍する。
レスターの身体能力が神がかってるせいか、漫画のようなジャンプができるほど、化け物じみたスペックを手に入れてしまったのだ。
民家の家の屋根の上を渡って走るとお嬢様が驚いたように目を丸くして、若干赤顔でこちらをみた。
「ちょっと!いきなりどうしたの?」
「すみません。何者かにつけられていたみたいでしたので、どの程度かを確認しようと思いまして。」
公爵家の令嬢だからか、お嬢様は時々その手の輩に狙われることがある。
そんな時に、少しスピードを出して逃げれば撒けるレベルなら対して脅威にはならない。
逆に追ってくるか、並走されたらその場で始末するしかない。
とはいえ、お嬢様の安全は確保したいので、最初はこうして逃げる訳なのだが、別にお嬢様がいても迎撃はできる。
ただ、お嬢様に汚ないものをみせるのは本意ではないので、俺は出きる限りお嬢様がいない場所で賊の対処をしたいのだ。
「そう・・・それで・・・」
「はい。どうもこの感じだと雇われたその辺のゴロツキみたいですがね。完全に見失ってるようなので。」
初期の跳躍の段階で後ろをみたが、有名な賊というよりも、誰が雇った一般のゴロツキのようだった。
これで、もう一度お嬢様を狙えば殺すし、逆に公爵家の方を狙ってもメイドさんに血祭りにあげられるだろう。
特に、鞭を専門としてるあの人の拷問は凄いからな・・・恍惚とした表情で平気で非人道的なことをやるから、真性のサディストですよ。
旦那さんがいるらしいけど、その人とは夜はハードな目眩くSとMな世界を堪能してると言ってたので、ぞっとしましたよ。
しかも、あの人俺とお嬢様にも才能があるとか言って、俺に鞭の稽古をつけようとしたり、お嬢様の教育に悪そうなことを話そうとしたりと厄介なんだよね・・・
「でも、変よね?最近はこの手のことは少なくなってきてたのに・・・」
「そうですね。」
そうはいいつつ、俺はある種の予感を抱いていた。
俺の存在を知りながら襲ってくる輩はここ最近はいない。
何故なら、この辺のその手の輩には拳で対話を・・・もとい、お話をした上に、俺たちへの手出しでの恐怖を骨身に分からせるまでお話したからだ。
それで襲ってきたとなれば、考えられるのはここ最近の日常の中で大きな障害と言えるヒロインの存在。
まあ、本人か取り巻きの子息かはわからないがあいつらの可能性は高いだろう。
だと、すれば・・・
「やれやれ・・・愚かな人達ですよね。」
何もしなければもっと穏便にすませたものを、よりによってお嬢様への襲撃とは・・・
彼らにはたっぷりと自分の手を出した相手の不味さを知ってもらわなきゃいけませんね。
俺はお嬢様を抱き抱えてそのまま学園へと向かった。
お嬢様を害するものへの報復を考えながら・・・