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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

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第67話 <魔物の発生>

海に出る。

海岸に沿って南下する。

海路は順調。

穏やかな時間が流れる。

これまでの戦いが嘘のよう。


やがて陽が沈む。

夜。


船は静かに進んでいた。

ヨウドは甲板の片隅で燃料補給。


グビッ。

胸部ランプ点灯。

「補給完了である」


近くにいた船員が怪訝な顔でヨウドを見る。


ハンス。

「なんだ」

「なんか用か?」


船員は無言で去る。


フロムはヨウドの横で丸くなっている。

クロウもその側の船べりに静かにとまっていた。


リンがクロウとフロムの側に座る。

二匹に話しかける。

「クロウ、フロム」


二匹が薄目を開ける。


「教えて」

「同盟軍ってなに? 連合国って」

「――麒麟、あの板の声との話の中でフロムが答えていたわ」

「それに魔物」

「感染性生物兵器って言っていた」

「学術院のニトロ室長のところでは”感染個体”」

「――魔物も魔人も病によって変貌した存在って」

「それが生物兵器? 病気じゃないの?」

「貴方たちは何なのか知っているんでしょう」


クロウの眼が光る。

リンを見る。


「情報共有が許可された」

「我々は連合国軍所属の支援機」

「識別名リンを支援するために派遣された」

「極東地区AI+81再生人類部隊」

「同盟軍は連合国軍に敵対する政治集団」

「主にこの大陸の中央部を勢力圏とする」

「魔物――感染性生物兵器は同盟軍が多用する武器だ」


ハンス。

「じゃあ魔物はあいつら――麒麟だったっけ」

「連中がヒトや動物から作っているのかよ!」


フロムが顔を上げる。

「麒麟は違うって言っていたわ」

「でも彼らが生み出して武器として使っているのは事実よ」


リンが訝しむ。

「同盟軍――麒麟」

「それに私たちを捕まえようとしたハン王国にヤマシロ王国のカーボ宰相」

「彼らが魔物を生み出してるの?」

「魔物のいない世界を望んでいるのじゃなかったの?」


クロウが答える。

「同盟軍と地域政治集団との関係は不明だ」

「だが同盟軍を倒すことは魔物の発生をなくすことと同義になる」


ミリア。

「先生は!?」

「ブロウって言ったっけ。しゃべる鳥さん」

「クロちゃんの仲間なんでしょう?」

二匹を見つめる。


クロウが口を開く。

「ゼノン――Unit-09」

「連合国極東地区」

「AI+81再生人類部隊所属」

「だが四年前の西行工程において支援機とともに消息を絶った」

「ブロウ――Unit-09と同行した飛行型支援機だ」

「前回のミリアの質問にも回答する」

「クロウとは詳細構造が異なるが同じ目的のために使用される」

「ブロウは前回オペレーションの西行工程で不明となり、現在、連絡を取ることが出来ない」


ミリア。

「やっぱり!」

「クロちゃんと同じだったのね!」


再度リンが聞く

「ねえクロウ」

「彼らも言っていた」

「EXって何なの」

「ゼノンも私もそうなの? それが狙われる理由?」


クロウがリンを見る。

「リンはゼノンと同質だ」


その瞬間、フロムが言う。

「EXに関する情報開示は許可されていないわ」

「飛行型支援機」

「制御モジュールにまだ不具合がある」

「このままでは運用不可よ」


クロウが黙り込む。


沈黙。

フロムは眼も閉じる。

誰も話さない。

静かに夜が更けていく。


深夜。

大剣を抱えたままハンスが寝ている。

リンもその横で休んでいる。


ミリアは――

船首に座る。

海を見つめる。


遠くに月が映っている。


「先生」

小さく呟いた。


麒麟は言った。

ゼノンは生きていると。

本当だろうか。

クロウはリンと同質だと漏らした。

ならきっとすごく強い。

倒されたりしない。


本当に会えるのだろうか。

きっと会える。


そんな気がした。

船は静かに南へ進んでいく。

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