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スキル【ダンジョンショップ】で一獲千金! 〜地獄の沙汰も金次第で元の世界への帰還を目指す〜  作者: 瞬間移動


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第25話 新しいお客さん


「オーナー、みなさん帰られて寂しいですね。」

「そうだね。」

「次はいつ来てくださいますかね。」

「うーん、どうだろうね。」


まだ《森の守護者》が帰って1時間も経ってないんだが。

フランソワさんが居ないとわかるとクロちゃんが寂しがって仕方がないようで。


ちなみに名前はクロじゃなくてクロちゃんだそうだ。

フランソワさんも何故そんな猫みたいな名前を付けたのか…。


「クロちゃん、オーナーを困らせてはいけませんよ?オーナー、オレンジジュースです。どうぞ。」

「ありがとう、キール。」


バーテンダーさんの人形はジェイクさんによってキールと名前を付けられていた。

気に入ったカクテルの名前だそうだ。


なんというか、名前のセンスの落差よ…。


っていうか俺に名前付けさせてくれよ、みんな。


『コウ様、お客様がおいでです。』

「え!もう?早くない?」


まだカイルさんたちが言っていたお客さん候補が来るとは思えないんだけど。

予定だと早くて3日はかかると思うって言ってたし。


『人間のお客様ではないようですが、いかが致しますか?』

「人間じゃない?でもここに来れるっていうことは悪人ではないんだよね?なら別に大丈夫かな?」


今はちょうどお客さんも居なくて暇だしね。

嫌なお客さんなら《閉店》で締め出しちゃえばいいし。


『ではお通しいたします。』


カラン、とドアに付けたベルが涼やかになった。


「邪魔をするぞ。」


現れたのは、




『ウンディーネのお客様です。』

「ウンディーネって水の精霊!?」

「ほう、妾を精霊だと分かっているのか。そいつは重畳じゃ。」


ずいぶん古風な喋り方をするが目の前の人物はどう見ても10歳くらいの女の子だった。

意思の強そうなきつい目つき、鮮やかな水色の髪を2つに束ねたツインテール。

着ているものは白い絹のローブと金色の腕輪と蔓でできたようなサンダルと確かにファンタジーな装備なんだが。

パッと見、人間にしか見えないけれど。


「妾はこれでもこの森の湖に1000年は生きているぞ。御主よりずっと年寄りじゃ。敬えよ?」

「は、はい。すいません。って俺なんか言いましたっけ?」

「ほほ、すまぬな。《読心術》のスキル故に何を考えておるのか分かるのじゃ。気を悪くせんでくれよ?オーナーのコウよ。」


え!そんなスキルがあるのか!

便利だけどちょっと面倒臭そうだな。


「ところで御主、あの名付きのアルラウネを倒したであろう?見事であったぞ。」

「そんなことまで知ってるんですか!?でもあれはトドメを刺したのはカイルさんですし。」

「なんの。あの金髪の剣士ももちろん素晴らしかったが、ひとえに御主の魔術の力でもあったからの。」


ウンディーネさんはどこから取り出したのか手にした扇子をパチンと鳴らして閉じた。


「この森に住まうもの達を代表して礼を言いに来た次第じゃ。感謝する。」

「あー、いえいえ。どうもご丁寧に。」

「ついては何か褒美をと思ったのじゃが何が良いかの?」


ええ!褒美が出るの!

それはありがたい!


「お金がいいです!」

「……御主、思ったより俗っぽいのぉ。」


『偉いぞ、マスター!金は重要だからな!』


褒められた。

いやーここ何日かでお金の有り難みをしみじみと感じてねー。


「コホン。いやいや御主、今金よりも欲しいものがあるじゃろーて。」


何かあったっけかなー。


「とぼけおってからに。ほら、これじゃこれ。」


ウンディーネさんは手のひらから水泡を浮かび上がらせるとその中から1つ綺麗な結晶を取り出した。


「魔石じゃ。」

「これが魔石!すごい綺麗な宝石ですね。」

「そうであろう?妾の魔力の結晶だからの。もっと褒めてよいぞ?」


こぶし大の青の結晶は深い海を思わせる美しさでこの世のものとは思えなかった。


『ウンディーネなど精霊から作られた魔石は魔物の持つ物より純度が高く貴重です。市井ではまず出回らない代物でしょう。』

「これを貰っていいんですか?」

「うむ、良いぞ。」


ウンディーネさんは俺の手に魔石を持たせてくれた。

ひんやりと冷たいが氷のような刺すような冷たさではなく夏場に持っていたいちょうどいい冷たさで心地いい。

ハンディファンとかに付けたら売れそう。


『純度の高い魔石ですので普通の魔石の100個分の価値はあるかと思います。属性は水です。』


お!それはすごいお得な魔石だな!

属性ってのがあるのか。

そう言えばLEDランプを見た時ジェイクさんに光の魔石を使ってるのかって聞かれたからいくつか属性があるんだろうな。


「そうだ!ウンディーネさん!もしよかったらもっと魔石をもらえませんか?その分うちのお店の物やサービスを提供します。」

「ほう。それは面白いの。しかしここまでの純度のものは妾もこれしか持っていなくての。」

「全然大丈夫ですよ。魔石であればある程度の品であっても結構ですから。」


スキルを増やしたり今後増やしていく予定の《魔導具屋》や各種付呪に絶対に必要になるから数が欲しいんだよねー!


「あいわかった。暫し待つが良い。」


ウンディーネさんは一瞬にして水溜りのような姿になるとその場から消えた。


『退店なされたようです。』

「一度魔石を取りに帰ったのかな?」

「待たせたの。」


早い!!

5秒もかかってないけどどういうこと!?


するすると水溜りが人の形となっていき、またあの少女の姿になった。


「今妾が提供出来るのはこれくらいかの。」


ウンディーネさんが手のひらを床に向けるとバラバラと音を立てて結晶がぶち撒けられた。

大小様々で色も青だけじゃなくて白や緑もあった。


あのすいません、これ拾うの俺なんですけど?


『種類や数はこちらで把握します。』


すまないね、頼むよナビさん。


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