第49話 <フサール市脱出>
一行はフサール市に戻る。
遺跡では銃やら弾薬、そのほか金属製品をそれなりに入手することができた。
遺物はエース商会に買い取ってもらった。
そしてその翌日。
商会から使いが来た。
「領主より回答が得られました」
ミリアが飛び上がる。
「どうだった!?」
男は頷いた。
「確認できました」
「四年前に街を救った男は実在します」
ミリア。
「やっぱり!」
「私たちも証拠を掴んだのよ」
しかし男は続ける。
「ただし」
空気が変わった。
「領主から問い合わせが来ています」
「聞いてきたのはどういう人物なのか」
「何故その男を調べているのか」
リン達は顔を見合わせた。
クロウが即座に言う。
「警告」
フロム。
「同意」
ハンス。
「やっぱりか」
ミリア。
「何がよ」
ヨウド。
「高確率で監視下にあるのである」
「この国での活動は最小化すべきである」
リン。
「出発の準備をしましょう」
大急ぎで準備をする。
荷物をまとめ終えた頃、商会の支店長が慌ててやって来た。
「少々問題が発生しました」
「何だ?」
ハンスが聞く。
支店長は声を潜める。
「領主館から正式な出頭要請です」
沈黙。
クロウの瞳が光った。
「推奨しない」
「高危険度」
フロムも言う。
「同意」
「問い合わせ後の出頭令は異常」
ミリア。
「つまり?」
ヨウド。
「罠の可能性が高いのである」
ハンス。
「だろうな」
リンは頷いた。
「行くわけにはいかないわね」
支店長に礼を言い一行はすぐに出発する。
馬車を走らす。
フサール市の西門。
兵士の姿が見える。
妙に多い。
クロウ。
「警告」
「門閉鎖の可能性」
「急げ」
ハンスが馬に鞭を入れる。
馬車が加速する。
通常の倍近い兵士が集まっている。
誰かを待ち構えるように。
「止まれ!」
兵士の声。
門が閉まり始める。
「飛ばすぞ!」
馬車は砂煙を上げる。
ギリギリ。
本当にギリギリ。
閉じる門を抜けた。
背後で重い音が響く。
ガン。
門が完全に閉じる。
ハンスが振り返る。
「危ねえ」
フロム。
「あと三秒で捕獲だったわ」
ミリア。
「計算したの?」
フロム
「もちろんよ」
クロウ。
「私は二秒だった」
フロム。
「計算能力不足」
クロウ。
「訂正を要求する」
ミリア
「そこ競うところ?」
ヨウド
「喧嘩はだめである」
「低機能な証拠である」
「二秒も三秒も誤差である」
「結論として危険だった」
クロウとフロムが睨む。
リンが思わず苦笑する。
馬車は駆ける。
一行は街を離れシユウ帝国方面へと街道を走る。
◇ ◇
その頃。
ハン王国のとある領主館。
一通の報告書が机に置かれていた。
『東方より来訪した三人組』
『黒い鳥』
『白い狼』
『四年前の剣士を調査中』
報告を受けた男は迷わず通信端末へ手を伸ばす。
「報告します」
「例の人物と思われる一団が現れました」
淡い光が端末を満たす。
画面いっぱいに機械的な文字列が流れた。
しばらくして表示が停止する。
【麒麟】
「報告を継続せよ」
同時刻。
シユウ帝国の某所。
麒麟。
「お前の仲間が来たらしい」
沈黙
ゼノンは何も答えない。
「分からないか」
「ならば教えてやろう」
「Unit-10だ」
ゼノンに反応はない。
麒麟は構わず続けた。
「歓迎しよう」




