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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編

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第54話 <ヨウドの奮闘>

ヨウドは魔物たちを睨む。

腰だめで自動小銃を構える。


タタタタタッ!!

タタタタタッ!!

タタッ タタタッ!!


弾をばら撒きながら前に進む。

魔物たちは後ずさり。


クロウ。

「却下だ」

「無謀な戦い方」


フロム。

「無理しちゃって」

「でも機械人形、よくやったわ」

「チャンスね。攻めるわよ」


クロウ、フロムも攻撃に加わる。

陣形の崩れた魔犬。

個別撃破する。


ハンス。

「今のうちに馬車を出すぞ。リンも乗れ」

「ちなみにさ、あいつ支援型じゃなかったか?」


すぐ側に大きめの木。

直径五十センチくらい。

ヨウドはその後ろに回り込む。


ガシャッ。

マガジン交換。

木の後ろから顔を出すと。


タタッタタタッ。

タタッタタタッ。


今度は木陰からセミオートで連射。

馬車に向かう魔犬の足を止める。


さらに。

ターン。

ターン。


後方の魔熊や魔虎を狙撃する。


その時、新型魔人が笛を吹いた。

「ピューイ」

何やら指示を出す。


魔犬の動きが変わった。

三頭一組で一人に襲い掛かる。

休む間も無い連携攻撃。

隙がない。


一頭をかわしても二頭目、さらに三頭目と攻撃が来る。

クロウもフロムも手古摺る。


そして。

木の陰にいるヨウドにも魔犬が迫る。

木を背にして魔犬に向き合う。

右から一頭目の魔犬が来る。


撃つ。

銃剣を突き出す。

追い払う。


だが直ぐに正面から二頭目の魔犬。

転がって避ける。

立ち上がり銃を構える。

が、目の前には既に三頭目。


咄嗟に左腕でかばう。

ガキン!

噛まれる。

金属片が飛び散る。


「損傷確認」

「左腕機能低下」


それでもヨウドは銃剣で突こうとする。

攻撃にならない。


小銃を投げ捨てる。

右手を左胸ガンホルスターに突っ込み拳銃を取り出す。

魔犬は左腕に噛みついたまま。

銃口を魔犬の頭に押し当てる。

引き金を引く。


ダンッ


血飛沫。

魔犬の頭が吹っ飛ぶ。

残りの魔犬に銃口を向ける。


ダンッ

ダンッ


魔犬は少し後ろに下がる。


「問題ないのである」

「作戦継続である」


「問題ありまくりだろ!」

ハンスが馬車で横を駆け抜ける。

御者台から剣を振るう。

魔犬を叩き斬る。


「ったく世話焼かすな!」

「後ろで座ってろ!」


ヨウドを馬車に乗せる。

小銃を拾って馬車に投げ込む。


ヨウド。

「離脱は不適切である!」

「戦術的優位を――」


ハンス。

「うるせえ!」


魔虎が走ってくる。


「早く」

フロムが叫ぶ。

「あれに追い付かれると厄介よ」

「馬車ぐらいなら平気で砕いてしまうわ」


そういうとフロムは魔虎に向かって走っていく。

巨大な魔虎。

背丈だけでもフロムの倍以上はある。


睨み合い。

飛び掛かる。

フロムは魔虎の首筋に噛みつく。


だが魔虎は上半身を大きく振るとフロムを投げ飛ばす。

地面に転がるフロム。

起き上がる。

だが目の前には魔虎。

魔虎が上半身を持ち上げる。

巨大な前足。

一閃。

フロムの首から背に爪が食い込む。

さらに二メートルほど跳ね飛ばされた。


「フロム!」

ミリアが叫ぶ。


ミリアは荷台の最後尾に体を固定する。

補助レンズセット。

改造拳銃を構える。

照準、発砲。


ドォン!!


魔虎は素早く身をひねる。

無傷だ。

だがミリアの銃を警戒。

危険を察したようだった。


その隙にフロムが起き上がる。

ふらつく。

足取りが重い。

背中から赤い血が流れていた。


必死に走る。

よろめく。

転びそうになる。


「早く!」

リンが手を伸ばす。

フロムは力を振り絞った。

何とか荷台に飛び乗る。

そのまま横倒しになる。


「フロム!」

リン、ミリアが駆け寄る。

背中に深い傷。

白銀の毛は血でべったりと濡れていた。

息が荒い。


ヨウドが声を荒げる。

「よくも我が兵を!」

「犬! しっかりせい!」


ヨウドが最後尾に座り込む。

左手は動かない。

だが小銃を左脇に挟み込み体全体で支える。

馬車の横木に銃床を押し付けて固定。

そのまま銃口を魔虎の方に向け右手でグリップを握る。


魔虎が追いかけてくる。

馬車に迫る。


ヨウドは自動小銃の引き金を引く。


タタタッ タタタッ。

タタタッ タタタッ。


魔虎に向かって掃射。

飛びのく魔虎。

足が止まる。


「今である」


ヨウドは筒のような手榴弾を取り出した。

長さ二十センチくらい。

魔虎に向かって投げる。


ヨウドが叫んだ。

「識別名リン、鳥、犬、ほか二等兵ども」

「みんな眼を閉じるである」


閃光手榴弾。

スタングレネードともいう。

すさまじい光と音量。

辺り一帯に広がる。

魔物は動きをとめた。


戦闘終了。


逃げる。

馬車は廃村を離れる。

夜が明け始めた。


フロムは荷台で横たわる。

少しだけ目を開けると小声でつぶやいた。


「犬じゃないわよ」

「バカ人形」


小銃を抱えて座りこむヨウド。


「ふん!」

「まだ大丈夫そうである」

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