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洗脳
「あんなに怒ることないのに‥
鬼は冷たいね?」
夜月が不満気な表情をみせる。
いや、実際真面目に仕事している鬼たちの横で騒いでたら仕事の邪魔だし、怒られるのも仕方がないよね。
「まぁ、でもこうやって君と逢引き出来るから問題ないけどね。」
今度はニッコリ笑顔を見せる。
コロコロ表情が変わる夜月を見てると、正直惹かれれものはある。
「どうしたの?」
こちらの気持ちが伝わっているとは思えないけど、夜月がジーーと俺の目を見てくる。何だか本当に引き込まれそうになる瞳だ。
ゴン
いきなり頭を誰かに殴られる。
倒れる程ではないが、絶妙に調節された痛みである。涙を拭きながら殴ったきた相手を確認すると、そこにはセオリが立っていた。
「痛いだろ!
何も殴らなくても‥。」
セオリに抗議する。
「イチロー君、コイツに洗脳されそうになってたんだよ。
まぁ、コイツは洗脳する気はないんだけどね。ちょっとでも気を許したらダメだからね。」
セオリはそれだけを俺に伝えるとその場から消え去ってしまう。
「洗脳って‥」
痛む頭を触りつつ、夜月を警戒するのであった。




