ゲルマール地区の戦い
前日、治焔の家から出発した一行だったが、こんな悲劇が待ち受けていたとは・・・。
(新キャラも出ます。)
ってなわけで続きをお楽しみください。
電車を乗り継ぎ、グルーク地区からゲルマール地区まで移動した。駅周辺は比較穏やかで、内戦の跡など全くなかった。
「ここは、平和だなぁ。」
治焔が、わかりきっていることをいう。
「こういうときって緊張してるんだよ。」
翔雷がフォローをいれる。
「さて、目的地はもう少し北のほうですよ。準備はよろしいですか?」
中野が空気を落ち着かせる。
「まだだ、村長のほうに参戦できるよう許可求めてくる。てめぇら、そこでまってろ。」
「まだだったんですか? ほんとに呆れますね。」
治焔は、走って役所へいった。
5分くらいで戻ってきた。右手には許可書を持っていた。
「5時間後くらいに始まるらしい。武器をもう持ってたほうがいいだろう。」
治焔はそう言いながら雷撃剣をモニターから出した。
モニターとは、この世界での最新機器であり、自分の手に埋め込んであるICチップを自分の足につけている機械の前を通すことによりモニターが現れる。そのモニターには、
武器、マナ、防具の3つのボタンが表示され、その中のボタン操作で装備をそろえたり、自分の持ち物をチェックしたりできる。また、このモニター画面内に持ち物や装備を投げ込むことにより、モニター内で道具を管理する。
「その剣って、聖神師しか持てない武器ですよね。」
中野が驚きながら問う。
「一応な。だが、こんなものに本当は頼りたくないんだ。」
一同に“?(はてな)マーク”が浮かぶ。
そんなこんなで内戦が始まった。
「あっ。あの軍服は・・・。」
翔雷は驚きの表情を隠せなかった。
敵は、国家のなかでも最強の軍“GK”であったのだ。
こんな軍隊に対して抵抗しここまで生き残ってこれたのは奇跡というべきである。
その中でひときわ目立つ人が1人いた。
その男、いや、少年は、真っ白な学生服のようなものに、赤の十字架が背中に描かれていた。
「ちっ。きやがったか。」
治焔は舌打ちをする。
“今日は彼の様子がおかしい。” 翔雷はそう感じていた。
「うわぁー!!」
両軍が、一斉に動きだした。
前衛の剣騎士の剣がぶつかる音が響き始めるのと同時に、後衛の魔唱師の詠唱がはじまる。
これは、基本的な軍の動かし方でよく素人が、やるやり方である。
しかし、“GK”は中衛に銃騎士を持ってきている。ふつうは、後衛にまわすのだが。
紅色の血が戦場に散らばる。
“GK”の魔唱師の槍の詠唱攻撃が敵の剣騎士へ連続して当たる。
この、詠唱は“Heaven ‐ Lance”と呼ばれ、上1級 魔唱師でないと覚えられない詠唱術である。相当、鍛えられている。こんなに早く詠唱が終わるには相当な訓練を要するのだ。
「っじゃ。斬りかかっか!」
治焔が刀を鞘から取り出しながら叫ぶ。
その声に反応したのか、GKのリーダーのような人が治焔たちのほうに突っ込んできた。さっきのひときわ目立つ少年である。
「てめぇらは、市民の軍に混ざって暴れてこい。」
治焔はそう言ってその少年のほうに向かっていった。
「貴様だけは、許さん!」
少年はそう叫び。剣を治焔のほうへ向ける。
「お前が許すか許さないかなんて関係ない!俺はあんな奴とは違う。」
治焔は少年に抗議する。
周りは何の話だかわからない。
いよいよ、剣がぶつかり合う接近戦となった。
「この、残酷龍の息子が!」
「ふんっ、おまえ聖騎士の霧隠 燐だろ。」
「なぜ知っている。」
「独自に調べたんだよ。おまえ、聖神師目指してるんだってな。
何が目的だ。」
「僕は、残酷龍をぶん殴ってやりたかった。この手で。それにはまず、強くなんなきゃ。
聖神師にならなきゃいけなかったんだ。」
「燐!!」
燐はその声の大きさにびっくりして鳥肌を立てた。
「おまえ、俺の兄弟なんだよな。母さんが死んだときおなかの中にいた。でも、生まれる前に死んじまっ たから強制的におなかから出された。一様生まれたが育ててもらえなかったから、俺たちの母方の祖母 (ババア)に育ててもらった。だから名字が”霧隠”なんだよな。」
「貴様、どこまで調べてんだよ。」
「俺は、お前と同じなんだよ。残酷龍は許せねぇ。でもな、憎しみは憎しみしか産まないぜ。」
「何だと。こざかしい。」
「いいか、よく聞け。この内戦はレオスの意思じゃねぇ。」
「きれいごとばっか、言うんじゃねぇ!」
燐は、剣で治焔の剣をはじいた後、右肩へ刺した。
紅色の血が剣を伝って地へ落ちる。
「嘘なんかじゃねぇ。お前もよくわかってるはずだ。」
「貴様、何を言っている。きれい事は通じないといっているだろ!!」
燐が剣を押し込んでくる。
「だったら、デュエルで決着をつけようじゃねぇか。」
「ふんっ。いいだろう。次は、ナクラギサシティで戦争をおこす。そこに来い。」
「俺が勝ったら、お前を、うちのギルドにいれる。負けたら、聖神師の称号をやるよ。」
「取引は、これにて終了だ。」
燐は、剣を治焔の肩から抜き、さやにおさめた。
「退け~。ここでの内戦はこれにて終了だ。」
軍がいっせいに退く。
「お兄ちゃん。何があったの?」
「さわんな!!」
治焔がいう。
「ごめん。ちょっと、放心状態で。」
あわてて、言い訳をいう。
「まぁ、いいんだけど。 ほら、怪我の治療しなきゃ。いったん帰んなきゃ。」
翔雷が気遣う。
「手当て終わったら、ナクラギサシティにいくぞ。」
次の目的地を治焔がいう。
「何か、あるんですか?」
中野が、話にはいってくる。
「燐ってやつと、デュエルすることになった。」
と、治焔。
「あーぁ。もう、あなたにはついていけませんねぇ。」
中野は呆れている。
「じゃぁ、いくぞ。てか、帰るぞ。」
治焔が立ち上がる。
しかし、思っていたより刀は奥まで刺さっていたらしく、その場に倒れ、気を失ってしまった。
「仕方ないですね。」
中野が、治焔を肩に担いで連れて行く・・・。
まだ途中なので、御了承ください。




