第35話 新天地へ!
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〈カイル=グレファー〉
状態 健全
現在地 エルフの古代遺跡(ダンジョンコア有り)
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えー!カイルさんたちダンジョンにいるじゃん!!
思ったより早い!
馬車とかの移動手段かな?
しかもダンジョンコアがあるってことはダンジョンマスターが作ったってことだよね!
ナビさん!俺これ行ってみたいんだけどワープしても大丈夫かな?
『はい。問題ありません。ですがマリ様ご退店時にはプレートを青にして迷いの森湖に繋げていただく必要があります。』
あ、そうだった!
危ない危ない、マリさんを古代遺跡に連れて行っちゃうところだったよ。
今後もこういうことあるだろうからクロちゃん達に玄関プレートのことを伝えておこう。
「マリさん、俺新しいダンジョンに行ってくるね!俺が居ない時に店から出るなら玄関のプレートを青にしておいて。」
「おお、わかった。気を付けるのじゃぞ。」
じゃあ、行くぞ。
【ダンジョンワープ】発動!
…。
……。
………。
目の前の景色はなにも変わらない。
相変わらずマリさんがコーヒーを飲みながらあんこを美味しそうに頬張っている。
ナビさん?これワープ出来てる?
『はい。』『外出てみれば分かるだろうが。』
それもそうだ!
よし、荷物の確認してから外に出てみよう!
―――
「おお…暗い…。」
外に出るとそこは本当に遺跡の中だった。
レンガ作りの人工のダンジョンだ。
薄暗くて少し寒い。
コウモリも飛んでるし。
不気味だ。
お化けとか出ないよね?
俺はLEDランプをバッグから取り出した。
人工の明かりが灯されたことに驚いたのかコウモリが一斉に飛び立った。
自分の足音がやたらと反響するということは結構広い空間なのか?
明るいのは自分の周りだけだからいまいちわからん。
「こんな時の《ダンジョンマップ》!」
俺の頭にマップが浮かぶ。
んー、これ結構広い上に何階層もあるな。
一度に攻略できる広さじゃないな、これは。
これ普通の冒険者って何日で踏破する予定でここに来るのかな?
荷物の量も半端なさそう…。
だからファンタジー世界ってマジックバッグとかあるんだろうな。
「ナビさん、カイルさんたちが何処にいるかってわかる?」
『申し訳ありませんがわかりません。』
「そっかー。どうやって合流しようかな。」
『それでしたら【ダンジョンショップ】のオプションスキルである《コーリングベル》を取得されるのがオススメです。《フォロワーブック》に登録済みかつコウ様の滞在しているダンジョン内にいる方を任意でショップ内に転移させることが出来ます。』
「ドンピシャなスキル!早速取得するよ!」
『消費MPは1000になります。』
はぁーん、結構かかるけど便利だからいるー。
ショップ内に転移ってことだし緊急回避スキルとしても使えそうだしね。
ボス戦では使えないんだろうけど…。
「金貨7枚を消費して700MPを購入!【ダンジョンショップ】より《コーリングベル》をMP1000で取得!」
MP322→1022→22
よし、これでオッケーだよね。
そしたらショップ内に戻って《コーリングベル》を発動してみよう。
―――
「―――っていうことがあったんですよ。」
「なるほど、本当にキミは何でもありだな。」
第2階層でヴァンパイアバットと交戦中だったらしいカイルさんたちを俺は食堂に転移させた。
転移に気付かずフランソワさんの火の魔法が発動しかけてびっくりしたけど。
雑魚戦だったとはいえ急に呼び出したら危ないな。
でもボス戦と違って雑魚戦なら逃走可能だとわかったのは収穫だ。
急に4人も現れたのでマリさんが「騒々しいから今日は帰る」と言って帰ってしまった。
お詫びに今日は琥珀糖というお菓子を持って帰って貰った。
明日また感想が聞けるといいなー。
「はー、でもコウがここに呼んでくれて良かったよー。もう魔物がウザイのなんのって!」
「次から次へと泉の水が湧いて出てきているようだったな。」
フィアさんもジェイクさんもやれやれと肩を落とした。
よっぽど面倒だったんだな。
「ふふ、久しぶりというほど時間は経っていませんのにここが懐かしいですわ。」
「みなさんがいない間にも結構色々増えたんですよ。楽しみにしててください。」
「オーナー、お嬢様にはクロちゃんが案内します。」
クロちゃんいつの間に…。
フランソワさんに会えて嬉しいのはわかるけど。
まあいいか。
俺はカイルさんと話すことあったしここは任せよう。
「カイルさん。スヴェンさんからお金受け取りました。わざわざすいませんでした。」
「いや良いんだ。スヴェンを紹介したかったし、何よりきっと何かと入り用かと思ったんでね。」
はい、その通りです。
貴方からの送金が無ければ困るところでした。
「あのスヴェンさんには俺のスキルの説明はしなかったんですが、…カイルさんからみて《夜の一撃》は信頼できるでしょうか。」
「ああ。間違いなく信頼できるよ。」
即答するカイルさんに俺は言おうか少し迷ったがスヴェンさんのカルマの値について話してみた。
すると心当たりがあるのかカイルさんは「うん。」と押し黙った。
この反応はカルマが高くなった理由を知っているということか。
「カイルさんはスヴェンさんのカルマの値が高くなった理由を知っていて尚彼を信頼しているということですか?」
「そうだね。そう捉えてもらって構わないよ。ただ申し訳ないんだがスヴェンのカルマの値が高くなったことについては俺の口からは言いたくないんだ。」
まあプライバシーもあるよな、【鑑定】で覗き見た俺が言うことじゃないけど。
「わかりました。大丈夫です。それに俺もスヴェンさんは結構良い人だと思うんですよね。なんだかんだ面倒見が良いと言おうか。」
「はは、そうなんだよな。でもそれ本人の前で言うと殴られるから言わないほうがいいぞ?」
俺たちがクスクス笑っていた一方その頃、
―――
「べぇーくしゅっ!!!」
「うへー、なんだよスヴェン汚いなー。」
「煩え。ちっ、風邪か?」
「はははっ!誰かがお前さんの噂をしているのかもなー!」
「……ラーシュ、当たり…。」




