第45話 <友軍基地>
街道を西北へ進む。
最初のうちは順調だった。
だが。
山岳地帯に入る。
山中で一泊。
翌朝、さらに山奥へと進む。
やがて目指す遺跡が近付いていた。
リンが馬車を止めた。
「どうした?」
ハンス。
リンは地面を見ていた。
大量の足跡。
しかも新しい。
「多い」
ハンスもしゃがむ。
「魔物だな」
さらに奥。
低いうなり声。
木々の間に巨大な影。
「魔熊だ」
ミリア。
「無理」
即答だった。
ハンス。
「珍しく正しい」
そこには十頭近い魔熊がいた。
普通なら誰も近付かない。
だから百年間手付かずだった。
クロウ。
「攻略を推奨」
ミリア。
「どっちなのよ」
フロム。
「地下構造物の存在確率が上昇」
「高確率で重要施設」
クロウが突然停止した。
瞳が青く点滅する。
短い通信。
マザーより要求
AI+82
STATUS CHECK REQUESTED
リンが見る。
「何か知っているのか」
沈黙。
数秒。
そして。
クロウが答えた。
「友軍基地だ」
ハンス。
「友軍?」
「それは何だ」
「情報を得られる可能性があるのか?」
だが、クロウはそれだけ言って黙る。
夕方。
魔熊を何とか突破した一行はついに遺跡へ到着した。
半ば崩れた巨大建造物。
木々に飲まれた石壁。
そしてその隙間から奥に続く地下への階段が見えた。
ミリアの目が輝く。
「これは当たりよ!」
「絶対に当たり!」
ハンスは頭を抱えた。
「お前の当たりは不安しかねえ」
石壁の間をかろうじて通り抜ける。
その先に地下へ続く階段が暗闇の中へ伸びていた。
湿った空気。
静寂。
崩落した通路。
やがて外からの光は届かなくなる。
リンはロウソクに火をつけた。
さらに奥へと進む。
だが進むにつれて違和感が増える。
石造建築ではない。
壁面に金属。
規則的な構造。
リンが呟く。
「これは……」
どこか知っている。
しかし思い出せない。
失われた記憶がざわつく。
さらに奥。
少し開けた空間に出た。
全員が立ち止まる。
そこには無数の残骸が転がっていた。
金属製の人型。
小型飛行機。
車輪型の機械。
砕かれている。
焼けている。
百年間放置されたとは思えないほど激しい破壊。
「何だこれ……」
ハンスが呟く。
クロウの瞳が青く光った。
「識別開始」
数秒。
「連合国機械兵」
沈黙。
「機械兵?」
ミリア。
「自律戦闘装置」
「敵との戦闘を目的として製造された」
ハンス。
「こんなものが百年前に?」
「敵との戦闘って…魔物か?」
クロウ。
「回答可能範囲外」
フロム。
「情報開示権限なし」
リンが眉をひそめた。
「二人は何を知っているの」
クロウ。
「現生人類への情報開示は許可されていない」
「しかるべき機能を持つ再生人類に対しては情報供与可能」
フロム。
「情報供与対象の開示も違反よ」
「飛行型、制御モジュールに修復の必要があるわ」
クロウは沈黙した。
さらに通路を奥へと進む。
巨大な隔壁に行き当たった。
有難うございます。第45話までで1000PVを突破することができました。
書き始めてから2か月。この後も頑張って進めていきます。




