第47話 <最後の兵士1>
端末につながった通信装置。
点滅する。
壊れていると思われていた。
だが、そこから微弱な信号が発信される。
クロウとフロムが顔を上げる。
瞳が青く点滅する。
「この奥にまだ施設がある」
一行は向かう。
武器庫。
銃、弾薬、その他の金属製品
「遺物ね。持って帰りましょう」
クロウ
「今は却下」
「より重要なタスクがある」
さらに奥へ。
施設最奥部へと来た。
フロム。
「施設内部に稼働物体を確認」
部屋の隅に人影。
リンとハンスの顔がこわばる。
剣に手をかける。
戦闘態勢。
じりじりと近寄る。
人のような物体の眼がかすかに光る。
ヒト型ロボット。
その横に操作盤。
クロムがリンの肩にとまる。
「識別名リン:操作を要求する」
「どうしたらいい?」
クロムの瞳が輝く。
AI+82 機能喪失
部分的可動を確認
残存機械兵一体確認
可動可能
Unit-09によるメンテナンス確認
Unit-10支援機として活用
マザー
了解
AI+82有効回線を使って必要データを送付する
クロウは数秒間沈黙。
そしてリンに向き合う。
「識別名リン:リンによる現時点での機械兵操作は許可されていない」
「アップデートを行う必要があるが適切な施設がない」
「緊急対策としてクロウの指示のもと実施する」
リンはクロウの指示に従って操作をする。
「なあクロウ、あの人形はさっき入口にあったヤツの壊れていないものか」
ハンスが聞く。
「そうよ、たぶん動くわ」
クロウに代わってフロムが答える。
数秒後、機械兵の瞳が輝き出した。
手足がゆっくりと動き出す。
骨組みだけのロボット。
しゃべりだした。
「AI+82第32機械兵連隊所属」
「戦術支援機」
「識別名ヨウド」
「起動」
「前回稼働より36524日経過」
「久方ぶりの稼働である」
「戦闘不能個体確認」
「戦域消失確認」
「唯一の稼働個体として任務を継続していた」
「指名によりこの後識別名リンの支援を行う」
骸骨のような頭がギギっと回って三人を見る。
「何だこいつは」
「骨組みだけの人形じゃねえのか…」
「支援を行うってことは」
「お前も一緒に来るってのか?」
ハンスは眼を白黒させる。
「何これ…」
「面白いけど連れて行けない」
「すぐに見つかっちゃう」
ミリアもさすがに引いている。
その間にもヨウドの瞳は点滅を繰り返した。
「データ共有完了」
「ふむ、識別名ハンス」
「特殊な現生人だな」
「識別名ミリア」
「接近は推奨されない」
「クロウのようにポンコツにされる」
「却下だ」
「不当な中傷!」
すぐさまクロウが叫ぶ。
ヨウドは首をくるりと一回転させる。
「では仮面を付けよう」
「それにこの軍服を着る」
「これで立派な連合国軍兵士だ」
中世の騎士のような鉄仮面を被った迷彩服の人。
ハンス
「そんな奴も見たことねえ」
AI+82の通信機の上に古びたローブがある。
「では、これを羽織ろう」
「かっこいいのである」
「確かにそれなら…まあ…」
「怪しさ満点だが、まあそんな奴」
「いないこともない」
クロウとフロムが言う。
「友軍だ」
「戦力にはなる」
「西行工程への同行を推奨する」
「またおかしなヤツが増えた」
ハンスがため息を漏らす。
一行は出口へと向かった。
ガシャガシャと音を鳴らしながらヨウドも付いてくる。
途中、武器庫の前を通る。
「戦略物資の補給が必要である」
ヨウドは武器庫へと入っていく。
「遺物を回収しなきゃ」
ミリアも続いた。
一行は基地の武器庫へと入った。




