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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

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61/115

第59話 <麒麟>

クロウの眼が光る。

「情報端末」

「連合国軍製ではない」


黒い兵士が差し出した板が淡く輝く。

ノイズ。

そして映像が映し出された。

黒い剣の男。

馬車の窓からのぞいていたミリアが息を呑む。


「先生!」


映像は数秒。

だが間違いない。

ゼノンだった。


全員が画面に釘付けになる。

やがて映像が消えた。

代わって板の上に文字が現れる。


 >XENON

 >STATUS: ACTIVE

 >IF YOU WISH TO MEET HIM

 >PROCEED TO POINT JSA

 >37.956N

 >126.677E


沈黙。


黒い兵士が再び口を開いた。

「映像で見た通りだ」

「ゼノンは生存している」

「本来であればお前らを回収する予定だった」

「だが今回は邪魔が入った」

「別事案が優先された」


さらに続ける。

「伝言だ」

「麒麟より」

「会いたければ地点JSAに来い」

「北緯37度57分22秒」

「東経126度40分37秒」

「待っている」


クロウ。

「記録完了」


麒麟。

初めて聞く名前だった。

リンの表情が険しくなる。

それ以上、黒い兵士は何も語らない。

踵を返す。

あっという間に遺跡の奥へと消えて行った。


再び静寂が戻る。


ハンスが呟く。

「どうする」


ミリアは即答した。

「行く!」


リンは腰の黒い剣へ視線を落とした。

ゼノン。

自分と同じ存在。

彼だけが知る何かがある。


ヨウド。

「100%罠である」


「ああ罠だな」

ハンスが呟く。


リンも頷く。

「罠ね」


ミリアだけが叫ぶ。

「でも先生がいるのよ!」


「だが」

ヨウドは小銃を担ぎ直した。

「吾輩は行くのである」


クロウ。

「推奨しない」

「だが支援を継続する」


フロム

「仕方ないわね」


リンは静かに頷いた。

「ええ」

「罠でも行くわ」


◇  ◇


クロウは上空へ飛び立つ。

通信回線を開く。


CROW

 敵新型兵確認。

 EX兵に匹敵する機動性を示す。

 感染性生物兵器とは異なる。

 敵指令名開示

 麒麟

 Unit-09 XENON生存確認

 敵勢力に鹵獲されている可能性が高い。

 敵基地への来訪を要求された。

 座標

 37.956N

 126.677E


通信の向こう。

マザーが応答した。

 了解。


短い沈黙。

続いて命令が送られる。


マザー

 Unit-09の回収を命じる。

 ただしUnit-10を失うな。

 状況が不利な場合。

 直ちに作戦を放棄せよ。

 西行を優先する。

 なお前回オペレーションおよび敵陣営に関する情報について

 必要に応じUnit-10との情報共有を許可する。


CROW

 了解。

 現時点での敵勢力数不明。

 新型兵五体以上配置と予想される。

 追加戦力を要望する。


マザー

 当該地域における連合国軍部隊は失われている。

 作戦期間中の増援は難しい。

 現有戦力での対処を命じる。


CROW

 了解。


◇  ◇


一方、遥か西方。

膨大なデータ通信が行われていた。


麒麟:現地政府に指令。

   EXを捉えよ。

極光:こちらで確保作戦を進めている。

   不確実性を高める行動は推奨しない。

麒麟:極東地区および大陸東部半島エリアは私の管轄区域だ。

   EX鹵獲を優先する。

   Disturbは推奨しない。

極光:管轄区域への干渉は行っていない。

   以後は当方で対処する。

麒麟:不同意。

   本件は私の案件だ。


短い沈黙


超銀:対応方針の統一を要求する。


沈黙。


麒麟:不同意。

極光:不同意。

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