第19話 全くキミってやつは!!
アルラウネも無事討伐出来たのは良かったんだが全員満身創痍だったのでとりあえず今日は俺の《宿屋》に泊まって明日町に帰るということになった。
俺の【ダンジョンショップ】はダンジョン以外では発動出来ないということをナビさんから聞いて俺は内心ビビった。
これだけチートなスキルなんだから弱点もあるだろうと思っていたが名前の通りだったわけだ。
ボスを倒したから迷いの森がダンジョンじゃなくなっちゃってたらどうしようかと思ったけど一度ダンジョンになってしまうと簡単に元の普通の森に戻るのは時間がかかるらしい。
5年経っても魔物の動きが活発化してなくて魔素の数値も安定していたらダンジョンじゃなくなったという認識らしい。長いね。
まあそれは良かったんだけど。
「全くキミってやつは!!命がいくつあっても足りないぞ!!」
ガタン!とテーブルに酒の入ったジョッキを打ち付けカイルさんは俺を胡乱げな目で見てきた。
「だいたいなー!なんでこんなところにキミみたいな奴がいるんだ!賢者かなんかだろう!?なあ!?」
カイルさんがめっちゃ絡み酒してきます。
助けて。
「カイル?コウ君が心配だったのはわかるけれどもいい加減にしなさい?」
フランソワさんがカイルさんの頭を子どもを諭すようにポンポンと撫でた。
顔をアルコールと羞恥心で真っ赤にさせながらカイルさんが唇を尖らせる。
「俺は…お前の事だって、心配したんだからな…。」
あまーい!!!!
は?なにこれ?
俺何見せられてんの!?
「あはは!カイルったらいつも酒飲むとこんな感じでウザ面白いの!コウも慣れてねー!」
ああ、そうですか。
ジョッキ2、3杯でこれって賑やかで楽しいですね(棒読み)
言っておきますけど今日は宿泊代も酒代もサービスするけど次回からはちゃんとお金取りますからねー?
「ジェイクさん身体の調子はどうですか?」
「ああ。すっかり元通り、とはいかないが。ほぼ問題無いな。本来なら1ヶ月は使い物にならないところだったぞ。」
いやどう見ても貴方は全治1ヶ月なんてもんじゃありませんでしたよ??
塗るタイプのポーションをほぼ全身に塗ったくったからお風呂は今日我慢ですからね。
「ジェイクは身体の頑丈さだけが売りだからねー!」
「頑丈さだけとはなんだ!だけとは!」
ジェイクさんがフィアさんの首根っこを掴んで顎髭攻撃しているが、マジでフィアさん嫌がってるし。
この2人の関係もなぁ。
親子みたいなんだがフィアさんは普段はパパじゃなくてジェイクって名前呼びしてるし。
あの時のフィアさんの言葉を聞かなかったら親子とは思わなかったんだよなあ。
このパーティーってみんな仲は良いけどなんか思ったより複雑なんかな?
しかしまあ、本当によく全員無事に帰ってこれたよ。
ボス戦は逃げられないって酷いじゃないか。
それならカイルさん達があの空洞まできちんと調査した段階でボスと遭遇するのは必然だったわけだし、初見殺しもいいところだよ。
『初見殺しか、確かにな。』
『ゴルド!!』
ん?どうしたの?
『お前あのカイルとかいうやつのステータス見てみろ、面白いものが見れるぞ?』
『駄目です!やめなさい!』
ナビさんが金切り声をあげる。
その声はいつものような合成音声みたいな声じゃなくて…どうしてだろう。
駄目と言われたのに見なくてはいけない気持ちになってくる。
『あーあー、煩いな。ほら、【鑑定】スキル1回銀貨1枚にまけてやるからよ。』
本当はステータスを勝手に見るのって良くないんだろうな。
でもごめんカイルさん、なんか俺見なくちゃいけない気がするんだ。
ステータス画面に銀貨1枚を入れてスキル【鑑定】を1回分取得。
まだ酔っ払ってみんなにクダをまいているカイルさんを視界にいれて、【鑑定】をする。
「なんだよ、これ。」
俺は言葉を失った。




