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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編

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第43話 <英雄の足跡>

三人は手近な店で食料を買う。

店員にエース商会の場所を聞く。

どうやらこの街の中心街に店を構えている。

割と有名な店のようだった。


早速そこへ向かう。

エース商会フサール支店。

店に入る。

が、店員に止められた。


「すみません」

「その…」

「鳥と狼を連れてのご入店は遠慮頂けませんでしょうか」


「ちょっとお前ら待ってろ」

ハンスが小声で言う。


「突然で申し訳ありませんが少しご相談があって」

「支店長さんにお会いできませんでしょうか」

リンが紹介状を見せる。

面会をお願いする。


幸い支店長が在席しているという。

しばらくして支店長が降りてきた。


「ボロン会長のお知り合いですか」

「どうぞこちらへ」

店長が奥へ入るように言う。


リンがクロウとフロムの側に行く。

「大人しくさせるので彼らも連れて行かせてもらえません?」


店長はクロウとフロムを見る。

少し首をかしげるが、快諾した。

すぐに応接室に案内された。


支店長は笑顔で一行を迎え入れる。

「つい先日、ボロン会長から連絡が届きまして」

「話は聞いています」

「できる限りのお手伝いを致します」


三人はソファーに座る。

そしてクロウはリンの肩、フロムはテーブルの横に陣取る。


地図が広げられる。

現在地。

西方大陸の最東端にある半島。

ここを領土とするのがハン王国。


その半島の付け根から西側に広がるのがシユウ帝国。

その西は砂漠。

砂漠周辺には幾つか国があるというがあまり情報はない。

砂漠の先は全く不明。

シユウ帝国の北も南も森林地帯

その方面にも国があるというがよく分からない。


一緒に入ってきた商会の男が説明する。

「我々はシユウ帝国それにヤマシロ王国とはよくお付き合いしていますが」

「それ以上はあまりよく知りません」

「シユウ帝国に行けば周辺国家の情報はもっと手に入るでしょう」

「その先、西域の国々についても」


「そうそう」

「そういえば最近は何やら物騒でしてな」


「魔物ですか?」

リンが聞く。


男は頷く。

「魔物も」

「それに何やら軍も動いております」


「軍?」

「詳しくは分かりません」

「領主や王国の方々は何かを考えているようです」

商人らしく肩を竦めた。


そして別の資料を持ってくる。


「話は変わりますが」

「四年ほど前」

「この地方を救った剣士がいました」

ミリアの顔が上がる。


「剣士?」

「ええ」

「小規模ですが魔物の氾濫がありましてな」

「軍の到着が間に合わず大きな被害が出るところでした」

「ですがその剣士が一人で鎮めたそうです」


ミリアの鼓動が早くなる。

「その人どんなひと」

「今どこ!?」


男は首を振った。


「分かりません」

「ただ恐ろしく強い剣士であったと聞いています」

「たった一人で多くの魔物を退治し」

「その後は…」

「シユウ帝国方面へ向かったと聞いております」


ミリアが身を乗り出す。

「他には?」

「なんでもいいから教えて!」


男に代わって支店長。

「それについては我々も巷で言われている以上の情報を持っていないのです」


「鷹を連れた旅の剣士で」

「偶々この国を訪れた際に魔物の氾濫に遭遇して」

「その時は…」

「実はいろいろな事情があって軍の派遣が間に合わずこの街は危機に瀕したのです」

「ですが、その剣士がたった一人で大方の魔物を倒してくれました」

「そして、『旅を急ぐから』と、軍の到着も待たず領主にも合わず姿を消してしまったと聞いています」


ミリアが目を丸くする。

拳を握る。

「鷹を連れた剣士…」

「その人がいたのは本当なのよね?」


「あくまで伝聞ですが確かに存在したそうです」

「複数の証言があります」

「少し変わった黒い剣を持ち恐ろしく強い剣士だったと」

支店長は頷いた。


「やっぱり……」

「先生だ」

「西へ向かったのね」


リンも思う。

四年前にいたというミリアの恩人。

彼も魔物をなくすと言っていた。


彼の名前はゼノン。

交易都市で聞いた。

何を知っていたのか。

リンたちと同じ方向を目指していたのか。

宰相の言葉に信用を置けない今、リンたちが持つ小さな手がかりだった。


リンは地図を見る。

ハン王国。

シユウ帝国。

そのさらに西。

ゼノンもその方向へ向かった?

偶然とは思えなかった。

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