第4話 もう一人の案内人
『やれやれお前さんは本当にせっかちで仕方がねぇな。』
俺の絶叫に被せるように第三者の声が入った。
その声はナビさんとは違う、男の声だった。
「だ、誰だ!?」
『誰だとは失礼だな。オレはあんたのもう一つのスキルの案内人だよ。』
声の主はそう言うと俺の影からにゅるりと現れた。
「ひぃ!!ナマコ!!」
『ナマコじゃねぇよ!触手だよ!』
あ、触手なんだ?
なんか黒くて短くて地面を這ってるからナマコかと思った。
『何をしに現れたのですか?』
ナビさんの声が冷たい。
いや合成音声みたいな声だからあれだけど俺に対する時とトーンが違う。
『何ってオレのマスターに力の使い方を教えてやろうと思ってよぉ。』
ナマコ?はヘラヘラとした口調でなんだか挑発的だ。
なんだかよくわからないけど喧嘩はやめてほしい。
『マスターよぉ、簡単にMPが回復出来る方法教えてやろうか?』
「え!そんなこと出来るの!?」
『コウ様!聞いてはいけません!睡眠をとればMPが100ほど回復いたします!早く寝ましょう!』
あ、そうなんだ。
寝ると回復するっていうのはゲームのシステムと一緒なんだなぁ。
でもあと2本はマジックポーションを飲まないと今日の維持管理分のMPが足りないし。
『甘いなぁ〜。マスター、考えてもみろよ。そんなちんたらしてられない時だってあるだろう?例えば……、今。』
ニヤリと音がするように口も無いナマコ?が嗤った。
『コウ様、お客様です。』
「え?お客さん?どうすれば…」
『《開店》と宣言していただければこの空間を求めている現在コウ様がいらっしゃるダンジョンに滞在している全ての善良なお客様をお招きいただけます。《閉店》で全てのお客様を拒否、退店させることができます。』
この空間を求めてる?ってことはもしかして薬がほしい状況下におかれてるってことか!
善良なお客さんだっていうしここは、
「《開店》!」
受け入れるしか無いよな。




