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崩壊世界の再生人類  作者: Beta
大陸編「大都への道」

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第96話 <合流>

有難うございます。

お陰様で10/23空想科学連載中で8位

初めて一桁に入りました。ランク外が続いたのでものすごくうれしいです。

あらためて頑張ります!

巨大な城壁。

高くそびえる門。

フロムらもようやく大都にたどり着いた。


そして。

大都の入り口には長い列ができていた。

商人。

旅人。

傭兵。

様々な人々が順番を待っていた。


ミリアは列の最後尾から城壁を見上げた。


「大きいわねぇ……」


フロムも見上げる。

「やっと着いたわ」


森での襲撃から数日。

何とかここまで辿り着いたのだ。


やがて二人の番が来た。

役人が書類を眺める。

「身分証は?」


ミリアの動きが止まった。

「えっと……」


ない。

正確には森で失くした。


役人の目が細くなる。

「ないのか?」


ミリアは慌ててバッグを漁った。

そして一枚の紙を取り出す。

「こ、これ!」


テンの街で発行された入国証だった。


「魔物に襲われて仲間とはぐれちゃったんです!」

「エース商会へ行く途中なんです!」


役人は紙を見る。

少し考える。

「ふむ」

「正式なものだ」

「まあいいだろ」


さらにフロムを見る。

大きな犬。

普通の犬ではない。

魔獣と言ってもおかしくない。


「その犬は大丈夫なのか?」

「暴れたりしないのか」


ミリアは固まった。

フロムも固まった。


まずい。

非常にまずい。


ミリアは笑顔を作った。


「だ、大丈夫です!」

「とっても賢いんですよ!」

「言うこともよく聞くし」


役人は腕を組む。

「ほう」


「ほら!」

「見ていて」


ミリアはフロムを見る。

眼で訴えかける。

(お願い!)


「フロム」

「お座り!」


フロムは眉をひそめる。

「……」


小声で言う。

「フロム。お願い!」

「……」

「お願いよ」


「お座り」

「お手!」


長い沈黙。


そして…。

フロムはゆっくり座った。

まるで生涯で最も屈辱的な出来事を味わったような顔で。

さらに右前足をミリアの方に差し出す。


ただし…。

その目が睨んでいる。

森での戦闘の時よりはるかに厳しい。


「おおおっ」


役人が感心する。

「本当に賢いな」


ミリアは満面の笑みを作った。

「でしょ?」


フロムは視線を外す。

だがその眼は遠く、夕日が染める赤い地平線を見つめていた。


ようやく無事、街へ入る。

石畳の道。

行き交う人々。

屋台。

露店。

巨大な建物。


ミリアはきょろきょろ見回した。

立ち尽くす。

「で、どっちに行ったらいいんだろう」

「知らないっ」


フロムの機嫌は悪かった。

まだ入街の時のやり取りを根に持っているようだ。

だが時折その目を青く点滅させていた。


しばらく街を歩く。

そして。

上空から羽音。

パサパサッ!

黒い影が降下した。


「クロウ!」

ミリアが叫ぶ。


クロウは近くの看板に着地した。


「ようやく着いたか」

「地上移動型」

「随分、ゆっくりと旅行をしてきたな」


「何ですって!?」

フロムが即座に反応する。


「そっちこそポンコツ鳥じゃない!」

「いい加減、制御モジュールを交換したら?」

「却下だ」


クロウは即答した。

「現状でも十分高性能だ」

「むしろ問題なのは地上移動型の方だ」

「移動速度が著しく低い」


フロムの目が赤く点滅した。

怒っている。

かなり怒っている。

だがクロウは気にしない。


「今は地上移動型の発言を暖かく聞いておいてやる」

「口論より合流が優先だ」

「付いてこい」


やがて一軒の宿の前でクロウが止まった。


「ここだ」


ミリアの心臓が高鳴る。

いるのだろうか。

本当に。

無事なのだろうか。


クロウが嘴で扉をつつく。


コココッコンコン。


中から足音。

扉が開く。

そして。


「ミリア!」


リンだった。

ミリアの目が大きく開く。


「リン!」


次の瞬間。

二人は抱き合っていた。


「無事だったのね!」

「ミリアこそ!」

「心配したんだから!」


言葉が溢れる。

抱きしめたまま離れない。

森で別れた時。

もう会えないかもしれないと思った。

だからこそ。

今ここにいることが嬉しかった。


だが。

リンの表情が少し曇る。

ミリアも気付く。


「ハンスは?」

ミリアは静かに尋ねた。


リンは俯いた。

笑顔が消える。

そして小さく答える。


「まだ……」

「見つかってないの」

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