↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崩壊世界の再生人類  作者: Beta
目覚め

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/56

第23話 <学術院>

職員に案内され研究棟へ向かう。


本。

巻物。

展示物。

石板。

遺物。


資料室だった。


ミリアの目が輝く。

「天国だ」


かじりついて離れない。

職員を捕まえて質問攻め。

いつまでたっても終わらない。


「地獄だ」

ハンスが訂正した。


多様な遺物が並ぶ。

リンとハンスはミリアについて資料室を巡る。


その時だった。

突然、ミリアが足を止める。


ガラスケース。

その中にあったのは。

 

白いナイフ。

折れていた。


だが。

見間違えるはずがない。


「これ!」

「どこで見つかったの!?」


勢いよく職員へ詰め寄る。


職員が少し後ずさる。


「え?」

「これは古い遺跡から」

「非常に丈夫な材質で」

「我々も正体は分かっていません」


リンも近付く。


ガラスケースの横。

古びた説明文。

リンがそれを見た。


少しだけ黙る。

そして。


「220式 多用途銃剣」


クロウが一瞬だけ顔を上げた。

青い眼が小さく光る。だが何も言わない。


職員が固まった。


「読めるんですか!」

「他は?」


リンは資料を見続ける。


「固定方法……」

「アタッチメント……」

「……軍仕様……」

「標準装備品……」


部屋が静かになった。

職員が目を丸くする。


「我々は十年以上研究して」

「ようやく220式という部分だけ解読できたんです」


「どこにも行かないで下さい!」


職員は走り出した。


数分後。

古びた紙束を抱えて戻ってくる。


「これも読めますか?」


リンは紙束を受け取る。

 

古い紙。

見たことのない文字。

だが。

なぜか読めた。


「地球温暖化対策」

研究員たちが振り返る。


「森林域の拡大による環境保全」


さらに読む。


「森は多様な生物の生息地であり…」

「人々のレクリエーションの場としても重要である」

「森林保護のみならず」

「積極的な植生回復を行う」


部屋が静まり返る。


「あり得ない…」

研究員が呟いた。


「森を増やす?」

別の研究員。


「魔物はどうする」

「レクリエーション?」

「森で?」

いつの間にか研究員が集まってきていた


リンは紙束を閉じた。


「国の政策書だと思う」

「森を増やすべきだと書いてある」


ざわめく研究員たち。

誰もそんな世界を知らない。

森は魔物の巣だった。


「あなたはいったい――」


職員が歩み寄ろうとする。


その時。

その声を遮るように。

別の声が響いた。


「その答えを」

「私も知りたいですね」


全員が振り返る。


資料室の入口。

そこに一人の男が立っていた。


灰色の髪。

穏やかな表情。

学者然とした細身の男。


だが。


その目だけが鋭い。


王立学術院。

文化言語学研究室。

ニトロ・グリセリン。

室長だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。