↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
64/116

第62話 <脱出1>

「ガシャ」

鉄の扉が閉まる。


静寂。


しばらく誰も喋らなかった。

部屋の中には何もない。

おまけに全員縛られている

鉄格子のついた小さな窓だけ。

外は既に暗くなっていた。


「どれくらい寝ていたのかしら」

リンが呟く。


「かなり長時間である」

ヨウドが答える。


ハンスは寝転がったまま天井を見る。

「最悪だな」

「俺たち全員廃棄らしいぜ」

「なかなか失礼な連中だ」


「失礼どころではないのである」

ヨウドが網の中でもがく。

「だがこれは動けんのである」


「私たちどうなるのかな」

ミリアの声に少しだけ不安が混じる。

「リンだけ連れていくって言ってたね……」


リンは拳を握った。

「絶対に助ける」

ハンスが笑う。

「誰が死ぬかよ」


その時だった。

パサパサッ……

小さな羽音。


「あ」

ミリアが顔を上げる。

窓の鉄格子の隙間から黒い影が入ってきた。

クロウだった。


ミリアが目を輝かせた。

「クロちゃん!」

クロウは軽やかに着地した。

「潜入成功」


沈黙


「遅い!」

ハンスが叫ぶ。


「すまない」

「反省はしていない」

「してねぇじゃねえか!」


リンが言う。

「このロープ何とかならない?」

クロウはロープを観察する。

青い目が点滅。


「不可」

「早っ!」

ハンスが叫ぶ。


「硬度が高い」

「現状況では切断不可能」

「役に立たねえな!」

「却下」

「同意しない」


ミリアが聞く。

「この前のヤスリは?」

クロウ。

「ロープ、網ともかなり硬度が高い」

「敵兵が再び現れるまでの期間でロープを切断することは現実的でない」


ミリアが身体を揺する。

芋虫のように。

少しずつ。

少しずつ。

床を這って移動。


「ねえクロちゃん」

「何だ」

「私のベルトのポケット見て」


クロウが器用にポケットを開く。

中身を引っ張り出した。

導火索。

雷管。

細かい工具類。


リンが眉をひそめる。

「なんでそんな物を持っているの…」

「乙女の秘密よ」


一方、ヨウドは。

「それは吾輩の備品である」

「ひどいである」

「ミリアに言ったあの劣化した部品ではないのである」

「無断持ち出しは軍規違反である」

「そのことは後で!」


ミリアがクロウを見る。


「それ!」

「導火索でロープを焼き切れない?」

フロムが計算を始める。

「成功確率21パーセント」


「低いわね!」


その横からヨウドが言う。

「燃やすなら良い物があるのである」

「良い物?」

「吾輩の燃料である」

「アルコールか」

フロムが頷いた。


「それなら焼き切れる可能性が上がるわ」

ヨウドがもぞもぞ動く。

網に絡まったまま。


なんとか腰の携帯缶を取り出した。


「取れたのである!」

「どうやったんだよ!」

「努力である」


クロウが缶を拾う。

器用に蓋を開けた。


ハンスの後ろへ飛ぶ。

「準備完了」


「待て待て待て」

ハンスが焦る。

「なあ、俺で試すのか?」


ミリア。

「だって燃えるんでしょ」

「怖いじゃない」

「それに不死身のハンスだし」


フロムが冷静に言う。

「仮に失敗してもハンスなら耐久可能だわ」


リンも頷く。

「完全に切れなくてもハンスなら引きちぎれる可能性もあるわ」


ヨウドの眼が点滅する。

「この中で一番成功確率が高いのである」


全員がハンスを見る。

ハンスは深いため息をついた。

「覚えとけよ」

「火傷したら一生恩に着せるからな」


クロウ。

「記録した」


ハンス。

「消せ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。