第31話 勉強しまっせ!
なにはともあれ試し打ちは成功に終わったんだけど、大変なのはその後だった。
仕留めたイノシシをそのままにするには勿体ないということで持ち帰ることにしたんだけどまあ重くて俺のマジックバッグにそのまま入らなかったんだよね。
結局スヴェンさんに教わりながらはじめての解体ってやつを体験。
二人がかりで肉と毛皮に分けてようやくマジックバッグに入る重さになったというわけだ。
血の臭いがキツくて内臓もグロくて吐くかと思った。
あー、そうだ。森の獣を不可抗力で殺めてしまったことを後でマリさんに謝ったほうがいいかな。
それは明日にでもマリさんが来た時に言うとして。
早くショップに帰ろう。
辺りが血なまぐさいんだよね!!
―――
俺はイノシシ肉を厨房に、毛皮を雑貨屋の倉庫にそれぞれ置いてきた。
素材を持っていくと売り物やメニューが増える場合があるらしい。
もし増えたらなにができるのか楽しみだなー!
「ところでコウ、この弓とグローブなんだが。」
「あ!買ってくれるんですね!お買い上げありがとうございます!」
「まだ何も言ってねぇよ!」
そんなこと言ってー、買ってくれるくせに!
っていうか売れないと赤字なんで買ってください。
「今買ってくれるなら素敵なオマケも付けますよ!」
「ほう。気になるな。言ってみろ。」
実はもう片方の指抜きグローブにも付呪をしてたんだよね。
これはちょっとロマンみたいなもんなんだけど。
「今度はこっちの指抜きグローブを左にはめてみてください。」
「ん?こっちはなんの付呪だ?」
「説明よりやってみる方が早いですよ。左手で弓を持って《収納》と唱えてみてください。」
「《収納》。」
するとスヴェンさんが左手で持っていた弓が忽然と消えた。
「消えた!?」
「出す時は《展開》です。」
「《展開》。」
指抜きグローブにはめた魔石が光ると今度は弓が現れ左手に握られていた。
これはマジックバッグの応用で《収納術》を付呪
してみたんだよね。
カバンやバッグと違ってそんなに入るわけじゃないんだけど成功したみたいだ。
ほら、ゲームとかで戦闘中に武器や防具を一瞬で別の物に切り替えられるじゃん?
あれを再現したかったんだよねー!
だってカッコいいから!
メインウェポンをサブウェポンに切り替えるとかさ!
普段着に付呪して一瞬で鎧とか装備出来たらもう変身ヒーローみたいじゃない?
いや、変身ヒーローをやるならやっぱりベルトに付呪するのがセオリーか?
「すごいな、これは。」
「へへー、いいでしょ!武器を切り替えて戦えたら便利だなと思って作ったんです。」
「これがオマケとは信じられん。」
いや、そりゃあね?
魔石使ってるし売るなら金貨3枚くらいは欲しいわけですよ…。
でも今回は弓と魔力変換の付呪がされたグローブだけで結構な金額いくからそれを買ってもらえるならまあいいかなってなもんで。
「……。そうだな。買おう。」
「あざーっす!!」
心を込めて頭を下げさせて貰ったよ!
合わせて金貨55枚です!毎度あり!
―――
「おい、てめぇら……!」
スヴェンさんが怒りにわなわなと肩を震わせている。
まあそりゃあそうだよな。
戻ってきた時食堂とバーカウンターはものすごい事になっていたから。
俺はさっきイノシシ肉置きに厨房に行ったから初見じゃないだけショックは少ないんだけどまあすごい。
具体的にいうと酒を飲みまくった形跡と飯を食いまくった形跡が凄かった。
これたった3人の飲食した量とはおもえないんだが??
「オーナー、ラーシュ様の飲酒代はしめて金貨5枚と銀貨2枚になります。」
「オーナー、こちらミーシャ様とシリカ様の飲食代は計金貨7枚と銅貨4枚になります。」
「あはは…、だそうです。スヴェンさん…こちらもお支払いお願いしますね?」
スヴェンさんが全員の頭をぶん殴りに言ったのは言うまでもない。




