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全てを超えた存在 〜彼は何を見るのか〜  作者: チカフジアース
1つ目の世界 イトレーク

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過去の記憶1

ダイト事ダイチの夢で見た光景の話、もう1人のメインキャラにして名前が出なかったダイチの命の恩人であり親友の男も名前を出して登場!


そしてメイともう1人の過去を描いてますのでぜひ楽しんでください


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



         メイ(子供の頃)視点


私は生まれた時から・・・名前がない。父の顔は黒かかっている様に見える。母は知らない、会ったことがないから


私は誰なのかわからない、分かるのは年が7歳だということだけ・・・そして私は父の『奴隷』だった


「おい!ガキ!とろとろしてないでさっさと飯作れや!」

「・・はい」

「ちっ!何のためにお前が生まれたと思ってんだ!」

(ガシ!ドゴっ!)

「ん!」(バタン!)


頭を掴まれ殴られる、いつもの事・・・父に虐待され母は何処に行ってしまったか分からない


全てが分からなくなっていた・・・父は殴り終わった私を外に放り出し「見たくもない顔を見せるな!」と言い扉を閉めた


「・・・寒い」


ここは氷の世界、全てが凍った場所となっている世界。暖をとらなければ死んでしまう様な世界・・・そんな過酷な世界で私は薄着一枚で外にいた


最初はこの寒さもきつかったけれど、少しなれた・・・これが私が4歳から7歳になるまでの毎日だ


そんなある日少し変化が起きた


父が知らない男の人と仲良く家に入って行った、そしてその男が連れてきた女の子は私と一緒に外に放置された


「寒いね」

「・・そうだね」


喋ると自分の体力も減っていくから最低限喋るようにしていたが、相手側がずっと語りかけてきた


「名前は?」 「・・ない」

「一緒だ」「・・そうなんだ」

「お腹すいたね」「・・そんなに」

「傷・・大丈夫?」「・・うん」

「あの人は、お父さん?」 「・・そう」

「同じだね、私もそう」「・・そう」


申し訳ないとは思わなかった、生きる為だから


それでも隣にいる子は話を続けた。どうでもいい事も、今流行りらしい?ことも、自分はこんな事をされた事も


喋るたびに隣の子は笑顔になっていく、変な子・・・だから私は気になった


「・・何で話しかけてくるの?」


私は聞いてみた、どうして話しかけるのかを


「・・あっ!ごめんね、嫌だった?」

「嫌だったら私は話しかけない」

「そうか、私はね喋る相手がいなかったからさ。ようやく話せたから嬉しくて」

「・・ふーん」


喋る事が何で楽しいか分からない、楽しいと言う感情を知らないから


悩んだ顔をしているとその子は少し笑い下を向いた


「でも、もう私も限界かもしれない」

「・・え?」


悩んでいる時に突然の限界と聞き、頭が回らなかった。私はその子にこう答えるしかなかった


「どうして?」


一瞬驚いた顔した後その子は笑いながら答えてくれた


「単純に寒さに耐えれないからだよ。私も何とか耐えてきたけどここ最近気温が異常に低くなってきてるから」


確かにここ最近気温が下がる一方だ、私は何のために生きているかも分からないのに生きていたいとも思う


多分これが本能なのかも知れない・・・だけれど、この子が限界と言った途端に私は知らないものが流れ込んでいた


『これは一体?』分からないけれど私はこの感情に従おうと思う


私はその子に・・・抱きついた


「・・え?」

「こうすれば・・寒くないよ」


今できる私の精一杯だ・・そして私は


「私は何処にいても変わらない・・だけど今日あなたと出会って私は知らない物が私の中に流れてきた」

「・・それは多分感情だと思う、前に父がお酒を飲みながら知らない男の人と喋ってた・・バカにはしていたけれど」


私の中に流れてきた物がわかった・・これが『感情』なんだ


少し・・・ほんの少しだけど・・・嬉しかった


「・・あ!」

「・・え?」

「今、笑ってるよ」


笑ってる?私が?・・・初めて笑ったかもしれない


それから何日かおきに私とその子と会えた、父とその子の父は意気投合して何度か会いにきたが私達を外に出す


それでも私はその子と喋れるだけで嬉しくなっていた


会うたびに笑顔が増えていく


その子も心境を聞いて喜んでくれた・・・そんな暮らしも壊される日が来た


その日は一番寒い日だった、その子と抱き合って暖め合いをしていたら父が部屋から出てきて


「お前ら入れ!」


そう父が言い入った、この日はお客さんがいっぱい来ていた


「この子達がそうです、領主様」

「うむぅ、確かに若いであるなぁ」


その中にいた1人を見て父が言った言葉で驚いた、この町の領主であるクリム・ハミンが目の前にいる。小太りでいろんな装飾品をつけている


「1人が私がこっちで、そしてもう1人が此奴だな?」

「は、はい!その通りです」

「うむ・・では早速連れていくぞ」

「「ええ!どうぞ!」」

「兵士ども連れてゆけ」

「「はっ!」」


私とその子は何が何だか分からなかった、けれどこのまま連れて行かれたら私とその子が離れ離れになる気がした・・・私はその子を連れて逃げた、初めて父に反抗したと思う



・・・どのくらい逃げたか分からない、喋る事で体力を使うと言っていた私がこんなに必死になってるのが不思議になっていた


「ごめんなさい、勝手な事をして」


柱近くに座り込みこんな状況になってしまった事を謝る・・・余計な事をしたと思う、私は・・


「ありがとう」

「・・え?」


勝手な事をしたのに何で?その子は笑いながら抱きしめた


「そんなに気にしないで、私はあんな人よりあなたと一緒にいたいと思ったから気にしないで」


私は泣きながら抱き返した、多分ここで2人とも凍死するんだろうと思う。私達は覚悟を決めた・・


「この世界寒いなぁ」

「だね、スキル使う?」


声が聞こえた・・多分幻聴だと思う、こんな寒い中人がいるなんて私達くらいだからありえない


「いや、この寒さも楽しむ」

「なんだそれ(笑)」

「 ハハハ・・・あれ?あそこに」

「ん?なんだあの2人、こんな寒いところで温め合ってる」


幻聴がまだ聞こえながら、私達は気絶した



ダイチ視点


こんな極寒の中薄着でいる娘っ子がいる・・見るからに訳ありの様だ


「大丈夫か?」


目を開けない・・気絶してるな・・うーんどうしよう


「ダイチ、どうする?」

「悩んでる・・リュウトはどうしたい?」


こいつは"リュウト,,俺の親友にしてライバルにして家族だ・・こいつがいなかったら俺は間違った方に進んでいたと思う


そして『俺より強い』


「そうだなぁ・・放ってはおけないから助けるか」

「相変わらず即決だな」

「とか何とか言ってお前もそう決めてたんだろ?」


リュウトは俺の事をよくわかってやがるよ・・そしていつも俺を押してくれる


「じゃあ、助けるか」

「おう、取り敢えずは俺たちが借りた宿屋行って休ませよう」

「だな・・よっと!・・・軽いな」

「あぁこの子も軽い・・ここの町・・いやこの世界すら奴隷制度はなかったはずだよな」

「うん・・やばい、ブチギレそうだ」

「me too」

「何で英語なんだよ笑」

「こんな事を言わないと本当に暴れそうだから笑」


確かにそうだなと思い、俺たちは宿屋に帰った・・リュウトもそうだったがこの子達の出会いは俺の心が良くなる方導くとも知らなずに


俺たちは宿屋の部屋に入りベットに寝かせた


「温かい物でも作るか」

「腹減ったなぁ」

「いやお前、1時間前に食ったろ!」

「いやん♡ダイチの飯は最高なんだからいいじゃない!」

「オカマになるなアホ・・たく、待ってな」

「ダイチはほんと優しいのな、ありがとう」

「親友の頼みには弱いんだ・・ただ無茶振りはやめてくれよ」

「善処する」


リュウトはにかっ!と笑い机に座った、ふざけているが優しい奴なんだよなぁと思い俺は料理を始め大体の料理ができあがった時に


「んぅ」


1人起きた、俺が抱えた子だった・・リュウトが抱えた子はまだ寝ている


「起きたか?」

「っ!?」


俺が声を掛けると隣でまだ寝ている子に抱きつき始めた、その子を守る様に


リュウトも気づき顔を見る


「お、起きたか?」

「・・なぁリュウト」

「ん?」

「俺って怖い顔してる?」

「いや全く、てかお前は顔が整っているんだから自信持った方がいいぞ?」


俺は思った・・『お前の方が整ってるだろう!』と、話が長くなりそうだから「ありがとな」と言ってこの話題を終わらせた


「こんな寒い中何であそこにいたんだ?」

「・・・」


無言で俺を見ているが睨む訳ではなく何で私達を助けたの?と言った様に見えた・・仕方ないので"神の目"を使った


そして俺は、この子の記憶を見た


「どうだった?」

「・・・今渡す」


"記憶移し(メモリアルトレース)"


そして俺とリュウトは怒りが込み上げた、お互いポーカーフェイス状態だが抑えるのがやっとだ・・・こんな幼い子が3年以上も虐待されて来たのだから


俺とリュウトはどうにかなりそうになっていた・・その時にもう1人が起きた


「うんん〜、ん?ここは」

「・・大丈夫?」

「うん大丈夫だよ」

「ここは俺たちが借りてる宿だ」

「っ!・・あなた方は?」

「しがない旅人だよ」


記憶だと今起きた子は良く喋る娘で最初に起きた子は無口な娘なのはわかった、そして俺は"神の目"をもう一度使い今起きた子の記憶を見た


またリュウトに "記憶移し(メモリアルトレース)"をしてやった、この子もまた同じ様な事をされて来た様だ


俺は切り替えてこの子達を癒さないとまずいなと思い


「取り敢えず起きたなら温かい物でも食べてから話をしよう」

「・・え?」

「えっ?!」

「ん?どうした」

「?」


この場に2つの『?』が生まれた



          リュウト視点


ここは魔力がない世界の様だ、世界によっては自身が持つ魔力を使うのが一般だったり周り漂う魔力を使うのが常識の世界もある


ここは良くあるファンタジー世界の様だが魔力がない極寒の世界だ・・俺は頭が悪いからどういった形で世界が回っているのか分からないが何かを買うなどする際はお金より物々交換が主流らしい


そしてこの子達2人と何かしらを交換しようとしたんだろうな


取り敢えずダイチが飯にすると2人に言ったから俺も飯にありつこうと思う・・さっき食べたがまだ食べたい


「・・え?」

「えっ?!」

「ん?どうした」

「?」


突然2人が驚いた声を上げたのでダイチと俺はすぐさま振り向き顔を見た、顔を見る限りおそらくだが「何でご飯をくれるの?」と言うことを言いたいんだと思う


「・・何が目的なんですか?」


ダイチが抱き上げて来た娘が言い出した。警戒しすぎだと思うけどなぁとは思うけど、俺は聞こえない様にヒソヒソと話した


「ダイチ」

「うん、多分警戒されてるな」

「食べてくれると思うか?」

「・・まずは料理を並べてみる」


そしてダイチは料理を並べ「冷めちまうから早く食べな」と言って俺たちは席に座った、けれど娘達はお互いを守り合う様に抱き合っている


「食べないのか?」

「こんなにうまいのに勿体無いぞぉ」


こうは言ったが食べなかった・・2人は俺たちをじっと見ている、そしてどっちか分からなかったが


((グゥゥゥ))

「「ん?」」

「「っ!」」


腹の鳴る音がした、2人とも焦ってるから多分両方とも鳴ったな。そして2人は少し顔を赤くしながら下を向いた・・何だ可愛い所もあるじゃないか


俺たちは顔を見合わせ笑って「腹減ってるなら食べな」と言ってやった・・・けれど2人は食べなかった


俺たちは諦めて飯を食い終わった後寝ることにした


明日に持ち越そうと話し合い寝ようしたらダイチが2人にバレずスキルを使っていた


"印の付かれた者(ヒッティングポイント)"


ダイチが使ったのは弓術の使い手が良く使うスキルだ、印を付けた獲物をマップで確認して射抜くための能力。ダイチは多分どこかに行ってもわかる様にしたんだろう


俺もバレない様に守りを固めようか・・"龍神の衣(エンシェントイージス)"


これがあれば大抵の攻撃を防げる


「ありがとなリュウト」

「全然いいよぉ〜、俺も心配だからな」


ダイチは礼を言って来たが当たり前の事だ、『俺より強く』敵の前では堂々としてるのに俺の前だといつも腰が低い気がする、俺の前でももっと堂々としてろよと思う


「俺はお前の前では安心するからだろうな」

「心を読むな・・まぁお前が笑っているなら俺は何でもいい」


俺はお前が笑っているところを見るのが好きなんだ・・俺も楽しいし嬉しいからな、そして俺たちは寝た



取り敢えず出会いを書きましたがこれから今後ともメインヒロインのメイともう1人の子そしてダイチとリュウトをよろしくお願いします

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