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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

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88/116

第85話 <共闘1>

昼頃。

ハンスは川辺に生えている実を見つけた。

赤い実。

ひとつ口へ放り込む。

「酸っぺぇ」


ケイが見ていた。


「何をしている」

「飯だ」

「補給物資ではない」

「当たり前だ」


ハンスはもう一つ取る。

「食うか」


ケイは首を振った。

「不要だ」


ハンスが呆れる。

「腹減らねえのか」


ケイは少しだけ考えた。

「減る」


「じゃあ食え」

赤い実を投げる。


ケイは受け取った。

しばらく見ている。

まるで意味が分からない物を見るように。


そして。

渋々口へ入れた。


「……」

顔をしかめる。


「どうだ」

「酸っぱい」

「だろ」

ハンスにやりと笑う。

思わずケイも口元を僅かに動かした。


初めて。

ほんの少しだけ。

会話になった。


夕方。

谷は次第に狭くなっていく。

川も細くなる。


その時だった。

ケイが突然叫んだ。

「伏せろ!」


ハンスは考えるより早く伏せた。


次の瞬間。


バサァァァァッ!!


巨大な影が頭上を通過する。

魔鳥だった。


一羽。

いや。

二羽。

いや。

三羽。


低空飛行。

完全に発見された。

魔鳥が急降下する。

岩が砕ける。

ハンスが飛び退く。


「くそっ!」


魔鳥は再び空へ上がる。

ハンスとケイは岩陰に隠れる。

空を見上げた。


「最悪だな」


ケイが立ち上って戦おうとする。

だが。

足が崩れる。

地面に片膝をついた。


ハンスが眉をひそめる。

「無理すんな」


ケイは睨み返した。

「命令するな」

「じゃあ勝手にしろ」


少しだけ沈黙。


その間にも魔鳥空を舞い、隙あらば攻撃しようとする。

結局、ケイは立ち上がれなかった。


ケイは投擲剣を抜く。

「私はこれで攻撃をする」

「ああ、さっきも助かったぜ」


その言葉にケイは不思議そうな顔をする。


その時、一羽。

後方から川沿いに襲ってきた。


ハンスが気付く。

遅い。

鉤爪が迫る。


そして。

ハンスはケイへ体当たり。

二人とも転がる。

魔鳥の爪が岩を砕いた。


ケイは倒れたまま呟く。

「何故」


また同じ言葉だった。

ハンスは立ち上がる。


「何度も聞くな」

「何となくだ」

「死なれたら気分悪いしな」


再度、魔鳥が降りてくる。

二人は同時に武器を構えた。


巨大な嘴。

鋭い鉤爪。

ハンスが前へ出た。


クレイモアを構える。

「来い!」


魔鳥が急降下する。

ドォン!!


地面が砕けた。

直撃は避けた。

だが風圧だけで身体がよろめく。


敵同士。

それは変わらない。

だが。

今だけは。

目の前の化け物の方が優先だった。


魔鳥が旋回する。

空高く舞い上がる。

次の瞬間。

二羽同時に急降下した。


ハンスが反射的に動く。

一羽を避ける。

だがもう一羽。

正面。

避けられない。


ケイの投擲剣が飛ぶ。

銀閃。

嘴に命中する。

魔鳥の軌道が逸れる。


その瞬間。

ハンスが踏み込んだ。


「おおおおっ!!」


クレイモアが唸る。


血飛沫。

悲鳴。

魔鳥が地面へ叩き付けられた。

轟音。

土煙。


だが。

まだ二羽残っている。

二人は武器を構えた。

敵同士。

そのはずだった。

だが今だけは。

背中を預ける相手もまた。

その敵しかいなかった。

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