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全てを超えた存在 〜彼は何を見るのか〜  作者: チカフジアース
1つ目の世界 イトレーク

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キバナ視点 -蛇退治の前に-


お姉ちゃんは、少し元気がないみたいだ


レッドデビルサーペントの討伐で今湖に向かっているからその道中魔物が襲ってくるはず・・・集中できない


どうしていいかわからない


私は生まれた時から奴隷の身分だったから家族の何かはわからない、お姉ちゃんは血の繋がりがなくても私を妹と言ってくれた


その時の嬉しかった気持ちくらいしかわからない・・・どうしたらいいんだろう


「そんなに焦るなキバナ」

「え?」


振り向くとご主人様が私の隣に来ていた。今の編成はセインさんが先頭をして真ん中にハロンさんとハルティナさんとお姉ちゃん、そして殿は私だ


ご主人様とメイお姉ちゃんは私よりも後ろだけど、私達の修行のために目でやっと見えるくらいにいたはず


「ご主人様どうして?」

「お前が悩んでいたからな」


ご主人様にはバレていた、でもちょうどいいかもしれない


「ご主人様・・・実は」

「ネモフィに話しかけづらいのか?」

「・・・はい」


やっぱり気づかれていた


「俺はそこまで気にしなくていいと思うぞ」

「え?」

「お前たちは血が繋がってなくても姉妹だ、そこは誰が何と言おうと変わらない」


ご主人様は私にそう言ってはくれたけど・・・


私が励ませることができるのか?


ご主人様は呆れて顔をして


「ハァー、やれやれ。なら少し昔の話をしようか」

「ご主人様の話ですか?」

「あぁ、まぁ面白い話ではないけどな」


あまり昔の話をしないご主人様が私に・・・これは聞かないと一生後悔すると感じた


私はご主人様の顔をじっと見た、ご主人様は苦笑いしていたが話し始めてくれた


「俺にはかけがえのない親友がいる」

「ご主人様の親友ですか!?」

「あぁ、そいつはいつも俺と一緒にいてくれた・・・今はアイツもどこにいるか分からないがな」


親友・・・確かに近しい人なのかもしれないけど、今私は・・・


「兄弟でもないのに何でそんな話をと言う顔だな」

「あっ!・・・申し訳ございません」


本当に私はダメダメだ、近しい人なら家族と言ってもいいのに


私とお姉ちゃんみたいに・・・ご主人様は笑いながら「気にするな」と言い話し始めてくれた


「ソイツにも家族がいる、当たり前だがな。だけど俺のせいで俺の家族もソイツの家族も全員死んだ」

「・・・え!?」


ご主人様の悲しい顔は見たことがない、後ろから追いついてきたメイお姉ちゃんも悲しい顔をしてる


私がもし全部失ったら・・・耐えることはできない


どうして私は自分の事しか考えられないのかな、ご主人様は・・・私以上に辛い思いをして忘れたいはずの事を話しているのに


ご主人様の奴隷失格だ


(ナデナデ)

「ふにゃぁ!」


私の顔を見てご主人様はにこりと笑った後撫でてくれた、多分考えていることがわかるんだ


「俺はな・・・今でもアイツに恨まれてもしょうがないと思っている

「そんな事はないと思います!」

「ありがとな、だけどこの事は曲げるわけにはいかない。俺のせいなんだから」

「・・・」


その出来事は自分の所為だとはっきり言った、私は何も言えなかった


「だけどな、アイツは本当にいいやつなんだよ。俺のせいなのに『お前が何で謝るだ?・・・お前も俺と同じ被害者なのに謝るな!もしお前がまだそんな事を言ったら殴るからな?。俺はお前の親友やめねぇよ、絶対にな!』て笑いながら言ったんだ」

「・・・すごい人ですね」


私は泣きそうになっていた、私よりも辛い思いをしているのにそれを支えてくれる家族以上の親友・・・


それなのに私は・・・


「キバナ、お前が悩むのは分かる。だけどそれはお前の所為ではない・・・」

「私は、悩みすぎていたのですか?」

「そうだ、お前は悩みすぎなんだ」


お姉ちゃんは私に


『あなたがいるだけで、あなたが私にお姉ちゃんと言ってくれるだけで本当に助けられているんだよ』


と言ってくれた事を思い出した


「お前は今は1人じゃない、どうしたらいいか何て1人で考えるな・・・だろう?ネモフィ?」

「えっ!?」


お姉ちゃんの方を見たら、お姉ちゃんが私の方を見ていた


それだけではなくセインさんやハロンさん、ハルティナさんも私を見ていた


そう言えばご主人様が過去の話をしてくれた時から歩くのをやめていた


私は少し怖くなって・・・


 (ギュ!)

「・・・えっ?」


何をされたかわからないが、匂いで考えが追いついてきた


お姉ちゃんが私を抱きしめてくれたんだ


「お姉ちゃん?」

「ごめんね、私が不甲斐ないばかりにキバナにいっぱい悩ませてしまって」


お姉ちゃんが謝ることなんてない、でも声が出なかった


「ネモフィ!それは違う」

「え?」


強めの声でご主人様が言った


「お前だって謝る必要なんて無いんだよ!誰だって間違いはある。お前が今キバナに言うのは1つだけだ」


メイさん以外がここから何を言えばいいか分からなかった、一体何を言えと?・・・お姉ちゃんは答えに辿り着いた様だった、それは


「キバナ・・・いつも私のそばにいてくて『ありがとう』」


感謝の言葉だ、ご主人様も『そうだ』と言わんばかりに頭を縦に振った


私は涙が止まらない


「私もお姉ちゃんと一緒にいれて嬉しいよ・・・ありがとうお姉ちゃん」

「(グスン!)・・・キバナ〜!」


私とお姉ちゃんは一緒に泣いた


これからキツい戦いが待っているのにも関わらずに


ご主人様とメイお姉ちゃんは笑いながら見守っていた


セインさんはもらい泣きをして


ハロンさんとハルティナさんは私達を抱きしめてくれた


私の悩んでいた事は晴れていた、ご主人様には感謝しかありません


不甲斐ない奴隷ですがご主人様のお力になれる様に頑張ります!


まずは蛇退治です!



やはり感謝の言葉は大切にしよう、どんなことがあってもその人が自分のためにしてくれるなら感謝はする


自分もダイトの様にしっかりしないとなぁ


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