第13話 <ミリア2>
「それ」
「どこで付けたの?」
リンは少し首を傾げた。
「何をだ」
さらにミリアの視線は、
刻印とクロウを行き来していた。
「どこで見つけたの?」
「何をだ」
「その鳥」
クロウが固まる。
「見たことがある」
ミリアは言った。
「昔、顔に同じような線がある人がいた」
リンとハンスの視線が向く。
「その人も、変な鳥を連れてた」
クロウが黙る。
ミリアは続ける。
「私らとは違った」
「魔物よりも速く動く」
「魔犬に囲まれても死なない」
「おまけに遺物にも妙に詳しかった」
「変なヤツだった」
「変わり者だった」
ハンスが聞く。
「どこで会ったんだ」
「昔、この近くの森で」
即答だった。
「どこかの発掘現場」
「名前は・・・」
ミリアは腰のポーチを探る。
ごそごそと。
やがて一本のナイフを取り出した。
白い。
それだけで異様だった。
金属ではない。
石にも見えない。
「これ」
「その人にもらった」
リンの目が止まる。
「見てよ」
ミリアが差し出す。
「変なんだ」
「切れるのに錆びない」
「曲がらない」
「割れない」
リンは手に取った。
軽い。
異常なほど。
「……なるほど、セラミックだな」
ミリアの目が見開く。
「知ってるの!?」
「何で出来てる!? セラミックて何?」
ハンスも手に取ってまじまじと見る。
「なんだこれ!?」
「遺物じゃないのか!?」
「多分違う」
ミリアが言う。
「こんなの見たことない」
「遺物ならもっと劣化している」
ハンスはナイフをミリアに返した。
「そうか」
「そうかじゃない!」
「どういうこと!?」
「誰なのこのナイフの人!」
「知らん」
「知らないのに知ってるの!?」
ハンスが頭を抱える。
「もうやめろ」
「頭痛がしてきた」
ミリアはまだ諦めない。
「ねえ」
「この鳥は?」
「知らん」
「その線は?」
「知らん」
「その人と親戚?」
「知らん」
「何を知ってるの!?」
「セラミックだ」
「そこだけ?!」




