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スキル【ダンジョンショップ】で一獲千金! 〜地獄の沙汰も金次第で元の世界への帰還を目指す〜  作者: 瞬間移動


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第39話 成果はないけどうなぎがうまい


今日はコウモリの居ない階層まで行くと目標をたてて全員LEDランプを装備して出発したものの。


「見事にコウモリしか居ないねー。」


フィアさんがげんなりするのも無理はない。

なんとここはもう第7階層なのだ。

全10階層中の7階層まで来てまだコウモリしかいないってこのダンジョン本気でハズレじゃないか?


いくら魔物と戦わずに済んでいるとは言っても4〜7階層まで一気に踏破するとなるとやはり時間もかかった。

ダンジョンマップは白地図だから見てみないとわからないこともあるので一応色んな部屋を見て回ってきたのだ。

そして何も無かったっていうね…。



「あのー、今日はもう引き上げてまた明日にしませんか?」

「そうですね。集中力も削がれてきてしまいましたし、今ここで魔物と交戦するのも考えものですわ。」

「どうする、カイル?」

「仕方がない。今日は切り上げよう。」


試し斬りもしないで帰るの嫌なんだろうな。

かと言ってコウモリと戦うと数が増えるからもっと嫌という可哀想なことになっている。


「明日はこの第7階層奥から探索を開始することにしよう。では今日は解散。」



―――


帰ってきたらマリさんが食堂でホットケーキを食べていた。

今日は迷いの森で獣たちとの会議があったそうでここに来るのが遅くなったそうだ。

会議あるんだ…もしかして議題は居なくなったイノシシについてじゃないよね?


「いやー今日は本当になんの実入りもない日だったな。空振りするのって悲しいね。」

「まあそんな日もあるじゃろう。また明日頑張ると良い。」


よしよしと慰めてくれるのは嬉しいが外見が幼女なのでなんだがプライドが…複雑だ。


「そうだねー。あ、ところでお土産の琥珀糖食べてくれました?」

「おうおう。あれは本当にきれいで食べるのが惜しかったんじゃ。しかし食べると何とも上品な甘さに虜になってしもうた。」


気に入ってくれたみたいで良かった。

そう言えば琥珀糖と魔石ってちょっと似てるよね。

まさか魔石も食べるとおいしいのか?


「あれ?コウ、その女の子誰?」

「まあ、ダンジョンの中で迷われたんですか?」


あー、そう言えばまだマリさんのことを紹介していなかった。


「こちらはマリさん。迷いの森の湖に住んでる精霊だよ。」

「ふむ。妾はコウの友人ゆえこちらによく来るのじゃ。よろしく頼むぞ。」

「精霊様!本当に?」

「まあ精霊様って実体化なされるのですね!」


驚く女性陣にマリさんは扇子を取り出しホホホと優雅に笑った。


「精霊様など擽ったい呼び方をせんで良い。妾はコウに貰ったマリという名を好んでおる。」

「コウって顔が広いんだね。」

「そうね。神様2柱からユニークスキルを貰っただけではなく精霊様…マリさんともお友達だなんてすごいですね。」


言うほど俺顔広くないんだよな。

《森の守護者》と《夜の一撃》しか人間のお客さんいないし。

行商人の人とかに売り物を卸したりできないかな。

ダンジョンの中じゃ無理か。


「それはそうと御主の言っておった人間たちじゃが昨日の夕刻前には迷いの森を抜けて町へと帰ったようじゃぞ。」

「《夜の一撃》の森の調査は早めに終わったようですね。」

「いや釣りをしておったからずいぶんゆっくりとしていたのではないかの?」


マイペースな一行だな。

スヴェンさんプンプンだったんじゃないか?


「今の時期は大物のブラックイールが獲れるからの。妾も土産に持ってきてやったぞ。」


マリさんが手をかざすとずるずるっと長くて太い黒いものが床にドチャッドチャッと落ちた。


「あ、うなぎだ!」


それも2匹もいる。

こんなでっかいうなぎがマリさんの身体から出てきたのか…やっぱり水の精霊だから身体が湖の水で出来てるのか?

あと何でも床にダイレクトに落とすのやめてもらっていいです?


「ブラックイールは脂がのっていて美味いぞ。」

「ありがとうございます。早速厨房に持っていきます。」


リリーがしずしずと桶を持って現れうなぎを簡単に捕まえて颯爽と厨房に帰っていった。

凄腕すぎるな。

フィアさんとフランソワさんが「え?あれ食べるの?」みたいな顔をしていたがうなぎの美味しさを知らないんだな、可哀想に。

まあ俺もそんなに食べたことないけど。

昔爺ちゃん家で食べた時凄く美味しかったのは覚えてる。

我が家の食卓ではのぼらないからそれが最後のうなぎの記憶だ。


「今日はうな丼にしてもらおう。」



―――



「え!これがあの黒いニョロニョロなの?」

「あら、全然わからなかったです。」


夕飯は俺のリクエストの通りうな丼になったのだが、フィアさんとフランソワさんは生きている姿を見ていたのでその違いに驚いたようだった。


「ん?なんだ、黒いニョロニョロって?」

「今日の夕飯はブラックイールらしいんだが全く見たことが無い料理なんだ。」

「ブラックイールってあの?ぶつ切りにして焼いて食うぐらいしかないだろう?」


えー、うなぎをぶつ切りにして焼く?

そっちの調理方法のほうが俺は知らないよ。


「このキラキラした茶色いソースがいい匂いだねー。」

「それはタレだね。うなぎ、ブラックイールを美味しく食べるために作られたと言っても過言ではない専用のソースなんだよ。」

「タルタルソースも美味しかったからこのタレとやらも絶対に美味しいはずだな。」


全員の分のうな丼がテーブルに並べられる。

俺以外は全員スプーンを用意してある。

あとリリーが追加分のタレと山椒を置いていってくれた。


「今日はマリさんからブラックイールをいただいたので美味しくいただきましょう。どうぞ召し上がれ。」


マリさんを除く全員がどんなものかと恐る恐るうなぎを口に運んでいく。


「おお!なんじゃこの甘いソースは!美味じゃ!ブラックイールの良さを引き出しておる!」

「本当…美味しいですわ。生臭くもないですし。」

「見た目によらないねー。身もフワフワで柔らかい。」

「このブラックイールの脂とタレに山椒が合うな。もう少し足すか。あー、酒が欲しいな。」

「やはりこのタレとやらもうまい。これだけでも白米がすすむな。」


好評で良かった!

カイルさんタレごはんにハマると太るからやめたほうがいいですよ。


今日は探索ではなんの成果も無かったけどお土産で美味しいうなぎも食べられたしたまにはこんな日があってもいいのかな。


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