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スキル【ダンジョンショップ】で一獲千金! 〜地獄の沙汰も金次第で元の世界への帰還を目指す〜  作者: 瞬間移動


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第30話 光の矢


なるほど、矢の問題か。

確かに嵩張るし、一度撃って回収出来なかったとなるとロストで消耗率も高い。

そうなるとムダ撃ちできないっていう問題はあるよねー。

まあ貴方の場合はスキルのおかげで《必中》なんだけども?


とは言っても自分のスキルがわかってないから仕方ないかー。

本当に勿体ないよなー。

俺にとってのナビさんみたいに教えてくれる存在はいなかったのかね?


でもスヴェンさん明らかに弓に惹かれてる感じなんだよな。

さっきから弓弾いてるし、要らないなら元に戻せばいいのにそれをしないってことは欲しいんだろうなー。


ここはもう一押しするか。


「俺ちょっと向こうにいるんで良かったら色々見ててください。」


俺はスヴェンさんに断ると《武器屋》を後にした。



―――


ということでやってきたのは《衣料店》である。

ここでやってみたかった事があるんだよね。


誰もいないから音声認識使おう。


「金貨5枚を消費してMP500を購入。更に《衣料店》のオプション《布・皮製品への付呪》をMP500と水の魔石5個を消費して購入。」


すると《衣料店》の一角に作業台が現れた。

ここで付呪ができるってことだな。


付呪でスキルとか属性付けたりするのってゲームでやるの好きだったんだよなー。

上手くやるとレベル以上の武器や防具ができたりレアスキルが発動したりさ。

そんな要領で出来るといいんだけど。


さて、と。


あんまりスヴェンさんを待たせても悪いしサクサクいきましょうかね!


取り出しましたるはー…じゃーん!

指抜きグローブ!


これに魔石を、いや欠片の方にするか…を嵌め込んで。


「ゴルド、付呪するのにスキルの指定したいんだ。できるかな?」

『もちろん!金次第だがな!』

「そんなに強いスキルじゃなくて良いから大丈夫だと思うんだけど…。」



―――



「あいつ遅いな。何してんだ?」


一通り武器を見てみたが品揃えも豊富だし何より質がいい。

ここでパーティーメンバー一式の武器を揃えるのもありだとは思う。


だが、


「弓、なぁ…。」


昔はナイフ1本、今は剣1本で戦ってきた身として考えると今更武器を変えると言うのは気後れする。

もし扱いきれなかったら無駄な買い物だし、何より魔物が倒せなくて危険が伴うかもしれない。

あいつらに余計な負担をかけるのは絶対に嫌だ。

特にラーシュは何言ってくるかわからねーからな!


やはり今回は止めておくのが賢明だよな。

やたらと勧めてたあいつには悪いが。

使わない武器に金かけるほど俺は酔狂じゃないからな。


「スヴェンさん!」


ドタドタとコウが戻ってきた。

賑やかなやつめ。


「これはめてみてください!後悔させませんから!」

「なんだなんだ?」


勧められたのは皮製の黒の指抜きグローブだった。

何かの付呪が施されているのか魔石の欠片が甲の部分に埋め込まれていた。


「これをはめてどうしろって?」

「ちょっと森の中にいきましょう!ちゃんと弓を装備してくださいね!」



―――


「それで?この弓使ってみろってことか?」

「そうです!ほら試し打ちですよ!」

「お前なー。矢が無いじゃねーか。」

「嫌だなー!矢ならありますよ、ここに。」


俺はスヴェンさんがはめているグローブを指差した。


「は?これがどうしたって?」

「これ俺が付呪したグローブなんです。弓を構えたあとに少し魔力を込めて見てください。」

「矢も無いのに弓を構えたところで……」



スヴェンさんがぶつぶつ言いながらも弓を構える。

この人なんだかんだ言って結構やってくれるタイプだな。


ヴンッ!


とスヴェンさんが構えた弓に青白い光の矢が現れた。


「な、なんだこりゃ?どうなって…!」

「あ、手を離したら…!」


キィーーーーーーン!!


耳鳴りのような甲高い音とともに光の矢が放たれた。

いや、ぶっ放された。


だって光の矢っていうよりはもはやビームだったからな。


ビームは草の根を掻き分けどこかに消えた。


……。

………。


ピブゴォ!!

と向こうの奥の茂みから獣の鳴き声がした。


俺とスヴェンさんは顔を見合わせた。


あ、《必中》だからこれ当たったんじゃね?




―――


結論、デカいイノシシを倒してました。

しかもたったの一撃で眉間から頭を打ち砕いていた。


「お前、何したんだよ?こんな大物の頭蓋骨が矢の一発で砕けるかよ。」

「いやこっちの台詞ですよ。試し打ちって言ったでしょ?何してくれてんですか、本当に。」

「お前が魔力込めろって言うから…あー、もういいや。」


スヴェンさんはふーっと息を吐いたと思ったらニヤリと犬歯を剥き出しにして笑った。

うわ、笑顔怖っ!


「くく…カイルが賢者がどーだこーだののたまっていたがまさかこれほどの奴だとは思わなかった。あいついい拾い物しやがったな。」


賢者…それってもしかして俺のこと!?

俺は薬師だって言ってたのになんですごそうな肩書にしちゃうかなー!もー!


「賢者では無いですけどねー。ところで弓と《魔力変換》の付呪グローブはどうでした?」


俺がグローブに付呪したのは《魔力変換‐矢‐》だ。

読んで字のごとく、MPを矢にできる。

これなら嵩張る矢を持たなくていいし矢の消耗を気にすることもない。

さっき【鑑定】した時にスヴェンさんのMPが結構あるのに魔術系スキルが無かったから勿体ないと思ったんだよねー。

ちなみに水、草、光、闇の魔石の欠片を使用したのでこの4属性を撃ち分けられるすぐれもの!

付呪するのに金貨1枚使ったけど良作だと思うんだよ!


「ああ!気に入った。ぶっ放した瞬間胸が空いたぜ!ちょっと頭がふらついたがな。」

「多分魔力を込めすぎですね。次やるときはもっとセーブしてみてください。」

「逆にもっと込めることはできねぇのか?」

「できるとは思いますけどすぐガス欠になっても困るので…あ!俺の作ったマジックポーションは良く効きますよ!破格の銀貨1枚です!」

「ほー、薬も扱うのか。」

「他にも色々ありますよ。是非うちで沢山お金使ってくださいね。」


俺が言うとスヴェンさんは高らかに笑った。


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