第14話 <発掘組合>
翌日。リンとハンスは再度、発掘組合に行く。
今度は組合長がいた。
ハンスを見る。
「生きてたか」
「死にかけた」
「いつものことだ」
組合長が笑う。
「その隣は?」
「変な姉ちゃん」
「お前もだ」
「うるせえ、知ってるての」
「で、今日は何の用だ」
「おっさん、この辺りで一番物知りだろ」
「遺物とか遺跡とか魔物のこと」
「この姉ちゃんがらみでね、いろいろと少し聞きたいんだよ」
「こんな仕事をしているからな、多少の情報は集まってくる」
「昔、俺の体のことも相談させてもらったこと、あったよな」
「でもお前の体のことは分からん」
「なんだ、またおかしなことが起きたのか?」
「それとも…、この女性は……お前に似つかわしくないが…」
「まさか、身を固めるのか?」
「違うわっ」
「言ったろ、今日は俺の用じゃねえ」
組合長の視線がリンへ向く。
「じゃあ、今日の案件はお嬢さんか」
「さて君は? ハンスの知り合いか?」
「彼とはこの前知り合った」
「探しているものがある」
「いきなり探し物か」
「ワシに分かるものかな」
「組合長、頼むよ」
「俺の命の恩人なんだ」
「命の恩人もなにも、お前は死なないだろ」
じろりとハンスを見る組合長。
「まあいい、ハンスの紹介ということで、分かることは答えよう」
「何を知りたい」
リンは答える。
「鍵」「戻る」
沈黙。
組合長の動きが止まる。
「……おとぎ話か」
そう言いながら、
奥へ消える。
しばらくして。
一冊の本を抱えて戻ってきた。
古い。
ページのほとんどが失われている。
「遺跡から出たもんだ」
「何かの古い記録かもしれんが、何を書いているか読めないが」
「中の挿絵からすると魔物との戦い方を記載したもののようだ」
「もちろん、今の我々にできることじゃない」
リンが表紙を見る。
「魔人に対する対処要領」
組合長。
ハンス。
二人とも固まった。
組合長が目を見開いていう。
「お前読めるのか!?」
リンはそっとページをめくり、読み続ける。
「銃」
「できれば散弾銃」
「頭部損壊を確認する」
「体液接触を避ける」
「魔人化した人物の回復は不可
そこで止まる。
「これ以上は状態が悪く読めない」
静かになった。
組合長だけが口を開く。
「……王都へ行け」
短く言う。
「そこに学術院がある」
「古代文字を研究している連中がいる」
「室長を紹介してやろう」
紙を出す。
「そいつに会え」
「この先のことは、その方が早い」
リンとハンスは組合を出る。もう昼だった。
そして、建物の壁際。
ミリアがいる。
壁にもたれて。
当然のように待っていた。




