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微子の憂鬱外伝 紂王伝  作者: 日和見


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城縛

紂王伝 第96話 家族四人で特大の布団に並んで就寝した、あの温かい夜以来。私は奥(後宮)へ帰ると、三回に一度はみんなでお泊まり(川の字で就寝)をすることにした。「もう、父上。僕も十一ですよ。さすがに格好悪いです」案の定、おませさんな息子の禄父ろくふは最初嫌がった。だが、「こうしてみんなで眠るのも、一ヶ月後に九侯の娘が嫁いで来るまでの間だけだ」と説得すると、最後はしぶしぶ了承してくれた。もちろん、私だけでなく正妻の風(嬴風)からも優しく説得してもらったおかげでもある。(九侯の娘がやって来るまで、あと二十日か……)迫りくる期限を思い、私は胸の内で小さく息を吐いた。彼女が輿入れしてきたら、年齢的なことも考慮し、すぐに歓迎とお披露目の大式典を開催しなければならない。急遽決まった婚姻外交だったが、すでに近隣の諸侯たちからは「祝いのために朝歌ちょうかへ向かいたい。滞在の許可を」という申請が続々と朝廷へ届いていた。逆に言えば、あまりに急な話だったため、遠方の諸侯たちには「九侯の娘を側室に娶る」という一報がようやく届くか、あるいはまだ届いていないかという状況だろう。それほどまでに宮廷内はバタバタとしていた。この慌ただしさのせいで、私自身、朝歌の外側への巡察や視察を完全に止められてしまっていた。今の私は、入ってくる報告書だけに目を通す日々だ。(自分の目で見て、肌で感じる『実体験としての世情』を知れないのは、本当に辛いな……)高官たちの綺麗にまとめられた報告書だけでは、どうしても現場の民への配慮や、細かな歪みに対する配慮が欠けてしまう。それが為政者として不安で仕方がなかったが、式典の準備という大義名分がある以上、今は仕方のないことだった。私は机の上に山積みにされた木簡を前に、再び冷徹な王の顔に戻り、執務へとペン(筆)を走らせるのだった。

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