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微子の憂鬱外伝 紂王伝  作者: 日和見


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人口

紂王伝』第18話:拡大の足音月日は巡り、私の愛息たる禄父ろくほも七歳になった。人頭税を課して実家から自立を促した若者たちや、他国からの移民を救うため、私は開墾した新しい土地を極力、彼ら農家出身の者たちに優先して分け与え続けた。だが、どれほど土地を開いたところで、爆発的に増え続ける人口に対して、畑の数が全く足りないという事態に直面したのだ。溢れかえる人々と、その有り余るエネルギーをただ腐らせておくわけにはいかない。「適正の無い者を畑へ送っても無駄だ。これより、全平民に厳しい『検査』を課す」私は、家柄に関係なく、民の適性を徹底的に調べ上げさせた。頭の回る者、物覚えの良い賢き者は、身分を問わず優先的に私の「新たな家臣団」へと加え、国政の実務を担わせた。身体が頑健で健康な者たちは、国力を支える「常備軍(国軍)」へ。性格的には健やかだが、規律の厳しい軍には合わないと判断された者たちは、開墾や建築といった国家の基礎を築く職人へと回した。この徹底的な適材適所の采配により、しょうの国力はさらに効率を上げ、まるで巨大な一つの生き物のように力強く動き始めた。だが――。執務室で天下の地図を広げていた私は、ある日、ふと冷や汗が背中を伝うのを感じた。「……あ、このままでは、幾ら広大な商といえど土地が足りなくなるな」人が増え、国が豊かになり、経済が回れば回るほど、民が生きていくための「土地」の需要は無限に膨れ上がっていく。どれほど木を切り倒し、泥道を拓き、国内の未開の地を開墾したところで、数年、あるいは十数年後には、我が商の国境線は人で破裂してしまう。この国を、そして禄父たちが生きる未来を盤石なものにするためには、もう国内の改革だけでは限界があるのだ。商の生存圏を広げるために、私は外へと目を向けねばならない。地図の上に描かれた、まだ見ぬ東の果て、そして西の諸国(周など)の境界線を見つめながら、私は静かに、次なる激動の予感に身を震わせていた。

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