↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/117

第73話 <大都へ>

馬車は大都に向かって街道を進む。

小さな丘に差し掛かる。

ゆっくりとのぼる。

越える。

視界が開ける。

上から平原が見えた。


広い。

どこまでも広い。

地平線が広がる。

遠くに街。

さらにその向こうに川。


ハンスが感心する。

「広い大地だ」

「そして立派な道」


フロムも頷いた。

「ここは大陸」

「そしてシユウ帝国は交易国家よ」

「人も物もよく動く」


確かにそうだった。

行商人。

荷車。

旅人。

何度もすれ違う。

ヤマシロ王国でもハン王国でも見ない光景だった。


昼。

馬車は小さな村で休憩を取る。


ミリアは露店に向かう。

「見て見て」


妙な形をした果物。

「食べられるのかな」


店主。

「食べ物だ」


ハンス。

「当たり前だ」


その頃。

ヨウド。


酒を売る店の前で停止。

「燃料」


ハンス。

「却下」

「補給は重要である」

「二本買ったばかりだろ」

「備蓄も重要である」


小さな岩山帯に行き当たる。

街道は岩山の間を抜けて伸びていた。


一行は馬車を進める。

しばらくすると前方に大きな隊商が見えてきた。


十台近い荷馬車。

積荷を満載にしている。

護衛らしい男達もいる。


ハンスが感心した。

「でかいな」


フロムが答える。

「シユウ帝国では珍しくないわ」

「大都へ向かう隊商でしょうね」


ちょうど追い抜く時だった。

隊商の男が声をかけてくる。

「兄ちゃんらも大都か?」


ハンスが頷く。

「そうだ」

「気を付けろよ」

「何がだ?」


男は周囲を見回す。

声を少し潜めた。


「魔物だ」


空気が少し変わる。


リンが聞く。

「この辺にも出るの?」

「ああ」


男は顔をしかめた。

「昔はこんなこと無かったんだがな」

「ここ数年だ」

「街道の近くにも出るようになった」


別の商人も話に混ざる。

「しかも群れだ」

「旅人が丸ごと消えることもある」


ミリアが少し青ざめる。

「怖っ」


「だから隊商組んでるんだよ」

男は苦笑した。


「昔は護衛なんて二、三人で十分だった」

「今じゃ十人いても安心できん」


ヨウドが呟く。

「状況は悪化傾向である」

「そういうことだな」

商人は頷いた。


「ところで兄ちゃん達はどこまで行くんだ」


ハンス。

「大都だ」

「エース商会に用事があってな」


商人は感心したように口笛を吹く。

「へ~そうか。あそこは東の国の商会だったな」

「珍しいもん扱ってる」

「商売がうまくいくといいな」


一行は隊商から離れ始める。

別れ際、商人はふと思い出したように言った。


「そうだ」

「もし夜に獣の声を聞いても外へ出るなよ」

「最近は妙な魔物が出る」


そう言って笑い。

別の街道へ向かっていった。


その姿を見送りながらリンが呟く。

「魔物が増えている……」


フロムが静かに答えた。

「同盟軍が動いている証拠かもしれないわね」


誰もそれ以上は話さなかった。


一行は山の間を進む。

夕方。

リンは地図を確認する。

「大都まではまだ遠いのね」


クロウ。

「推定三日」

「長い」

「歩行なら更に長い」

「そういう問題じゃないわ」


日が沈む。

野営。

焚火。

穏やかな夜だった。


ミリアが呟く。

「先生」


炎を見る。

「本当にいるのかな」


誰も答えない。

麒麟は生きていると言った。

だが。

それが本当かどうか。

まだ分からない。


その夜。

クロウは見張りだった。

空へ飛ぶ。

月明かり。

静かな森。


しかし。

数キロ先。

森の縁。

何かがいた。

青白い眼。

複数。

クロウの瞳が光る。


「警戒」

「監視対象を確認」


狼ではない。

犬でもない。

その姿をクロウは知っていた。

魔犬。

さらに後方。

黒い外套の影。

クロウ。


「同盟軍、新型魔人を含む敵勢力接近」

小さく呟いた。


平原の闇の中。

何かが動き始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。